守澤主将、自身初のインカレ制覇/全日本大学対抗選手権

1999.01.01
守澤主将、自身初のインカレ制覇/全日本大学対抗選手権
 学生日本一を決める今大会、守澤主将率いる本学自転車部は、チーム目標を「総合優勝」と高い意識で臨んだ。
 全国から強豪たちが集うため、激しいレースが繰り広げられた。短距離ではほとんどで好走がみられたにもかかわらず、守澤のポイントレース2位などなかなか表彰台の頂点には立てない。気合い十分で挑んだチームパーシュートでも好記録をマークするも3位と、あと一歩届かなかった。
 三日目を終えて総合4位、最終日のロードレースで逆転を狙うしかなくなった。
 ロードレースは長距離を走り続ける過酷な競技。足が痙攣したり脱水症状になったりと途中棄権者が続出する。今大会は5kmの周回コースを28周、140kmを走り続ける。アップダウンが激しく完走するのも難しい。
 最終日は前日とは一転して日差しが強くなった。レース序盤、3人が飛び出て、明治勢は4位を争うメイン集団についていくという展開。しばらくこの展開が続いたが、残り5周を切ったあたりから先頭集団のスピードが落ち始め、メイン集団からもアタックをかけ飛び出す選手が現れる。激しい駆け引きが行われている一方、集団についていけない者は脱落していった。ラスト1周の時点で守澤、根本、鈴木、湯浅らがなんとか上位を狙える位置。選手を待つゴール付近は騒がしかった。「日大が1位」などといろいろな情報が錯そうする中、とうとう1位の選手が姿を現した。ゴール付近で声援が上がる。「え!?明治!?」という声があちこちで聞こえた。大学日本一のゴールテープを切ったのは、守澤主将だった。4年間の思いをかみしめるように、両手をつきあげた。
 「先頭集団と3分差もついた時はあきらめていました」(守澤)という彼だが、目の前から優勝の二文字が消えることはなかったのだろう。終盤に先頭集団をつかまえた瞬間、「優勝しか頭になかった」(守澤)。「スプリントには自信があった」(守澤)というように、残り150mでラストアタックをかけ驚異の追い上げで優勝をもぎ取った。
 明治はロードレースの活躍で総合2位に浮上、25連覇の日大には勝てなかったものの、「部の雰囲気が良くなっている。このまま頑張れば来年は日大に勝てる」(守澤)と、これからに十分期待ができる結果になった。
 また女子は、石井がプレッシャーにも負けず余裕の2冠。永田は就職活動のため1年間活動を休止していたが、復帰して1カ月とは思えない走りでチームスプリント4位に貢献した。この大会で石井は10月31日に韓国で開催される日韓対抗学生大会に出場が決定。
 今回で4年生にとっては最後の大会となる。しかし本学自転車部の勢いが止まることはない。そして来年のインカレではきっと、表彰台の頂点に立つ彼らを見ることができるだろう。