女子エペ 稲山が優勝 幸先の良いスタートに/日本学生カップ

2024.04.21

 昨年度は関東学生リーグ戦(リーグ戦)初優勝に加え、全日本王座決定戦2連覇を達成するなど、最強との呼び声が高い明大女子エペ。新年度になり最初の大会だったが、エース・稲山友梨(営4=星槎国際)が不調を感じさせない冷静なプレーで見事優勝。今年度の女子エペの活躍を予感させる大会となった。

◆4・19~21 第5回日本学生カップ(駒沢体育館)
▼女子エペ 稲山――1位、盧――12位、國谷――15位

 予選プールを難なく通過し、迎えたトーナメント戦。明大から出場した3人全員が1回戦を突破し、9月に行われる全日本選手権個人戦の出場権を獲得した。「出場できる最低条件はクリアできたので良かった」(國谷優奈・政経3=宇都宮中央女子)。しかし、進んだ2回戦では思うような動きができず。國谷は左利きかつフレンチ使用という普段剣を交えることのない相手に翻弄(ほんろう)され「情報がない選手と当たったときに、その場で対応できる力がなかった」と課題を明らかにした。盧承延(政経3=王子総合)も昨年度の全日本選手権団体戦以来の試合で調子が上がり切らず。「とても緊張してしまい、メンタル面がうまくいかなかった。予選からとても調子が悪くて、普段攻めるところで出られなかったり、自分の得意な距離じゃないときに出ちゃったりするところがあった」と悔しさを滲ませた。

 出場した明大勢の中で、唯一3回戦へと駒を進めた稲山。「1週間ぐらい前から所々痛いとこが出始めて違和感があった」。万全とはいえない中での試合となったが、気負わずにプレーしたことが功を奏し、3回戦、準決勝と勝利を収めていく。最後に挑む相手はシニアランキング4位の齋藤(専大)。同ランキング10位の稲山にとって格上の相手ということもあり「苦手意識があった。ただ、そこに行くまでにそれぞれの相手を1セット目でしっかり見極めて、自分の中で何をしたらいいかを冷静に判断した。その結果、自分のやりたいようにうまく試合を運べた気がする」。調子が整っていない状態だからこそ焦らないことを意識。互角の戦いの中でも1点1点を着実に積み重ね、優勝をつかみ取った。「優勝は目指していたが、できるほどのことではないと思っていた。天狗にならない程度に自分の中だけで自信を持って、プレーへいい方向につなげられたらと思う」。新年度の幕開けにふさわしい結果を収めた。

 2年ぶりの大型新人・岸本鈴(営1=龍谷大平安)は先日サウジアラビアで開催された世界ジュニア選手権に出場。個人戦では出場した日本人の中で最上位の30位と、世界を相手に健闘した。そのため、今大会は体調を憂慮しサポートという形でチームに貢献。「先輩たちに付いていって何なら追い越すくらいの気持ちでこれから頑張りたい」。大学デビュー戦はリーグ戦へ持ち越された。

 期待のルーキーを迎え、新体制がスタートした明大女子エペ。「チームみんなで仲良く楽しんでやれば結果も付いてくるかなと思うので、試合までのコミュニケーションの取り方や雰囲気作りを日頃の練習からやっていきたい」(稲山)。悲願の5冠達成に向け、新たな仲間で歩き出す。

[石井遥]

試合後のコメント
稲山
――課題はありましたか。
 「今回はまだとんとんの状態でセットが終わって焦らない状態で冷静に考えられたから良かったですけど、一つ一つの試合をやったときにメンタルが落ちていると今回みたいに冷静な試合展開に運べなかったりすると思います。そこをもっと安心安定なコンディションにそれぞれで持っていけたらいいかなと思います」

國谷
――後輩ができた心境はいかがですか。
 「(岸本選手は)同世代の中では一番強い選手なんですけど、後輩には負けたくないという意地もあります。それで練習にも火が付くというか頑張ろうってなるので、いい刺激をもらっています」


――ルーキーの岸本選手はどういった選手ですか。
 「何が苦手とかあまり感じられなくて、全てのところですごく上手にプレーできる選手です」

岸本
――世界ジュニア選手権で世界を相手に戦ってみていかがでしたか。
 「海外にも少しずつ行けるようになってきて試合に慣れてきたなっていう感覚はありますが、やはりレベルの高さを感じたりするとまだまだ差があるなっていうのは思いました」