第4回 「4年の安定感でチームに勢い」

1999.01.01
 4年の安定感でチームに勢い 大本命の箱根駅伝の予選会。ケガで出場を見送る選手もおり、 チームは決して万全な状態とはいえなかった。このような苦しい状況の中、全日本大学駅伝に引き続き、再び4年生の活躍が光った。

 「6位、明治大学」。アナウンスを聞いて、それまで硬かった選手の表情に安どの色が見えた。
  今年は史上初となる全日本大学駅伝への出場も決定し、箱根駅伝の予選落ちなど考えられないほど戦力は充実した。それでも、4年生は決して気を抜くことはなかった。予選落ち経験があり、その無念さを身をもって知っているためだ。彼らと出場を当然と考えている下級生との間には、いい意味でも悪い意味でも意識にズレがある。この差は不安要素の一つともいえた。 しかし、いざレースが始まると尾籠(文4)は各校のエースとそん色のない走りで、チームトップの順位でゴール。他の3人の4年生もチーム上位の走りを見せ、予選突破に大きく貢献した。
  「どんな時もしっかり走ってくれるから安心して走れる」( 村上・政経2)。このところ、下級生の成長が著しい。その背景にあるのは、4年生の安定した力だ。レース前、池邉主将( 商4)は「何が起こるか分からない。最後までしっかり走りきれ」とチームに喝を入れた。この言葉を誰よりも実践した4年生の走りで、下級生は気負わずに攻めの走りをすることができた。上級生の安定感と下級生の勢いが生み出す相乗効果は未知数だ。それぞれが役割を果たせば、まだ見ぬ力が引き出される。駅伝シーズンはいよいよ開幕だ。