東洋大にまさかの完敗/日本学生選手権

 今シーズン、最後となる舞台で鎬をけずるインカレ。初日2日目は苦しみながらも、昨年と同じく決勝戦まで駒を進めた明治。大会6連覇を懸けて臨んだ戦いはやはり、秋のリーグ戦でも優勝を争った東洋大との因縁対決となった。
 優勝を懸け両者意気込みは十分であったが、試合序盤からやや東洋大が優位にたつ試合展開であった。明治はいつもと同様に立ち上がりの悪さからか、肝心なところでパスがつながらず、果敢に切り込んでゴールを狙うもなかなか決まらない。試合開始6分、早くも相手のカウンター攻撃に苦しみ先制点を奪われてしまう。試合の流れを握られたまま、第1ピリオドを終えた。
 第2ピリオドでなんとか1点を決め、流れを変えたい本学だが、相手は攻撃の手を決して緩めない。東洋大の勢いはキルプレー時にも収まらず、明治が自陣に攻め入ることすら許されない程だった。相手に攻め込まれるままに体勢を立て直すことが出来ず、気持ちだけが焦り、点差が開いていく。結局パワープレーのチャンス時に2点、計4点を奪われて0-5で第2ピリオドを折り返す。
 もう時間がない。ベンチからの声も叙々に弱まり明治サイドには重い空気が流れる。試合終了間際に決勝点を決められてしまい、リンク上でがっくりと肩を落とす菊池アイスホッケー部門主将(政経4)。その後本学はゴール前でしばらく粘り、田中(政経・1)が近藤(政経1)と梁取(政経2)のアシストを受け、初得点を決めるも、残り時間は1分を切っていた。あと1点、と相手に立ち向かうが無情にも試合終了のブザーが鳴り響く。
まさかの完敗。王者転落の瞬間だった。リンクに飛び出し喜びを爆発させる東洋大を横に、顔をゆがめ、こらえきれず悔し涙を流す選手たち。相手の怒涛の勢いを前に、明治はただ圧倒されるばかりであった。

 セットの相性を模索し続け、この1年間様様な課題にぶつかりながらも秋のインカレ決勝戦で初めて1つになった。選手たちの誰もが、このチームの最後を優勝で飾ることを願っていた。「負けたことはものすごく悔しい。でも今もう一度4年間を振り返ってみて悔いはない。明治でプレーできてよかった、4年生全員がそう思っているはず。」(木元スケート部総合主将・政経4)。今回の全日本インカレで、チームの主力であった4年生は引退する。各自の個性を光らせる一方で、チームを引っ張ってきた彼らの存在は大きかった。その穴を埋めるべく、下級生たちには今後一層の成長が求められる。敗戦の悔しさを胸に刻み、新たに頂点を目指すためのスタート地点に立った本学。来年度再び、王者明治がリンクに帰ってきてくれることに期待したい。