全日本選手権で2種目制覇/全日本選手権

1999.01.01
 男女合わせて3種目以上の優勝を目標に掲げて挑んだ全日本選手権。目標達成はならなかったが、5種目で決勝に残った10日・最終日、男子舵手なしペアと男子舵手つきフォアの2種目が、見事な優勝を飾った。

 男子舵手つきフォアの当初の理想のレース展開は、最初の500mで先行し、そのまま逃げ切る形。実際のレースでその思惑は狂い、スタートでトップに立ったのは京大だったが、選手たちは落ち着いていた。1000mから一気に勝負に出る。「抜きに掛かるタイミングは難しく、勇気が必要だった」(杉谷主将・法4)。しかし踏み切った勇気は見事に実を結び、1250m地点で京大とほぼ並走、1500m付近で1位に立ち、最後は2位に完全な差をつけ鮮やかなフィニッシュを迎えた。歓声の中、選手たちは艇の上で喜びを爆発させた。「中学校以来、久々に日本一になれてうれしい」(嶋田・文2)。

 多くの期待が懸かりながらも思うような結果が残せず苦しんだ昨年。それだけに、男子舵手つきフォア、また22年ぶりの快挙となった男子舵手なしペア両種目の優勝は、今後に向けての大きな前進となった。「主に4年生の意識が高まって、いい雰囲気になっている。1年生も、出場したクルーを中心に後々の生活にいい刺激になればいいと思う。今大会を踏み台にして、この勢いのまま次につないでいきたい」(杉谷主将)。

 男子のこれからの目標は、インカレでのエイトの優勝。また、今回優勝こそなかったものの、女子も舵手なしペアとエイトで3位と健闘。1年生で女子シングルスカルに出場し、総合7位という結果を残した山本(文1)には、角監督も期待を寄せる。「山本はすごい力を持った選手。今はまだ大学の大会に標準を合わせる時間が要るが、インカレには十分間に合う。チャンピオンになれる選手だよ」(角監督)。今回の快勝で、インカレに向けての十分なはずみがついた。目標は、男子はエイトの優勝と女子は全種目の優勝。今大会を踏み台にすれば、インカレでの目標達成はすぐ手が届く位置に見えている。

レース後のインタビュー
杉谷主将「2種目優勝という結果は、今大会で得られるものがあったという意味でも良かった。一人一人が頑張った結果だと思う。舵手つきフォアの優勝は、ただ、純粋にうれしい。クルーにありがとうと言いたい」。

嶋田「いいレースができて、モチベーションが上がってきた。東日本選手権、インカレではさらに上を目指していきたい」。

加藤マネジャー(商4)「マネジャーとして、選手たちがいい結果を残してくれたときが一番うれしいので、2種目での優勝は本当にうれしい。特に4年生の選手たちは、自分も4年間ずっと側で見てきた選手たちで、苦労したこともたくさん知っているので、余計に感動している。うれしすぎて言葉が見つからないが、みんなにありがとうと言いたい」。

角監督「最終日に残った5種目のうち、2種目での優勝は大きかった。女子のクルーは難しいが、時間が解決してくれる。部全体がいい雰囲気でまとまっている。端艇部としては、2位以下は負け。結果を残すとしたら優勝しかない」。