特別企画 柴田嶺~グランプリシリーズで得た経験~

 シニア参戦1年目にして世界のトップスケーターのみが出場できるグランプリシリーズ参戦を果たした柴田嶺(政経2)。中国カップ10位、ロシアカップ12位と世界の厚い壁にはね返されてしまったが、国際舞台で戦う中で多くの経験を積んだ。現在は、今月末に行われる全日本選手権に向けて調整を行っている柴田に、グランプリシリーズを終えての感想、そして今後の抱負を聞いた。

―現在の練習状況は
 ジャンプを中心に練習しています。トリプルアクセルが、跳べるようになりたい。(練習量は)1日2時間くらいです。あまりやりすぎても良くないので、ほどほどにしています。あと4回転ジャンプの練習を再開しました。4回転トゥループです。まだ全然ダメですけど。

―調子はどうですか
 (ロシアから帰国後)調子は上がってきています。特にジャンプが良くなってきて成功する確率が上がってきました。(海外遠征が続き)3、4㎏やせたみたいで、そのおかげで体の軸が安定しましたね。

―最近、関大に専用リンクができましたがうらやましい?
 もちろんうらやましいですよ。タダで滑走できるんですから。東京はここ(シチズン高田馬場)と神宮(外苑アイススケート場)くらいしかないですし。一般開放の時は人が多くて大変ですね。でも何とかジャンプはできますし、もう慣れましたよ。

―さて、初のグランプリシリーズを振り返ってどうでしたか
 中国カップは初のシニア国際大会だったので緊張して体が思うように動かないまま、あっという間に終わってしまいました。今思うともったいなかったなと。けどロシアカップは中国の反省を生かして自分の演技に集中できました。特にフリーは今季最高の出来だったと思います。

―課題といわれているジャンプは
 中国カップは全然ダメでした。けどロシアカップでは回転不足もあったけど全体的には良かったと思います。

―スタミナも心配されていましたが
 やっぱフリーはジュニアより30秒長いんで。初めはきつかったですね。でもロシアカップではしっかりと最後まで滑ることができたので、もう問題ないです。

―世界との差はどこに感じましたか
 ジュニアと違って大きな壁を痛感しました。全体的にレベルが高いし、一つひとつの技の完成度も高かったです。すべてにおいてレベルアップが必要ですが、特にジャンプの成功率、ステップに磨きをかけたい。あとは海外のどんな環境でも自分の演技に集中できる精神的な強さが必要だと感じました。中国カップは散々だったんで。

―逆にこれは通用するなと思ったところは
 う~ん、スピンはレベル4をもらえて全体的にいい感じだったので自信になりましたね。

―得意のビールマンスピンは
 決められました(笑顔になる)。観客から大きな拍手を受けてうれしかったです。

―今季からまた少し採点法が変わりましたが、プログラムに影響は
 あまり(影響は)ありませんね。スピンはレベル4、ステップは最低でもレベル3はもらえるように(プログラムに)入れたくらいです。それ以外は変わっていないと思います。

―ショートの新プログラムはどうですか
 ハナの瞳というクラシック調の曲に変えました。自分が希望してこの曲にしたんですが、体の柔らかさを生かした演技を目指しています。ここまではとてもいい感じで滑れてます。

―フリーの新プログラムは
 アディオスノニーノというタンゴ調の曲です。タンゴは初めての分野なので、まだ慣れないところも多いです。力強さとやわらかさを兼ね備えた演技にしたいと思っています。
シニアなので大人っぽさを伝えられるような滑りを見せたいですね。

―海外の試合が続きましたが、体調はどうですか
 実は中国カップの前に食中毒になってしまって・・・。何とかショート前日の夜には体調が戻ったので良かったんですが、これからは気をつけなければいけないですね。もう今はまったく問題ないですよ。

―海外と日本の往復が続きましたが
 11月は(日程的に)きつかったです。家を空けることも多くて・・・。いるときは自炊とかもして食事には気をつけています。

―海外では選手の交流はありましたか
 はい、中国カップでは健ちゃん(中庭健介選手・パピオフィギュアクラブ所属)とよく話しましたね。外国の選手たちとも話しました。

―グランプリシリーズで得た収穫は
 うーん…(沈黙)。そうですね、精神的に試合への気持ちの高め方がうまくなったと思います。

―全日本選手権(12・27~29 愛知県レインボーアイスアリーナ)に向けて
 全日本が勝負だと思っています。自分の技を100パーセント決めたい。特にジャンプが良くなっているので、この調子をキープしていきたいです。(順位は)6位以内に入りたい。

―来年1月のユニバーシアード(1・17~27 イタリア・トリノ)には出場しますか
 いや、ユニバは出ません。アジア大会(1・28~2・4 中国・長春)に出るかもしれないですけど。まだわからないです。

―最後に今季の目標を聞かせてください
 まずは全日本で自分の納得できる演技をすること。それ以降も一つひとつの試合をしっかりこなしていきたい。そして来季のグランプリシリーズにも出られるように頑張ります。

◆柴田嶺 しばたりょう 釧路北陽高出 168㎝・58㎏

☆アイスショーに出演!
 来年の1月4日に「nikko am New Year Figure 2007 Japan Super Challenge(長野県・ビッグハット)」に出演する。男女各8選手が出場。エキシビジョンながら芸能人が採点して競い合うユニークなアイスショーとなっている。2007年1月4日(木)16:30~18:00(予定)にフジテレビ系列全国ネットで放送予定。

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