東海大に僅差で惜敗/全日本学生体重別団体優勝大会
本学は今大会で2年ぶりの準決勝進出を果たしたが、惜しくも強豪・東海大に微差で敗北。決勝の舞台を踏むことはできず第2回大会以来の優勝を果たせずに終わった。
2回戦から登場した本学は初日の福岡経大を7-0で圧倒。最終日の2日目は3回戦で流経大を4-0で下すと準々決勝の日体大戦も5-1で順調に勝ち上がる。そして迎えた準決勝戦。相手は、今大会最多優勝を誇る東海大。また、東海大には2年前、同大会の準決勝で0-3でオール一本負けと惨敗を喫している。本学にとって因縁の相手であり越えなければならない壁であった。
先鋒(81kg級)の花本主将(営4)が冷静な試合運びで相手のスキを見極め、残り2分で見事な背負い投げ一本を決める。先手を取りチームの流れをつくったが、続く次峰(66kg級)の野田(商4)は相手の執拗(しつよう)な攻撃に耐え、両者譲らない展開を見せたが残り40秒で「先に相手に組み手を取られた」(野田)ことから効果を取られてしまう。しかし、そのまま巻き返しを図れず次峰は優勢負け。続く五将(100kg超級)には100kg級の山本(政経3)が起用された。山本はひるむことなく、技を掛け続けるもポイントにはならず、激闘の末、引き分けで終了。また中堅(100kg級)には90kg級の影野(政経3)を使う。技の掛け合いが続くが、残り1分余りで影野が守りに入ってしまった。それが転じて影野に指導が入り、相手にポイントを奪われてしまう。そのまま試合は終了。ここで本学は逆転を許してしまう。しかし、三将(60kg級)の鈴木(雅・商3)と副将(73kg級)の西岡(営2)が粘りを見せる。鈴木(雅)は10月に行われた個人インカレで肋骨(ろっこつ)を負傷し、痛み止めを打ちながらの出場だったが見事、引き分けに抑える。また西岡は相手が確実に守りの姿勢を取っていたことからなかなかポイントを取れずに苦戦を強いられる。残り数秒で技を掛けたが無念にもポイントは奪えず、時間切れとなり、西岡は悔しさのあまり畳を激しく叩いた。ここまでで、1-2と不利な状況。しかし、本学は花本主将の一本勝ちがあるため、大将戦(90kg級)で反則1つでもポイントを挙げれば内容勝ちとなるチャンスがあった。底知れぬプレッシャーがかかる中、大将の田中(政経3)が畳に上がる。均衡をした試合が続いたが一瞬で、田中の体が宙を舞った。相手に体落としを決められ一本負けを喫し、本学の敗戦が決定した。試合を終えた選手たちの目には涙が浮かんでいた。
今回で浮き彫りになったのは、やはり重量級の不足だろう。軽、中量級で良い流れをつくりながら、100kg超級に100kg級の山本や清水(政経2)、空(あ)いた100kg級に90kg級の影野を起用するなど、苦しい展開が見られ、課題も明らかになった。
今大会で花本主将をはじめ4年生にとっては最後の団体戦。部をけん引し、改革を図ってきた花本体制は間違ってはいなかった。選手たちの意識は向上し、チーム全体で戦うというスタンスは確立され強豪復活への道がはっきりと見えてきた。しかし、だからこそ選手たちにとって今回の結果は納得のいくものではなかった。
「自分が弱かった。逃げる相手を捕らえきれる技術がまだ足りない」(西岡)。
「4年生の最後の団体戦に貢献したくてケガを押してでも出た。勝つためにここへ来たのに悔しい」(鈴木・雅)。
「チームに対して申し訳ない。悔しくて涙も出ない」(田中)。
「4年生の最後の団体戦に貢献したくてケガを押してでも出た。勝つためにここへ来たのに悔しい」(鈴木・雅)。
「チームに対して申し訳ない。悔しくて涙も出ない」(田中)。
しかし、「あと一歩で決勝へ進めた。東海大とも差はほとんどない。だがそれを越えるためにはさらに厳しく、質の高いけいこが必要となる。ただ、これまでとは違う、前に進むための何かが見えてきた」(藤原監督)と手応えをつかんだのも事実であり、確実に強豪校との差は縮まっている。
彼らが味わった悔しさは必ずや、これからの糧となるにちがいない。花本主将をはじめとする4年生が抜けてからどのように部員がその意志を引き継いでいくのか。王者奪還への道は拓けたばかりだ。
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