宿敵・拓大に逆転勝利!大混戦の2部リーグ

 和泉体育館が熱狂した。塚本コーチ就任以来、苦汁をなめ続けた拓大相手に、9点差をひっくり返して公式戦初勝利。反撃ののろしを上げたのは、今季PGへのポジション変更に苦しんだ北向(政経3)だった。

  誰もが点を望む中で、北向は期待に応えた。残り3分、6点のビハインド。前半のリードを守り切れず、嫌な空気が流れ始めた時間帯に山下(営2)がボールを奪った。観客が見つめる中、パスを受けた北向は一瞬タイマーを見る。「ここで決めればでかい!」。放ったシュートは綺麗な放物線を描き、スコアボードに3点を刻みつけた。

  土壇場での3Pで3点差。どこか逆転勝利を予感させたそのシュートは、満席となった会場を味方につける。コートに響き渡る明治の応援。「流れを戻すために大切だった」(北向)というディフェンスにも、活気が戻った。気合の入ったディフェンスで拓大にシュートを決めさせず、落ちたボールを古橋(営3)が体を張って拾う。浮き足立つ拓大を尻目に、北向が2本目の3Pシュートを沈めて同点。勢いに乗ったチームは得点を重ね、見事な逆転劇を見せた。塚本コーチも「一番大事なところで決められるのは凄い。今日はコーチをやってて良かったと思えた」と、興奮気味に選手を褒めた。

  「今までの8試合はプロセスが大事だった。でも、これからは気持ちの勝負になる」(塚本コーチ)。残り3節で筑波 ・ 明治 ・ 拓殖 ・ 大東大の上位4校がぶつかり合う、4つ巴の2部リーグ。4年連続で入替戦出場を逃している明治は、一敗の重みを知っている。だからこそ負けは許されなかった。
  「今日はどうしても勝ちたかった試合。でも明日は今日よりも大事な試合ですからね」。明治を救ったシューターはインタビューをそう締めくくり、会場を去った。

残り5試合。ここからが本当の正念場だ。