個々が実力を出し切り、連覇達成!/日本学生選手権

 明大フィギュア部門に新たな歴史が刻まれた。1部男子シングルにおいて男子部門が2年連続36回目の優勝を果たした。

 外では北関東特有の強風が吹き荒れた大会当日。リンクでも寒さが身にしみる。加えて選手たちは年末に国体予選、全日本選手権、アイスショーなど過密スケジュールをこなし疲労はピークに達していた。それでも連覇に向けて「全日本からのモチベーションを維持するように努めた」(鳥居)。
 迎えたショートプログラム(SP)。田邉部門主将は得意のスピンがきれいに決まり、本人も納得の演技で勢いをつけると、続く鳥居が完ぺきな演技を見せる。「予想以上の出来。ジャンプがすばらしかった」(伊東フィギュア部門監督)。全日本3位の実力者・南里(中村学園大)を抑え、堂々の首位。8位と出遅れた柴田の分を見事にカバーした。
 フリーでは、その柴田が意地を見せる。序盤に、まさかの転倒を喫するも、その後は3回転―3回転のジャンプを決めるなど立ち直り、見事3位。総合5位と順位を上げた。
 一方、個人優勝を狙った鳥居は、ジャンプの転倒時に体を壁に強打し「力が入らなくなった」(鳥居)。その後の演技では精彩を欠き、惜しくも総合4位に終わった。
 田邉部門主将は安定した演技で総合10位。3選手の成績を併せた結果、2位の東洋大を大きく上回る高得点で大会連覇を成し遂げた。

 来季はジュニア強化指定選手を含めた女子2選手の入部が内定しており「来季は男女共に3人そろう。アベック優勝を狙いたい」(伊東フィギュア部門監督)。近年、上り調子の明大フィギュア部門。来季に向けて期待は高まるばかりだ。

・女子シングル、萩原は5位
 1部女子シングルに出場した萩原。本調子ではなかったが、随所に表現力豊かな演技を見せ、5位と健闘した。
 全日本では「ほとんどのジャンプが回転不足を取られた」(伊東フィギュア部門監督)ことが影響し、まさかの21位。悔しい結果に終わったが、本人は「(来年の)全日本でリベンジしたい」とすでに気持ちを切り替えている。
 今季はシーズン終盤に調子を落としてしまった萩原。「滑りのスピードが上がればもっと良くなる」(伊東フィギュア部門監督)。さらなる実力アップで、来季こそは飛躍の年にしてほしい。