耐えた2年半、吉条悲願の表彰台へ/東日本選手権

 眠れる獅子が目を覚ました。インカレ前哨戦となる東日本インカレの舞台。+105㎏級で出場した吉条が、今までのうっぷんを晴らすかのようなパワーあふれる試合運びで、約1年ぶりの表彰台に輝いた。

 大学に入学してからの成績は、決していいものとは言えなかった。1年時からヘルニアを患い、思うように練習が進まない。記録は伸びず、横ばいの状態が続いた。同学年の佐々木に先を越されて悔しい思いを味わったこともあったという。

 それでも、腐らずに黙々と練習に打ち込んだ。そのかいあってか、大会直前の岡本主将(政経4)からは「吉条は伸びてきたよ、夏合宿でも一番成長したと思う」と太鼓判を押される。本人も「最近ようやく調子が上がってきた」と、一躍重量級のエースに名乗りを挙げた。

 復調の兆しが見え始めた今大会。124㎏の巨体が躍動した。最後は1位との体重差に泣いたが、「久しぶりすぎる表彰台で、本当にうれしいです!」(吉条)。安定した成績は、総合順位の上昇にも大きく貢献をした。

 能力は大学界でもトップクラスを誇る吉条。本領を発揮すれば、インカレ優勝も夢ではない。今後は国体予選などに出場しつつ、徐々に照準をインカレに合わせていく。残り3ヵ月忍耐の男が学生日本一に向けてついに動き出した。