
自己ベスト続々更新 競歩の実力示す/日本選手権・20キロ競歩
パリ五輪出場、自己ベスト更新など各選手が目標に向かいレースに臨んだ。学生から社会人まで多くの選手が参加し〝世界一熾烈な代表争い〟と称される今大会。そんなハイレベルな戦いに明大からは4名の選手が出場し、見事に3人が自己ベストを更新と好成績を残した。現役選手だけではなく明大OBも3人全員が入賞を果たし、明大競歩部門のシーズン幕開けにふさわしい幸先の良いスタートとなった。
◆2・18 第107回日本選手権・20キロ競歩(六甲アイランド)
▼男子20キロ
16位 近藤 1時間23分15秒 自己ベスト
21位 長田 1時間24分46秒 自己ベスト
29位 櫻井 1時間27分15秒 自己ベスト
※村越は途中棄権
沿道には周回する選手を応援し続ける観客が並び、にぎわいを見せていた。昨年度よりも応援を受ける明大の出場選手が増え4人の選手が紫紺を背負い出場。序盤では集団でレースが進んだが、4キロ通過あたりから集団が崩れ始める。個人でのレースが展開され、周回遅れとなる選手も出たことで順位の見えづらいレースが続いた。そんな中、近藤岬(理工2=十日町)、長田隼人(商1=松山工)が前後に並び、レースを進めるも後半になるにつれ差が広がり始める。そこから後半さらにペースを上げた近藤は自己タイムを約7分も縮めフィニッシュ。今回のタイムに対して満足度は「100点」と笑顔を見せた。続いて、長田は終盤からペースが落ちてしまったものの自己ベストを更新。「オーバーペースで入ってしまった。15キロくらいまでは良かったが、まだまだ積み上げが足りず、終盤耐えられる体づくりしたい」と振り返る。櫻井建太(法1=星稜)は「タイムではなく、体の状態を最優先に考える」というレースプランを守り、目標としていた日本学生対校選手権(日本インカレ)の標準タイムを切り、自己ベストを更新した。進級前の2月、下級生による3人の自己ベスト更新は競歩部門の今後への期待を一層高めてくれるものとなるだろう。一方、村越優汰主将(文3=横浜)は元より10キロでの棄権を予定し、復帰戦としてレースに臨んでいた。半分の距離ではあるものの集団の中で淡々と自分のペースを刻み、自分の歩きを再確認。次戦に向け準備を重ねている。
現役選手のほかに明大出身の選手が3人出場し、同様にレースに臨んでいた。濱西諒選手(令5文卒・サンベルクス)は昨年度の記録を大きく塗り替え、2位の好成績を収めた。レース終盤、濱西選手と競り合った古賀友太選手(令4商卒・大塚製薬)は続いて3位と表彰を受けている。さらに野田明宏選手(平30商卒・自衛隊体育学校)も8位入賞を果たし、華々しく活躍するOBの姿にも目が離せない。
大会の結果は明大競歩部門を勢いづける大きな一歩となった。この流れが主将・村越を中心に明大競走部全体に波及し、「ワンチームを目指して、自分だけで精一杯にはならず周りを見ながらいいチームを作っていきたい」(村越)という思いをかなえてほしい。競歩に始まり、充実した春を過ごした紫紺の花が咲くことを期待したい。
[熊谷実夏]
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