明慶戦で痛恨の1敗。連勝は4でストップ/関東大学対抗戦
対抗戦4連勝で迎えた伝統の明慶戦。明治はFW中心のスタイルで攻め立てたが慶応の低く激しいタックルに苦しめられ、わずか3点差で敗北。今季初黒星を喫した。
わずか3点差でのノーサイド。紫紺ジャージーが崩れ落ちた。ここまで全勝の明治に対し、帝京大に1敗を喫した手負いの虎は死に物狂いの形相。試合前、「相手が慶応でも、明治のスタイルは変わらない」(日和佐主将・営4)と、信念を貫いての戦いを決意した明治フィフティーンだったが、慶応の勝ちへの執念が一歩勝った。
14時、明治のキックオフで試合開始。前半1分、慶応陣内のスローフォワードで得た大事なファーストスクラムを迎える。「明治FWは調子に乗ると怖いから、最初のスクラムが勝負だと思った」(慶応・青貫主将)。そのスクラムで、慶応フロントローがトラプシング。強力な明治FWがまずスクラムでのインパクトを与える。得点にはつながらなかったものの、3分に再び試合が動く。慶応陣22m付近の慶応ラインアウトをターンオーバー、思わぬ奪取に慶応FWの対応が遅れ、モールで押し込み日和佐主将がトライ。ゴールも濱島(政経4)が決め幸先の良いスタートを切った。
だが、慶応もこのまま引き下がるはずがない。14分にFB小田(慶応)がPGを決め4点差とすると、20分にはCTB宮崎(慶応)が明治バックスラインを突破。フィニッシャーWTB中浜(慶応)へとつながれトライを献上し、逆転を許す。慶応の波状攻撃は続く。25分には早い攻撃からライン中央を慶応BK陣に破られ7‐17と10点差に。ここまで効果的にキックを使い、ゲームを支配する慶応に対し、明治は自陣に釘付けにされてしまう。何とか反撃の糸口を見出したい明治は30分、ペナルティから得た慶応ゴール前5mラインアウトでドライビングモールを仕掛けるが、慶応は明治を研究し尽くしていた。必死のディフェンスを見せ、慶応がターンオーバー。それでも32分、再び慶応陣5mでラインアウトを獲得すると、杉本(晃・政経2)が受けたボールを上野(法3)にそのまま返して左すみに飛び込みトライ。前半ロスタイムに入ってからも、FWが怒涛の攻撃を仕掛ける。得たペナルティは全てスクラムを選択。トライこそ奪えなかったものの、最後は湯本(政経4)がDGを決め、17-17の同点として前半を折り返した。
後半戦、集中力を持続し続けたのは慶応だった。まず7分、右22m付近ラインアウトから大きく左へ展開し、小田がトライ。そして21分、この試合を象徴するかのような局面が訪れる。慶応陣内22m付近、明治FWの怒涛のサイド攻撃も慶応の激しいタックルを受け、坂本(政経3)がノックオン。こぼれ球をつなぎ得たチャンスを、慶応は逃さなかった。ボールをもらったWTB山田(慶応)が抜け出し、WTB渡辺(政経4)が追いかけるも及ばず90mを独走してゴールゾーンへと飛び込む。そして残り10分で10点差。だが明治は諦めない。30分に慶応スクラムを崩し、ブレイクダウンを制してターンオーバー。ラックサイドをFWが執拗につき、後半から入った山本(政経2)がトライ。ゴールも決め3点差とし、そのまま試合の行方はロスタイムへ。最後まで慶応陣内で必死の攻めを見せるが、慶応のディフェンスが耐え抜き、無念のノーサイドとなった。
この試合、3点差ではあったが、完敗と言ってもいいのかもしれない。確かに明治はスクラム等、セットはほぼ制圧していた。しかし、それも慶応の想定内だったのだろう。マイボールラインアウトのモールでトライが取れなかったのも、終盤FWが疲弊し動きが悪くなっていったのも、慶応の研究の成果だ。しかし、それでも明治のスタイルは変わらない。対策を取られても、自分たちのプレーを強くし、そしてその精度を上げていけばいいだけ。帝京大戦の勝利を条件に、優勝の可能性は残る。これからの試合は絶対に負けられないだけに迅速に課題の修正をしていきたい。
わずか3点差でのノーサイド。紫紺ジャージーが崩れ落ちた。ここまで全勝の明治に対し、帝京大に1敗を喫した手負いの虎は死に物狂いの形相。試合前、「相手が慶応でも、明治のスタイルは変わらない」(日和佐主将・営4)と、信念を貫いての戦いを決意した明治フィフティーンだったが、慶応の勝ちへの執念が一歩勝った。
14時、明治のキックオフで試合開始。前半1分、慶応陣内のスローフォワードで得た大事なファーストスクラムを迎える。「明治FWは調子に乗ると怖いから、最初のスクラムが勝負だと思った」(慶応・青貫主将)。そのスクラムで、慶応フロントローがトラプシング。強力な明治FWがまずスクラムでのインパクトを与える。得点にはつながらなかったものの、3分に再び試合が動く。慶応陣22m付近の慶応ラインアウトをターンオーバー、思わぬ奪取に慶応FWの対応が遅れ、モールで押し込み日和佐主将がトライ。ゴールも濱島(政経4)が決め幸先の良いスタートを切った。
だが、慶応もこのまま引き下がるはずがない。14分にFB小田(慶応)がPGを決め4点差とすると、20分にはCTB宮崎(慶応)が明治バックスラインを突破。フィニッシャーWTB中浜(慶応)へとつながれトライを献上し、逆転を許す。慶応の波状攻撃は続く。25分には早い攻撃からライン中央を慶応BK陣に破られ7‐17と10点差に。ここまで効果的にキックを使い、ゲームを支配する慶応に対し、明治は自陣に釘付けにされてしまう。何とか反撃の糸口を見出したい明治は30分、ペナルティから得た慶応ゴール前5mラインアウトでドライビングモールを仕掛けるが、慶応は明治を研究し尽くしていた。必死のディフェンスを見せ、慶応がターンオーバー。それでも32分、再び慶応陣5mでラインアウトを獲得すると、杉本(晃・政経2)が受けたボールを上野(法3)にそのまま返して左すみに飛び込みトライ。前半ロスタイムに入ってからも、FWが怒涛の攻撃を仕掛ける。得たペナルティは全てスクラムを選択。トライこそ奪えなかったものの、最後は湯本(政経4)がDGを決め、17-17の同点として前半を折り返した。
後半戦、集中力を持続し続けたのは慶応だった。まず7分、右22m付近ラインアウトから大きく左へ展開し、小田がトライ。そして21分、この試合を象徴するかのような局面が訪れる。慶応陣内22m付近、明治FWの怒涛のサイド攻撃も慶応の激しいタックルを受け、坂本(政経3)がノックオン。こぼれ球をつなぎ得たチャンスを、慶応は逃さなかった。ボールをもらったWTB山田(慶応)が抜け出し、WTB渡辺(政経4)が追いかけるも及ばず90mを独走してゴールゾーンへと飛び込む。そして残り10分で10点差。だが明治は諦めない。30分に慶応スクラムを崩し、ブレイクダウンを制してターンオーバー。ラックサイドをFWが執拗につき、後半から入った山本(政経2)がトライ。ゴールも決め3点差とし、そのまま試合の行方はロスタイムへ。最後まで慶応陣内で必死の攻めを見せるが、慶応のディフェンスが耐え抜き、無念のノーサイドとなった。
この試合、3点差ではあったが、完敗と言ってもいいのかもしれない。確かに明治はスクラム等、セットはほぼ制圧していた。しかし、それも慶応の想定内だったのだろう。マイボールラインアウトのモールでトライが取れなかったのも、終盤FWが疲弊し動きが悪くなっていったのも、慶応の研究の成果だ。しかし、それでも明治のスタイルは変わらない。対策を取られても、自分たちのプレーを強くし、そしてその精度を上げていけばいいだけ。帝京大戦の勝利を条件に、優勝の可能性は残る。これからの試合は絶対に負けられないだけに迅速に課題の修正をしていきたい。
~試合後のコメント集~
藤田ヘッドコーチ
「今日の敗因はセットの不安定です。特に、前半の終了間際はやれていなかった。これからは、今のスタイルの精度を上げていくだけです」。
PR 川俣(政経3)
「試合ペースをつかむことができなかったから結果として負けた。でも競ったゲーム展開になったし、スクラムは相手より勝っていたと思う。次の帝京大戦はスクラムで押して押して絶対に勝つ」。
PR 梅原(農3)
「慶応には勢いがあったし、FWに気持ちがあった。明治はモールとスクラムで取りきれなかったのと、ディフェンスがよくなかった。帝京大戦までには修正して絶対に勝ちます」。
LO 田中(政経4)
「今の自分達の実力はこんなもの。だからこそ、今見えた課題を修正したい」。
LO 濱﨑(政経4)
「ふがいないです。最初から慶応の思うようにやられ、最後はFWが気合い負けしていた。早くから修正していけば良かった」。
FL 日和佐主将
「負けても今日は明治の形で取ろうとしたということ。今後もどんな相手でも戦い方を変えるつもりはない。今からはもっともっと精度を上げたい。次は勝つ」。
FL 趙(商3)
「もう少しだった。モールで得点するという明治の攻撃ができなかった。タックルがすごかったが、昨年よりは良い戦いだった」。
FL 山本
「楽しい試合だった。モールでとれて良かったし、自分のやるべき仕事はできた。でも、後半押せなかったのが悔しい。帝京大にも明治らしいラグビーをして勝ちます」。
NO・8 杉本(晃)
「慶応のタックルは低くて強かったし、モールも押されてしまっていた。もう一度セットプレーからやり直して帝京大に挑みたい」。
SH 塩谷(文4)
「HBのミスが多かったと思う。セットは安定していたから、散らして外で勝負を考えていたけど、うまくいかなかった。もうあとは勝つしかないから、課題を克服していくだけ」。
SO 湯本
「とにかく悔しい。慶応はFWとBKのつなぎがうまく、効率よくエース(の山田)を使ってきたのが明治とは対照的だった。個人的にはSOのキック力の差を感じた。FWをどう機能させるかで得点力は上がると思う。明治のプライドを持って、帝京大、早稲田と戦っていきたい」。
CTB 笠原(政経4)
「FWは前に出れたが、今日はBKが前に出れなかった。ディフェンス面も含めてもう一度やり直し。FWとBKの連携をもっと良くして行けるように確認して、修正していきたい」。
CTB 日永田(商3)
「FWは良かったがBKがダメだった。次の試合は悪かったBKを改善して臨みたい」。
WTB 濱島(政経4)
「相手のタックルが厳しくて、うまくBKが攻められなかった。でも、明治ラグビーのこだわりは相手に見せれたと思う」。
FB 星野(政経3)
「気持ちで負けていた。BKとFWのコミュニケーションをとって、次の試合に臨みたい」。
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