衆望担う中野・木村がアベックV/全日本学生新人選手権

 全国屈指の1・2年生が結集する全日本学生新人選手権。中野龍斗(政経1=水島工)、木村梁(営1=紀北工)がともに優勝を飾ると、2日目に出場した辻本侑矢(法1=家島)は2位の好成績。来年度における明大ウエイトリフティング部の躍進を予感させる結果となった。


◆3・7〜8 第68回全日本学生新人選手権(上尾市スポーツ総合センター)

▼67キロ級

1位 中野(S108 J134 T242)

▼73キロ級

1位 木村(S118 J140 T258)

4位 道幸(S118 J122 T240)

▼109キロ級

2位 辻本(S125 J146 T271)

※S…スナッチ、J…ジャーク、T…トータル


 真剣な面持ちでプラットフォームに上がった中野。「気持ちで負けてしまった」と1本目のスナッチを失敗したものの、2本目では108キロを挙上。勢いそのままに自己ベストの114キロに挑んだが、バーベルは背後に落下。記録更新には惜しくも至らなかった。だがジャークの3本は立て続けに成功。2本目から予定を変更し「大会記録を伸ばそうと思った」と重量増加に踏み切る。3本目で134キロに挑み、見事成功。トータル242キロで表彰台の頂点に登った。試合後は「80点くらい。スナッチ115キロ、ジャーク140キロが目標。それ以上を取れるプランで考えている」と次への意気込みを語った。


 続いて試技に臨んだのは木村と道幸昌広(政経1=若狭東)。木村は1本目を除く全ての試技を成功させ、スナッチ・ジャークともに自己新記録をマーク。アップで不調を感じ1本目を落とすも「そこで気持ちを変えられたのが2本目につながった」と立て直しに成功した。迎えた最後のジャークでは、中田健太郎監督に背中を押され『一点集中』。堂々たる試技で140キロを掲げ、金メダルと共に万雷の拍手を浴びた。道幸は惜しくも4位となったが、1カ月前の手首のケガから復帰。食生活などの見直しで体力の増強を図ってきた。練習ができなかったジャークこそ振るわなかったが、スナッチについては自己ベストに迫る挙上を見せ「(状態に比べて)いい結果が残せた」と確かな成長にうなずいた。


    今大会ラストを担う辻本は、スナッチ・ジャークでそれぞれ125キロ、146キロを挙上。自己ベストを更新し、2位の好成績を残す。チームメイトから「一年間を振り返って頑張ってこい」と背中をたたかれ150キロのジャークに臨んだが、あと一歩及ばず。体づくりがうまくいかず苦しい思いをすることもあったが、それでも「少しずつ身になってきている。調子を崩さないように頑張ってもらいたい」と中田監督も期待を寄せた。


 翌日からは全日本選抜選手権が開催。今大会は応援に徹した3、4年生も、次は自分たちの戦いが始まる。前途有望な後輩たちに刺激を受けた上級生は、一体どんな姿を見せてくれるのだろうか。


[松下日軌]


試合後のコメント

中野

――試技を振り返っていかがですか。 

    「今日はジャークの方が良かったですね。スナッチも引きは良かったんですが、うまくかみ合わなくて取れませんでした。スナッチ最後の114キロは(背中側までバーベルを)回せたので、可能性は感じました。この前の全日本ジュニア選手権で115キロを挑戦した時には、取れる未来が全く見えなかったので。そこは成果を得られたかなと思っています」


木村

――優勝という結果をどう受け止めていますか。 

    「今まで1位を取ったことがなかったので、『やっと1位を取れた』というのもありますが、これで喜ばず。4月に全国大会があるので、また1位を取れるよう頑張ります」


道幸

――今後取り組みたいことはありますか。

    「今回の大会で、やはりジャークのフォームの悪さが露呈したというか。よりフォームを徹底しようと思っています」


辻本

――本日の試技を振り返り、点数をつけるとすれば何点でしょうか。

    「80点ですかね。20点足りないところは、スナッチで10点、ジャークで10点ずつです。スナッチでは、緊張しすぎたせいで動きが固くなってしまったのでマイナス10点。ジャークの方はやはり集中集中と言いながら、ただ全力で、がむしゃらにやってしまったという点で、マイナス10点です」


――プラットフォームでの笑顔が印象的でした。 

    「そうですね。知らない人も自分のことを見ているので、緊張しているのを見られたくないというのがあります。『調子良さそうだな』ではないですが『自信あるな』みたいな感じで見せたくて、高校の時から絶えずそうやって試合に臨んでいます」