黒田は持ち味である上段からの速くて勢いのある面に加え、得意の返し技で順調に勝ち上がる。そして全日本出場権が懸かった５試合目、相手は強豪大の選手を倒し勝ち上がってきた中大の選手。両者とも一歩も譲らず長時間の延長戦となる。この苦しい状況の中彼女を支えたものは、先輩の応援であり「試合で自信が持てた」(黒田)と、見事な粘りの剣道を見せ、最後は引き小手で相手を下した。こうして全日本出場権を獲得した黒田は、続くベスト８を決める６試合目、先に一本取るも集中力が続かず、逆転負けを喫した。

　試合の結果黒田一人がベスト16で全日本出場を決めたが、攻めのパターンの少なさから相手に動きを読まれ、自分の剣道ができなかったという課題が浮き彫りに。いかに集中力を持続し相手を崩し、一本取れる攻め方を展開できるか。今後の練習により７月、彼女の真価が試される。