(11)‘06関東インカレ特集/関東大学選手権

関東インカレのキーマン


-北海高出身編-

4/12、新体制初の公式戦が行われた。相手は昨年度関東1部リーグ8位の日大。勝ちはしたものの、それでも3-1という僅差のスコアは、未だ煮え切らない明治を物語っている。23日の準決勝――相手は昨年度インカレの決勝でもぶつかった法大だ。実は3年前の優勝以来、過去2度の関カレは準決勝で苦杯を舐めている明治。ここ一番に強い法大との1戦は、春を制す上での鬼門となりそうだ。栄光をつかむためのキーマン達。今回は、ルーキー時代から活躍し続けている、北海高出身FWコンビを紹介する。

#20 伊藤(政経4)FW

ポジションはチームの司令塔であるCF(センターフォワード)。明治CF陣は層が厚く、伊藤はその中心的存在だ。小柄だが器用なプレーが得意。パワーも十分で、自ら点を取れる上に、相手のハードチェックに対しても当たり負けしない。ディフェンスもこなせるオールラウンドプレーヤー。しかし、反則の数が多い。「すぐパンチを出す」(鈴木・平18政経卒・現王子製紙)。ルール改正により、ジャッジが厳しくなった影響もあってか、先日の対日大戦ではゲームミスコンダクトペナルティ(一発退場)を宣告された。だが、リンクの外ではとても礼儀正しい好青年だ。

パックを運ぶ青柳

#13 青柳(政経4)FW

ポジションは伊藤と同じくCF。リンクの中でも外でもしっかり者だ。今年度スケート部の総合主務を務めている。自ら切り込んでゴールを狙うようなプレーはしないが、丁寧なパスや判断力は秀逸。それゆえあまり目立ちはしないが、彼が明治の核であることは間違いない。瞬間湯沸かし器のようにすぐアツくなる選手の多い明治の中で、青柳は常に冷静で頼りになる。双子の兄がおり、他大生だがこちらも現役プレーヤーである。

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<試合日程>
23日 14:30~ 準決勝 対法大
29日 16:30~ 決勝

<世界選手権に出場の梁取選手に応援メッセージを送ろう!!>
「世界選手権応援メール:梁取選手」

■明治大学メンバー図鑑■

 今年の明治はルーキーが多く起用され、昨年と雰囲気はがらりと変わった。今回はその、日大戦のオーダーを基に、各選手の特徴と、各セットの特徴を簡単に紹介していきたい。

第1セット
RW #61 河野 剛也  CFもこなせるマルチFW
CF  #20 伊藤 久史  光るセンスとテクニックを持つ
LW #71C 浅利 拓   スピードがあり、プレッシャーに強い。
RD #12  今川 征治  守りは安定。後方からのバッティングシュートも注目。
LD #2  今坂 文哉  いきなりの第1セットの起用で今、最も期待の成長株。

 このセットは河野、浅利(拓)を揃え、攻撃的な組み合わせになっている。自らも点の取れる伊藤がテクニックを駆使し、パックをキープ。ゴール前に走りこむ浅利(拓)に速く正確なパスを出して得点する。またDF面でも安定した守りに定評のある今川とルーキーの今坂がゴール前を固めている。菊池部門主将の海外遠征行きで急きょ今坂が第1セットに抜擢。今後は今坂の成長がカギになってくる。

第2セット
RW #16 高田 昌虎 スピードを生かしたプレーが目立つ。
CF #13A 青柳 敦史 ミスターアシスト王。パスでゲームを作る。
LW    # 88    外崎 裕将 体が大きいがスピードあり。
RD #23A 楠木 星列 前にはあまり出ず、しっかりとゴール前を守る。
LD #3   坂田 駿  後方からのバッティングシュートで得点を狙う。

 サイズのある外崎と坂田(駿)、2人のルーキーが入った第2セット。走るアイスホッケーで有名な駒大苫小牧高出身の外崎と小柄ながらスピードとテクニックを併せ持つ高田が敵陣に果敢に切り込んでいく。坂田(駿)もDFながら前線へと上がっていくなど攻撃的なプレーが目立つ。前に出る坂田(駿)としっかり守る楠木のバランスもいい。1・2年生が半分を占め、1番若さが感じられるセットとなっている。

第3セット
RW #21木元 貴士 徐々に反則減少。CFもできる熱いプレーヤー
CF  #14江端 勇人 持ち前のキープ力で切り込む
LW #9坂田 悠   誰よりも速くゴール前に切り込むスピードがある
RD #30金塚 佑輔 安全に後方でしっかり守る
LD    #7増田 隆宏  第3セットに入るもパスがまだ弱い

 このセットは木元と坂田(悠)のスピードが注目。ルーキーの江端も持ち前のキープ力でゴール前に切り込み得点を狙っていく。木元と坂田(悠)がプレスをかけて、一気にカウンターを仕掛ける。走れる3人が揃ったFWの破壊力は第1セットにも引けをとらない。しかし昨年、第4セットから上がった2年生コンビのDFにはまだ不安が残る。守りから攻撃へスムーズにつなげる事ができるかが勝負の分かれ目となる。

総括
 全体的にスピードのある選手が揃っている。個々のテクニックはあるので、あとはそれをどうチームとして機能させるかが重要だ。第1セットでは、試合1日前に菊池部門主将が抜け、代わりの穴埋めとして今坂が起用された。慣れない中ポジショニングやパスワークがうまくいかない部分もあったが次の法大戦ではDFメンバーの調整があるだろう。
また2回戦途中から第1セットに起用されたCF田中や期待のルーキーFW近藤も今後注目だ。