
個人3メダル 振るわずも団体4位入賞/東日本大学対抗選手権
東日本大学対抗選手権最終日となる3日目は、4人の選手が出場した。96キロ級の青柳昌孝(政経3=川口)が2位の表彰台に登ると、続く102キロ級の川上直哉主将(政経4=尼崎工)、109キロ級の相馬来輝(政経2=柴田)、+109キロ級の寺西洸志郎(営3=滑川)が入賞。団体では悔しくも4位となり表彰台には登れなかったが、調子が振るわないながらも安定した結果を見せ、来季への大成長を予感する内容となった。
◆6・30~7・2 第51回東日本大学対抗選手権(日大生物資源科学部体育館)
▼96キロ級
2位 青柳(S130 J161 T291)
▼102キロ級
2位 川上(S150 J172 T322)
▼109キロ級
8位 相馬(S116 J150 T266)
▼+109キロ級
2位 寺西(S136 J177 T313)
▼団体
4位 明大
※S…スナッチ、J…ジャーク、T…トータル
大会3日目。川上主将が信頼を寄せる96キロ級の青柳がチーム明大を勢いづかせた。スナッチでは、前回の全日本学生個人選手権で制した他学の選手に競り負けてしまい、130キロにとどまる結果に。だが、続くジャークで自己新を更新し161キロを挙上。試技間の休憩が短く残りの体力が懸念されるも、最後には気持ちの強さが光り、「安心した」と喜びのガッツポーズを見せた。明大として初の20点を記録し一番槍の功を立てた青柳だったが、「及第点です」と自身の結果には満足していない様子。後続の選手に良いプレッシャーを与え、期待を背負う川上・相馬・寺西に見事なバトンパスを繋いだ。
続く川上は、スナッチで150キロを挙上。「気持ちが入った。上出来です」と評する三度目の試技で自己新を更新し、幸先の良いスタートを切った。しかし一方で、「スナッチでの150キロが、思った以上に体に負担が来ていた」と、思う以上に身体は疲弊していた。ジャークが苦手ながらも据えた180キロという目標は、断念せざるを得なかった。それでも3度の試技で172キロを挙上した川上はトータル322キロを記録。青柳に続き2位の表彰台に登った。次回以降「もっと頑張らないと上には立てない」と不完全燃焼の主将には、より期待が膨らむ。
102キロ級では相馬が8位入賞を果たす。スナッチでは1度目の試技で110キロを挙上したが、続く2度目の試技で115キロを失敗。しかしここで仲間からの声援が一段と高まり、緊張感の増す3度目の試技において自己新に迫る116キロの挙上に成功した。ジャークでは2度の試技を順調に成功させ、3度目の試技で自身未到の150キロに挑戦し、これを成功。147キロから自己新を3キロ更新し、トータルでは266キロと大きな成長を見せた。
試合後「練習の成果が上手いように出なかった」と語った寺西は、銀メダルを胸にしながらも納得いかない様子をみせた。スナッチでは130キロ、136キロと2本目までを危なげなく成功させたが、三度目の自己新141キロに挑む試技で惜しくも失敗。続くジャークでは手ごたえを感じながらも、同様に三度目の挑戦で失敗してしまう。「自分の甘いところが出てしまった」。当初のスナッチ140キロ、ジャーク180キロという目標に届かず、試合後は悔しさをあらわにしていた。チームとして最後のプレーを託された寺西が2位の表彰台を飾り、選手権の幕を閉じた。
団体としては4位と目標であった表彰台には届かなかったが、辛酸をなめた初日に対する後半の巻き返しには目を見張るものがあったに違いない。まだまだ力の差を感じることはあるが、その差を埋めることができた選手がいたのも事実だ。「これから本格的にテコ入れを」(中田健太郎監督)。既に監督の瞳には、次に表彰台に登る選手の姿が映っている。今回得た収穫を無駄にせず、次に躍動する選手の姿に期待したい。
[松下日軌]
試合後のコメント
中田監督
――今回の目標は何ですか。
「団体3位を掲げつつ、成功率を高めることと、オールスタッフで出し尽くすことを目標にやってきました」
――次戦への展望をお願いします。
「今幸いにも怪我人がいないので、練習ができると結果にも繋がります。今後の意気込みとしては、そのサイクルを崩さずにもっと練習量を増やしていきたいです。それが優勝への近道だと思っています」
川上
――自身の結果(2位)をどう受け止めていますか。
「順位は納得できたかなと思います。少しは進歩できました」
――青柳選手が20点を取りましたが、プレッシャーに感じていましたか。
「青柳は最近本当に自分のことを理解するようになってきて、やってくれると思っていました。青柳の分も全員の分も含めて頑張ろうと思うことができました。信頼しています」
青柳
――スナッチを振り返っていかがですか。
「あまり良くなかったです。前回大会では131キロで1位だったので。今回同じ相手の選手と競り負けてしまったので、自分ではあまり納得いっていません」
――ジャークの2本目3本目の間で、何か調整はありましたか。
「2本目3本目の間が最後は短くて、技術的な調整というよりかはもう気持ちで、精神的にもっていった感じです」
寺西
――ジャークを振り返っていかがですか。
「自分はジャークの方が得意で、心の中でも『今日はいけるな』っていうのもあって。それで今日2本とも結構軽くできていました。その最後の181キロの失敗が、自分の甘いところ、最後まで取りきることをこれから意識して、これから臨みたいです」
――全体の成績が懸かる、最後の選手として緊張感やプレッシャーはどうでしたか。
「結構1年生の頃から大会に出場させて頂いていて、それで任せられることが多いですが割とそういうのが自分のやる気につながるので、結構楽しんでやれました」
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