両者全く譲らない大接戦 結果は充実のドロー/第11回関東大学オールスターゲーム2023

2023.07.03

 大学ラグビー界のスターが集う年に一度の祭典、オールスターゲームが今年も行われた。明大からは8名が出場。炎天下の中、対抗戦選抜、リーグ戦選抜ともに攻守両面で死力を尽くし、結果引き分けという熱戦に。会場を大いに盛り上げた。

 

◆7・2 第11回関東大学オールスターゲーム(秩父宮ラグビー場)

▼対リーグ戦選抜

 対抗戦選抜43{19―26、24―17}43リーグ戦選抜

 

 出場選手は左センター廣瀬雄也主将(商4=東福岡)、右プロップ為房慶次朗(文4=常翔学園)、右ロック山本嶺二郎(法4=京都成章)、スタンドオフ伊藤耕太郎(商4=国学院栃木)、右センター秋濱悠太(商3=桐蔭学園)、右ウイング安田昂平(商3=御所実)、福田大晟(商3=中部大春日丘)、萩原周(商4=大阪桐蔭)。 

 

 試合は序盤から点の取り合いになった。まず先制したのは対抗戦選抜。前半4分、敵陣ゴール付近でのマイボールスクラムから、廣瀬、伊藤耕とパスをつなぎ最後はフルバック髙田(筑波大)がトライを決めた。幸先の良い出だしだと思われたが、7分にリーグ戦選抜がラインアウトモールからトライを奪い、すぐに同点に追いつかれてしまう。しかし16分、敵陣ゴール付近でのマイボールスクラムをそのまま押し続けナンバーエイト延原(帝京大)がグラウンディング。27分にリーグ戦選抜にトライを奪われるも、30分にFWの突破で敵陣ゴールライン付近に攻め込むと右サイドに攻撃を展開し、これも廣瀬、伊藤耕とパスが渡り最後は秋濱が飛び込んだ。「空いていたスペースを耕太郎さん(伊藤耕)とうまく連携を取ってトライできた」(秋濱)。このままリードを守りたいところだったが、35分、前半終了間際と連続でトライを許し、19―26のビハインドで前半を折り返した。

 

 後半からスクラムハーフは萩原に交代。「攻撃のテンポを上げることを意識した」(萩原) と対抗戦選抜のアタックのリズムを生み出した。後半7分にリーグ戦選抜にトライを奪われるも、15分、敵陣ゴール付近でペナルティーを得ると萩原がすかさずリスタート。パスを受けた左フランカー青木(帝京大)ディフェンスを突破しトライを奪った。このトライから対抗戦選抜のアタックの勢いが増す。19分、ハーフライン付近で山本嶺が相手のボールを奪うと、萩原がボールを受け取り左サイドにいる秋濱へきれいなロングパス。パスを受けた秋濱がディフェンスをかわし安田につなぐと、安田は快速をとばし一気にゴールライン手前まで到達した。そして最後は山田(慶大)のキックパスに榎本(青学大)がグラウンディング。明大勢の見事なチャンスメイクがトライにつながった。さらに30分にはハーフライン付近でFWが突破すると、サポートについていた萩原がパスを受け最後は本橋(帝京大)につないでトライ。そして34分には榎本のトライも飛び出した。この時点で43―33の10点差。残り約5分耐えきれば勝利だったが、リーグ戦選抜は最後まで諦めなかった。37分に5点差に詰め寄るトライを奪うと、45分、執念の連続攻撃から劇的なトライ。最後のキックが外れ、43―43の引き分けで試合は幕を閉じた。両チーム即席とは思えないほどの結束力で80分間戦い抜いた。

 

 猛暑の秩父宮ラグビー場をさらに熱く盛り上げてくれた今年のオールスターゲーム。今回はチームメイトだった他大学の選手たちは、これからの対抗戦では強力なライバルとなる。「選抜された選手たちはみんな強かったので、この経験をチームに持ち帰りたい」(福田)。秋の対抗戦に向けて、紫紺の戦士たちはさらに上のレベルを目指し続ける。

 

[晴山赳生]

 

試合後のコメント

廣瀬

――今回の試合を振り返っていかがですか。

 「勝つことはできなかったですが、いつもは敵同士の選手たちと一つのチームでできて楽しかったです」

 

為房

――セットプレーはいかがでしたか。

「即席のチームでしたが、スクラムでトライを取ることができたりしたので良かったです」

 

山本嶺

――相手チームのウーストハイゼン選手の身長がかなり高かった(211cm)と思うのですが、対戦してみていかがでしたか。

 「一度対戦してみたかったので、そういった高い選手もいるというのも知れて良い経験になりました」

 

伊藤耕

――明大の応援はいかがでしたか。

 「去年からやってもらっていて、すごくうれしかったです」

 

秋濱

――オールスターゲーム初選出でしたが、選出された時の気持ちはいかがでしたか。

 「選ばれるとは思っていなかったので、選ばれた以上楽しもうと思いました」

 

安田

――高校時代一緒だった人と共にプレーしてみていかがでしたか。

 「相手チームにもいて、一緒に戦えてとても楽しかったです」

 

福田

――今回の試合を振り返っていかがですか。

 「即席チームでうまくいかないこともありましたが、80分間通してチームで楽しむことができたと思います」

 

萩原

――夏に向けての抱負をお願いします。

 「帝京大との試合があるので、そこにフォーカスして頑張ります」