
帝京大の壁を越えられず 悔しい準優勝/第25回東日本大学セブンズ
新時代の幕開けだ。木戸組の初陣となった第25回東日本大学セブンズ。明大は1回戦、CHANPIONSHIP1回戦を突破すると、準決勝では筑波大と対決。激闘を制し昨年のリベンジを果たしたものの、決勝で帝京大にあと一歩及ばず準優勝となった。
◆4・14 第25回東日本大学セブンズ(熊谷スポーツ文化公園ラグビー場)
▼1回戦
○明大41{24―12、17―7}19東洋大
▼CHANPIONSHIP1回戦
○明大36{17―14、19―5}19東海大
▼CHANPIONSHIP準決勝
○明大24{7―21、17―0}21筑波大
▼CHANPIONSHIP決勝
明大28{14―21、14―12}33帝京大○
明大は1回戦、東洋大を下し好スタートを切ると、CHANPIONSHIP1回戦で東海大と対戦。前半は17―14と互角の展開となるも「みんなでトークし合って試合の中で修正できた」(ゲームキャプテン山村和也・商3=報徳学園)。後半は堅守で流れを渡さず勝利し、CHANPIONSHIP準決勝進出を決めた。その対戦相手は前回大会王者の筑波大。前回大会で明大は準決勝で筑波大に破れ、6連覇を逃している。願ってもない再戦に「優勝候補である筑波大に勝つために練習してきた」(坂本公平・情コミ4=東福岡)。前半は筑波大の流れるようなアタックに苦しみ、7―21で試合を折り返す。厳しい試合展開だったが、後半から明大は抜群の修正力を見せる。「メンバーが入れ替わっても強度が下がることなく、最後までチームで粘り強く戦えた」(阿部煌生・政経1=流経大柏)。後半2分、4分に立て続けにトライを挙げると、6分には自陣ゴール前マイボールスクラムから山村が驚愕(きょうがく)のプレーを見せる。右サイドに仕掛けると、自慢のスピードとランスキルで相手を追い抜き独走。そのままインゴールまで走り切り、劇的な逆転トライとなった。明大は後半筑波大を完封し、24―21で勝利。見事昨年のリベンジを果たし、2年ぶりの決勝へ駒を進めた。
決勝の相手は帝京大。前半開始直後、ディフェンスからチャンスを作り、山村が先制トライを挙げる。しかし、その後はキックオフのスキを何度も狙われ、3連続トライを許してしまう。突き放されたくない状況でチームを救ったのがルーキーの阿部だ。前半5分、自陣で相手のパスをインターセプトすると、そのまま独走。「相手の視線や体の動きを見て、いけるなと思いチャレンジした」(阿部)。新参とは思えない圧巻の走りでディフェンスを振り切り、インゴール中央にグラウンディング。両者一歩も譲らず、14―21の僅差で勝負の行方は後半へ。後半、先に得点したのは明大だった。後半2分、相手のペナルティーを足掛かりに攻撃を展開し、最後は坂本がトライ。コンバージョンゴールも成功し、ついに同点に追いつく。後半4分に帝京大にトライを奪われ再びリードを許してしまうも、明大は気持ちを切らさなかった。後半6分、敵陣10メートルライン付近でペナルティーを獲得すると、素早いリスタートで左の空いたスペースへボールを展開。最後にパスを受けた金昂平(政経3=大阪朝鮮)がインゴールに飛び込み、再び逆転。このままリードを守りたい明大だったが、試合終了間際に帝京大にトライを許し、28―33でノーサイド。2年ぶりの栄冠までわずかに届かなかった。
新体制の初陣は悔しい結果となった明大。しかし、新入生の活躍が光った大会だった。ルーキーでは4人がメンバー入りし、チームに大きく貢献。帝京大戦で独走トライを見せた阿部は今大会3トライと大活躍し、大和哲将(政経1=佐賀工業)は要所で好ディフェンスを見せるなど、昨年度の花園を沸かせた実力を存分に発揮した。長谷川諒(情コミ1=報徳学園)、為房幸之介(商1=常翔学園)もスキルフルなプレーでチームに寄与するなど、新星の活躍が多く見られた。次戦は関東大学春季交流大会(以下、春季大会)・流経大戦。流経大は外国人選手などインパクトプレーヤーを多く擁しており、決して油断できない相手だ。「チームの土台をしっかり作っていけるようにみんなで頑張りたい」(山村)。新生『木戸組』がこれからどんな戦いを見せてくれるのか。ルーキーたちがどのようにスタメン争いに名乗りを上げるのか。王座『奪還』への挑戦に期待が高まる。
[晴山赳生]
試合後のコメント
阿部
――初めての紫紺でしたが、プレッシャーはありましたか。
「最初はだいぶ緊張してたんですけど、セブンズの練習で積み重ねてきたものを生かして、徐々に自分のプレーも出せるようになってきて、自分の役割であるランで取り切るところはできたと思います」
――これからの意気込みをお願いします。
「チームとしては101周年目で『For Meiji』という目標が掲げられているので、チーム全員が明治のためにっていう帰属意識を持って、生活やブランドから徹底していくことと、個人としては15人制で紫紺のジャージーを着られるように頑張りたいと思います」
坂本
――今試合でチーム、個人それぞれで良かったことを教えてください。
「個人としては、トライを取れたのでうれしかったのと、チームとしては筑波大に勝てたことはうれしかったんですけど、最後勝ち切れなかったので次の試合に生かして頑張ります」
――今試合を振り返っていかがですか。
「優勝候補である筑波大に勝つためにやってきて、筑波大を倒すところまでは良かったんですけど、最後勝ち切れなかったのが悔しかったです」
仲間航太(文3=常翔学園)
――久しぶりの紫紺でしたがいかがですか。
「去年セブンズに出られなくて、春シーズン最初の流経大戦出させてもらったのがちょうど1年前ぐらいなんですけど、紫紺を着るために明大に入ったので、紫紺を着られて誇りを持ったプレーができたんじゃないかなと思います」
――新体制になり最初の試合でしたがいかがでしたか。
「新体制になり『奪還』という今年のテーマがある中で、セブンズも去年は優勝を逃しているので、今年は絶対に奪還しようっていう気持ちで練習もしっかりやって挑んだので、そこに関して達成できなかったというのが他のメンバーには申し訳ないなと思います」
山村
――ゲームキャプテンとしてどのようなことを意識していましたか。
「特に変な意識はしてなかったんですけど、プレーで引っ張りたいっていうところと、試合外でのトークのところで、自分の思っていることなどをしっかりチームに伝えるというのは意識しました」
――決勝の帝京大戦を振り返っていかがですか。
「今日のテーマの『コンテスト』のところで、キックオフとブレークダウンが少し負けてしまって敗戦という形に終わってしまったので、15人制で絶対に勝てるようにまた準備していきたいと思います」
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