決勝で涙を飲む/第56回関東大学選手権
第1ピリオド開始早々。「試合前に連続失点はしないようチームに言っていた」(浅利アイスホッケー部門主将)が、立て続けに3点を奪われてしまう。立ち上がりからチームが安定しない本学はペナルティーも多く、開始わずか4分33秒に古市(政経1)が相手選手にけがを負わせてしまい、今試合の出場停止を告げられてしまう。その後も本学は、早大のスピードのあるオフェンスに翻ろうされ、一方的に押される形で第1ピリオドを終えた。
どうにかして流れを明治に持っていきたい第2ピリオド。しかし2分6秒、早くも明治に暗雲がたちこめる。主力の田中(政経2)がスラッシング(相手の動きをスティックで妨害する行為)とアンスポーツマン・ライク・コンダクト(スポーツマンらしくない行為)の2つを同時に取られてしまい、計12分間もの出場停止処分を受けてしまった。
しかし徐々に疲れが見え始めた早大と流れを取り戻した明治に「力の差は感じなかった」(梁取・政経3)。第2ピリオドはパスがよくつながり、明治らしいプレーが見えてきた。
そして迎えた第3ピリオド。「ようやく目覚めた」(浅利アイスホッケー部門主将)本学は、開始3分3秒でついに早大のゴールネットを揺らす。近藤(営2)のアシストを受けた河野(商4)のショットが見事決まったのだ。そして残り2分、田中のパスから近藤がシュートを決め、ついに1点差まで追い詰めた。
「ここで同点にして延長戦にする」(藤井コーチ)ため、GKの浅利アイスホッケー部門主将を下げて6人攻撃を仕掛ける。残り数分に最後の希望をかけ、全力でゴールを狙う。
残り時間52秒。ルーズになったパックを久慈(早大)が素早くゴール前まで運び、GKのいない明治のゴールにパックを押し込み2点差。立て続けに小川(早大)のゴールも決まり、ようやく詰まった点差はさらに離され、明治の優勝の希望はもろくも崩れ去った。
そして早大の選手たちのカウントダウンと共に試合終了のブザーが鳴り響き、そこには喜びを爆発させている早大の選手と、肩を落としている明治の姿があった。
4年ぶりの優勝を目指して挑んだ決勝戦。しかし「早稲田との力の差を感じた試合だった」(藤井コーチ)。次なる戦いは半年後の秋に開催されるリーグ戦だ。それまでに「もっと個々のスキルを上げて体力をつける」(浅利アイスホッケー部門主将)。
今大会の悔しさは今後に大きく影響するはず。「夏までに体力とかスピードを付けて秋は必ず勝つ」(梁取)。「今はチームというより自分のことをしっかりとさせたい」(田中)。
秋に向け、選手たちの新たな戦いが始まった。
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