鳥居、世界の壁は高く…不本意な22位/世界ジュニア選手権

 世界トップクラスのジュニア選手が集う今大会。来季からシニアに参戦する鳥居にとって、ジュニア最後の試合となった。
 「最後だったので、楽しく滑ろうと思った」。大会前、新たな技の習得はせず、ルッツの3回転‐3回転を中心とした5種類のジャンプ・スピン・ステップといった基本を確実なものにするため、基礎練習に重点を置いた。また一日5kmのランニングを敢行。演技を滑り切るための体力向上に励んだ。
 さらに「下半身の筋肉は自然とつくので、上半身とのギャップができてしまう。なので上半身、特に腕を鍛えている」と体のバランスを考えて筋トレを行い、動きの柔軟性を養った。
 迎えた大会当日。ショートではノーミスの演技を披露。しかし、フリーではジャンプの着氷に失敗、得意のストリートラインステップもきれいに決まらず、持ち味を出しきれなかった。「全体的に中途半端な滑りになってしまった」。
 結果は22位。「自分の予想以上に世界のレベルが上がっていた。圧倒された」と世界レベルの高さを痛感したようだ。
 今季は数多くの世界大会に出場した鳥居。「忙しかったけど、良い経験になった。外国の選手と戦うためには、もっと大きな表現力を身に付けなければならない」と国際舞台で多くのことを学んだ。現在は来季からのシニア参戦に向けて「トリプルアクセルを着氷できるようになりたい」と早くも意気込みを見せている。この一年は多忙なスケジュールに加えて、ケガにも苦しんだ鳥居。今季の経験を糧に、目標であるグランプリシリーズ出場に向けて氷上を滑り続ける。