箱根出場ならず/箱根駅伝予選会

1999.01.01
    上位9校が箱根へ出場できる今大会。箱根出場に向けて夏、秋に合宿を行い懸命に努力してきた選手たちだったが、予選会では総合11位に終わってしまった。
 午前8時半、500人近くの選手が一斉にスタートした。明治は東野、安田らが先頭集団に入り、快走を見せる。下級生も上位に食い込み、明治のスタートは全体的に良かった。しかし、レース中盤、10km地点で状況が一変する。松本(昂)、星ら下級生がスタート時に飛ばしすぎため、ペース配分が狂い一気に失速してしまう。「普段のレースとは違い、スタートから速くなってしまった。それに加えて暑さもあったので、レース慣れしていない選手にとってはきつかった」(山本コーチ)。予選会独特の雰囲気にのまれたせいか、自分のペースを維持できない選手が続出した。しかし、上位陣は好調をキープ。東野、安田に石川も加わり、安定した走りを見せた。

 そして終盤、明治の上位陣は最後の力を振り絞り、スパートをかけた。長内主将ら中位も必死にゴールを目指す。しかし、下位の選手はスピードを上げることができず、どんどん順位を落としてしまった。「勝ちたい気落ちが足りなかった」(岸本)。結果は総合11位。予選会通過はならなかった。

 明治は箱根駅伝に50回も出場している伝統校。一時箱根路を走れない低迷した時期もあったが、4年前に復活し、そこから3年連続出場を決めている。しかし、今年はその連続出場を途絶えさせてしまった。「応援して下さった方々、そして先輩たちに本当に申し訳ない」(長内主将)。

 箱根路を走れないという現実に立たされた後、選手たちはその場で泣き崩れた。箱根がないチームは今シーズン、ここで終了。だが新たなチームを担っていく下級生は「来年は箱根に出場して、走っている姿を先輩に見せて恩返しをしたい」(岸本)、「来年こそは4年生が喜ぶ結果を出したい」(石川)と泣きながらも熱く語ってくれた。きっとこの悔しさを糧に大きく成長してくれるだろう。そして来年箱根路を走る姿を再び見せてくれるはずだ。

長内主将
「(結果に対して)信じられない。これで引退ということが実感できない。上位と下位のタイム差が開いたことが痛かった。ここまで応援していただいた方に本当に申し訳ない。来年はまた気を引き締め直して頑張ってほしい。」

中門
「箱根に出場できなかったのは自分の責任。後輩たちは、自分はずっと言い聞かせてきたことに応えて走ってくれた。それなのに肝心の自分が走れなくて情けなくて仕方ない。自分が読み通りに走れていれば箱根に出場できたかもしれない。しっかり練習を積んできたはずなのに力を発揮出来なかった。」

卜部
「今回の走りについて納得いってない。3年生でチームを引っ張らないといけなかったのにできなかった。応援してくれるひとたちに申し訳ない。西監督に言われた目標タイムより1分上回るはずだったができなかった。箱根がない正月なんて考えたことなかった。」

東野
「結果がすべての中で、こんな結果になってしまって申し訳ないとしか言えない。関カレや全日本の予選で、しっかり反省して今日に臨んだつもりだっただけに残念。これからチームのどこが悪かったのか、しっかり反省していきたい。箱根を走るために頑張ってきたので、チームが勝てないと意味がない。」

中村
「悪くても悪いなり、チームの力になるように走らなければいけない。自分のできは90%ぐらい。(11位という結果に対して)予想どおり。上位3人はできすぎだった。(これからは)距離に対する自信をつける。駅伝基本の団結すること、意志統一をしっかりしていきたい。」

石川
「3年連続出場していることでおごりがあったかもしれない。それが敗因。自分にも3年連続しているという自信とおごりがあったかもしれない。それがなければ自分のタイムも上がったかもしれない。完全負けました。全チーム強かった。」

遠藤
「残念だった、悔しい、といったこともあるが、何よりも自分の無力さを実感した。自分が最低限のやるべきことをやっていれば結果は変わったかもしれない。だが、それができなかった。」

北條
「箱根に出場できなくて四年生に申し訳ない。8位までの選手は目標のタイムでいけていた。だけどその後の選手が悪かった。自分も15キロ地点から失速した!来年は箱根復活したい。」

安田
「明治ファンの方に本当に申し訳ない。持てる力を出しきれなかった。チーム全体としての力が出なかった。正月走っていないのが想像できない。(足りなかったのは)チーム力。個人の力は強いが一つの大会にみんなが合わせる力が足りなかった。全日本の予選で負けてるチームには負けたくはなかった。個人の力なら負けないはずなのに。」

松本(昂)
「関カレの時からチームに貢献できてなくて、夏合宿では自分なりに飛ばしてやってきたつもりだったけど、やはり頑張りが足りなかったのかもしれない。予選会は、完走できれば結果が残せると思っていたが、最後の1週間でかぜをひいてしまい、気持ちが抜けてしまった。レースでも5km過ぎで両足がつり、走れる状態ではなかった。前々からの行動の結果。一生懸命やってきた人たちに申し訳ない。」

岸本
「勝ちたい気持ちが足りなかった。四年生はチームのことを真剣に考えて、引っ張ってくれた。来年は必ず箱根に出場して、走っている姿を先輩に見せて恩返しをしたい。」


「思っている走りと全然違う。最初の入りが速すぎて後半持ちこたえられなかった。上位で入った選手に申し訳ない。ただ悔しい。設定タイムを守れていた選手が少なかったと思う。」