課題残るベスト16/関東学生優勝大会

1999.01.01
 "インカレ団体優勝"。部の最大の目標へ向け、日々厳しい練習を積んできた本学。特に主将である田中(敏・営4)は「個人個人に目標を立てさせそれに向け努力し、部のレベルアップを図った」と常にチーム戦である団体戦に焦点を当ててきた。7月に行われたインカレ個人に出場する際も「結果もだが、団体戦につながるよう良い内容の剣道をやりたい」と意識を高めてきた。

 そして迎えた今回の関東大会。上位進出しインカレ出場権を獲得することがまず目標だが、何より夏までの努力の結果を証明する場でもある。チーム力で挑み、結果を出したかった本学であったが、成績は振るわずベスト16。インカレ出場権は獲得したものの、課題の残る内容となった。

 第一試合、本学は苦戦を強いられる。古豪・茨城大相手に慎重になりすぎ思うように力を出せず、三将が終わった時点で一本も取れずに相手にリードを許していた。だが副将の坂入(理工4)と大将の田中(敏)主将が粘りの剣道を見せ、何とか代表戦にもつれこむ。ここで代表として選ばれたのは貴重な1勝を挙げていた坂入だった。「動きが良かった」(今野監督)と、期待に応える働きを見せ、最後は間合いをつめて放ったきれいな面で、本学に勝利を呼びよせた。

 この勝利により勢いづいた本学は、続く二松学大を圧倒。ベスト16入りし、インカレ出場を決めた。

 あとはどこまで上を目指せるか。だがそんな本学の前に立ち塞がったのは、インカレ個人準優勝の大将有する法大であった。本学はこの強豪相手に、茨城大の時のよう引くのではなく、果敢に打って出た。その気持ちが強く表れたのはこの日公式戦初起用であった松井(法1)だ。上級生主体のチームでありながら、1年生として先鋒に選ばれた松井。大事な1戦で勢いのある剣道を見せ、見事小手の一本勝ちで次へとつないでみせた。その流れで五将の天野(商4)も相手の動きをうまく予測し、狙いすました返し胴を決めた。確実にペースをつかんでいた本学。だが中堅、相手の一発の突きが内野(文4)を打ち崩すと、流れは一気に法大へと傾いた。三将でも負け、期待はこの日調子の良い坂入へと向けられるが、一本を決めきれない。勝負は大将戦へと委ねられた。関東王者でもある相手の大将に対し、うまく防ぎつつ粘り、何度も攻めに出た田中(敏)主将。だがペースは終始相手に握られ、最後は引き面の前に沈んだ。

 「逆転負け、気持ちの面で負けていた」(今野監督)。初戦も勝ちへの意識を積極的に出せず、慎重になりすぎた。課題はいかに気持ちを集中させ最初から全力でいけるか。「実力差はそこまでない、インカレでもチャンスはある」(今野監督)。松井や坂入のがんばり、田中(敏)主将の粘りなど、今回光った場面も多い。

 秋本番へ向け、これからが正念場だ。