安西、天皇杯への切符つかめず/全日本大学選手権

1999.01.01
  3位以内に入賞すれば天皇杯への出場権を獲得できる最後のチャンスとなった今大会。ここ最近の大会では結果が奮わず、勢いを取り戻せるか期待が高まった。だが、結果は各階級次々と敗退。チームとしては課題の浮き彫りになる大会となった。

  その中で唯一、安西の活躍が目立つ。準々決勝まで「自分の思い通りのレスリングができた」と順当に勝ち進み、迎えた準決勝。第1ピリオドを1-0で取り、第2ピリオドでは途中、頭部を強打。意識の朦朧(もうろう)とする中、0-6でポイントを相手に取られてしまう。勝負の懸かった第3ピリオド、第2ピリオドの痛手が響き判定負けを喫した。

 そして、天皇杯への切符を懸けた、負けられない3位決定戦。第1ピリオドは流れをつかめず落としたが、第2ピリオドで粘りを見せポイントを取る。だが、最終ピリオドで根負けし、結果は5位。最後の2試合では、安定した試合を展開できなかった。

 1日に5試合もこなさなければならないという体力的にハードで慣れない大会であったことが、安西のモチベーションを下げてしまった原因であろう。「不完全燃焼」。そう語る彼の目から悔し涙が溢れる。だがその目は次を見据えていた。「次は絶対勝つ」。来年、決意を新たにした安西が雪辱を果たしてくれるはずだ。

◆安西信昌 あんざいしんしょう 法3 国学院久我山高出 174cm・97kg