
馬場が中距離ラストレース 地元で優勝飾る/愛知選手権
馬場勇一郎(政経4=中京大中京)にとって、中距離ラストレースとなった今大会。ホクレン・ディスタンスチャレンジ2023(以下、ホクレン)の4大会に続く連戦となったが「とにかく勝ちにこだわろう」と最後のレースに挑んだ。地元・愛知県での開催に多くの人が応援に駆け付ける中、圧巻の走りで優勝を果たした。
◆7・16 愛知選手権(パロマ瑞穂北陸上競技場)
▼男子1500メートル予選
2組 馬場 3分54秒36 1着
▼男子1500メートル決勝
馬場 1位 3分55秒01
中学3年次に馬場がたたき出した800メートル1分52秒43の日本中学記録は、現在も破られていない。「過去の記録なのでもう関係ないかもしれないが『勝って当たり前』の中で競技をするのは、正直逃げたいなと思う時もあった」。記録保持者という肩書きは重圧に感じることもあったが、トラックで世界を目指せる中距離種目に魅力を感じ、大学までとことんこだわってきた。その中距離種目も7月で一区切りと決め、ホクレンでは自己記録の更新に挑んだ。惜しくも更新とはならなかったが、7月8日の網走大会で3分44秒76を記録し「今の力を全て出し切ることができた」。
最後の大会となった愛知選手権では「地元の後輩や今まで応援してくれた人へ、自分が最後までやり切った姿を見せたかった」と勝ちにこだわった。予選を1着でゴールし、迎えた決勝。ラスト800メートルを過ぎてから周りをふるい落とすというプラン通りにレースを展開する。馬場を応援する声が競技場に響く中、最後は後続を突き放し、勝ち切る強さを見せた。ラストレースでの優勝に思わずガッツポーズ。「やり切った充実感でいっぱい」と喜びをかみしめた。
中学時代から取り組んできた中距離種目への挑戦は一区切りとなるが、ここからは10月14日の箱根駅伝予選会(以下、箱根予選会)に向けて新たな挑戦を始める。大学駅伝への出場経験はないが「やるからには最後まで上を目指していきたい」。その思いで、仲間と共に競技生活最後の半年に挑む。
[覺前日向子]
馬場勇一郎(政経4=中京大中京)
試合後のコメント
馬場
――プレッシャーや緊張はありましたか。
「勝って当たり前っていうプレッシャーは少なからずありましたね。でもそれは中学記録が出てからずっと背負いながらやってきたので、ラストレースは勝ちにいくことだけを考えて走りました」
――7月で5大会に出場しましたが、連戦は大変でしたか。
「自分で出たいと思って監督に志願したので、強い気持ちで臨みました。たくさんの応援をしてくれる人、中学生も来てくれたし、陸上を頑張ればあんなふうに終われるんだよと地元で見せたかったので頑張れました」
――中距離をここで一区切りにする理由を教えてください。
「一つは、タイムを出すには7月がピークなのでそこでスパッと決めて、そこから新しい挑戦をゼロからしたかったというのがあります。また、自分の走力では全然厳しいところがあるとは思うんですけど、自分が中距離から(駅伝へ)挑戦することは、結果以外のところでもチームのためになると山本佑樹駅伝監督や山本豪副監督からも言われていて。自分がチームのために何かできるんだと目的を見出せたので最後頑張ろうと思って決めました」
――中距離種目を続けてきた原動力は何ですか。
「とことん上を目指したかったので、駅伝は国内ですが世界を目指せるトラックの中距離種目にこだわってやってきました。世界には自分は全然届かなかったですが、上には上がいて誰もやっていないことに挑戦したかったという思いがあったので、そこがすごく魅力でここまでやり切れたのかなと思っています。また、豪さんをはじめ、多くの方が自分の目標をサポートしてくださったので、とても感謝しています」
――箱根駅伝を目指すことを決めたタイミングはいつですか。
「大学1年生の頃から『目指せるぞ』と豪さんから言われていて、少しは意識しましたけど、低学年ではあくまでも中距離の練習の中で長距離をやっていただけでした。本格的に意識したのは自己ベストを更新した昨年10月のアスレチックスチャレンジカップからで、そこから今年7月のホクレンが終わった後は箱根駅伝を目指そうと考えていました」
――これからの意気込みを教えてください。
「やるからには上を目指していきたいので、箱根予選会に向けてまずは自分がチームの上位で走れるように頑張っていきたいと思います。出場できるかは分かりませんが目指すことは大事だと思うので、最後は仲間や4年間一緒に過ごしてきた同期と頑張ります」
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