FLY HIGH ~柴田嶺の挑戦~

 昨シーズン、グランプリシリーズ参戦や全日本選手権7位入賞など、トップスケーターとして大きく成長をとげた柴田嶺(政経3)。10月上旬の東京選手権からシーズンが始まった柴田に、現在の心境や今シーズンの目標を聞いた。

―前期は関東インカレのみの出場でしたが、どのような練習をされてきましたか?
 主にステップやトリプルアクセルなど苦手個所の克服と、新たなスピンの練習ですね。プログラムを通してかける練習もしています。1日2~3時間ペースでコンスタントに練習しているので、体力もついてきました。まだまだ本調子ではないですけどね。

―現在はどのような練習が中心ですか?
 実は7月の練習中に左足甲の神経をつぶしてしまって・・・。練習中に痛みを感じ始めて、気がついたら悪化してしまいました。プログラムには問題ないのですが、ケガ以降は左足を使わないようにジャンプの練習を行っているので、まだまだ練習不足です。

―左足のケガの状況は?
 回復に向かってはいますが、違和感はまだありますね。再発は怖いですけど、練習しないわけにはいかないのですからね。ケガと向き合いながら、左足に負担をかけないように頑張っています。

―ケガの早期回復を願っております。では、ここからはプログラムや技についての話をうかがっていきたいと思います。今年のプログラムについて、まずはショートから教えて下さい。
 ショートは『死の舞踏』という曲を使います。先生から言われたコンセプトは「あやしい感じ」といわれましたが・・・。まだ作ったばかりなので、あまりつかめていませんね(笑)。この曲は結構使われているんですが、曲調がワルツなのが特徴ですね。僕はワルツで滑ったことがまだないので、がんばって挑戦していきたいです。またステップとスピンを難易度の高いものにしたので、その二つを華麗に決めたいです。

―続いてフリーもお願いします。
 フリーは、去年と曲は変えていません。でも、曲調がタンゴからクラシックになったんです。ステップの見栄えをよくすることと、クラシック調に合うような、優雅さ、そして力強さが表現できたらいいなと思っています。

―ステップやスピンの強化もされているようですが、昨年までとの違いをそれぞれ教えてください。
 ステップは、レベル3(一番難易度が高いのはレベル4)に目標を定めて、見栄えをよくする練習をしています。見栄えをよくするためにステップの種類を増やすのですが、そうなると時間も多くかかります。だから、細かく動かなくてはならないし、そうなると体力的にも酷なんですよ。他の動きとの兼ね合いも考えて、より高度で美しいものにしていきたいですね。
 得意なスピンは、レベル4を目指しています。ビールマンスピンはもちろんですけど、最近バタフライシットスピンができるようになったので、プログラムに入れて高得点を狙いたいですね!

―ショートとフリーに技の違いはありますか?
 基本的にはないですね。ジャンプの種類くらいですね。フリーにはトリプルアクセルを2回入れる予定です。

―以前からジャンプ、特にトリプルアクセルの成功をたびたび口にしていましたが、トリプルアクセルに対する思いが人一倍強いのはなぜですか?
 昨年全日本で7位だったのですが、彼らと僕の実力は決して大きな差はないと思うんです。決定的に違うのは、トリプルアクセルが完成しているかどうか。トリプルアクセルを完全にものにすることができたら、表彰台も夢じゃない、と思います。10月(東京選手権)は間に合わないかもしれないですけど、中国カップや全日本までには必ずケガを治して飛びたいです。

―では、柴田さんにとって最大のライバルとは?
 去年の全日本で1位から6位までの選手全員です。やっぱり、トリプルアクセルという壁を越えなければ、勝つことはできないと思います。

―今年もグランプリシリーズへの出場が決定しましたが、意気込みはいかがでしょうか?
 どういった選手がくるかわからないってこともあって、順位などの目標は定めていません。この大会は、自分の中で納得のいく演技をすることが目標ですね!挑戦しているトリプルアクセルやステップなどをきちんと決めていきたいです。

―では最後に、今シーズンの目標をお願いします。
 全日本でトリプルアクセルを2回成功させることが目標です。あとは一つ一つの大会を、満足いく演技を積み重ねていけたらいいですね!

◆柴田嶺 しばたりょう  政経3 釧路北陽高出 168cm・58kg