声援飛び交うチーム明大 優勝目指し好演技披露/日本学生氷上競技選手権

 日本学生氷上競技選手権(以下、インカレ)が開幕した。6日は男子7、8級から大島光翔(政経3=立教新座)、菊地竜生(政経1=目黒日大)、松井努夢(政経4=関西)が出場。女子7、8級からは住吉りをん(商2=駒場学園)、江川マリア(政経2=香椎)、元榮愛子(商1=目黒日大)が出場し、目標のインカレ優勝に向け、応援にも力を入れ氷上を彩った。

 

◆1・6~7 日本学生氷上競技選手権(ALSOKぐんまアイスアリーナ)

 

 昨シーズンのインカレで男女アベック優勝に輝いた明大フィギュア部門。佐藤駿(政経2=埼玉栄)、住吉ら実力者を擁し、今シーズンも優勝候補筆頭だ。佐藤の欠場で松井が代打出場するなど直前のメンバー変更はあるものの、選手たちは一丸となり演技に臨んだ。

 

 SP(ショートプログラム)4位で会場を沸かせるノーミスの演技を披露した大島は「いざ彼が出られないとなって、一層自分が引っ張っていかなきゃいけないんだなという気持ちに改めてさせられた。そのおかげもあって背中を押されて、今日のいい演技につながった」と佐藤の分までチームを引っ張るという覚悟が好演を導いたと話す。『The Super Mario Bros. Movie』の楽曲に合わせたダイナミックな滑りで75.98点の高得点をマークし明大に勢いをもたらした。

 

 12月上旬で引退という形を取っていた中で急きょの出場となった松井は、難しい調整となりながらも前向きにインカレ出場の重みをかみしめた。「最後にインカレで滑れること自体がすごくありがたいことだった」。しかし松井自身も体調不良を抱えておりぎりぎりでの調整に。「せっかくのこのチャンスをそんな簡単に無理ですとは言えないし、ましてやラストシーズンで。絶対出れると思って、意地でも出ます、と」。朝の公式練習ではスケーティングで転倒するほどの状態だったと話すが、演技本番はジャンプも全て閉めて降りてくるという意地を見せた。演技終了後は、松井を称える会場の温かい声援と拍手が降り注いだ。

(写真:温かい声援の中滑り切った松井)

 初のインカレとなった菊地は新しいSPのプログラム『リベル・タンゴ』を披露。「足を引っ張らないかなという不安が大きくて」。第1グループで演技を終えた大島の75.98点という高得点を目にし、より頑張らないといけないという焦りがあったという。しかし、流れるような滑りと美しい身のこなし、迫力あるジャンプの成功で自己ベストを64点台から今回の68点台へと4点も更新。「プレッシャーに打ち勝てた今の自分は少し褒めたいと思っています」。SP6位に入り、目標としていた最終グループ入りを果たした。

(写真:新プログラムで堂々と魅せた菊地)

 

 また、大島は演技や点数で引っ張るだけでなく、独特の応援でも会場を盛り上げる。今回は女子7、8級の応援にも駆け付けリンクサイドから大きな声援を送り続けた。

(写真:菊地の演技直前に声援を送る大島) 

 女子トップバッターで登場したのは住吉。2週間前の全日本選手権(以下、全日本)のSPでは悔しいジャンプミスもあったが、それを払拭するかのような美しく丁寧な滑りで69.13点を獲得。ジャンプを全て加点のつく出来で成功させ、演技後には朗らかな笑顔が。「いい意味で集中していなかった」と気負い過ぎずに本番に臨めたことが奏功。「逆に集中せずにおしゃべりしたりとか、軽い気持ちで行くというのを、全日本からガラッと変えてみたので。それを変えたのが良かったのかな」と堂々の2位につけた。

(写真:ノーミスの演技を披露した住吉)

 続いて登場したのは元榮。SPは32位でFS(フリースケーティング)に進むことはできなかったものの、中盤のステップシークエンスでは楽曲に合わせ体を大きく使い伸びやかな滑りで魅せた。最終ジャンプのダブルアクセルが幅のある美しい流れで決まり、仲間からは大きな歓声が上がった。

(写真:伸びやかな滑りを見せた元榮)

 

 「明治大学の歓声がすばらしいので、本当に全日本くらいの応援で力になった」と話すのは江川。足が震えるほど緊張したといい「それが演技にも出てしまってちょこちょこつまずきそうになってしまった」などコンビネーションジャンプにも悔しいミスが。しかし、江川の誇る圧倒的な総合力で、スピンステップオールレベル4を獲得。後半には江川の持ち味の優しい滑りとやわらかな表情で『River Flows In You』に乗せた細やかな演技を披露し9位につけた。

(写真:やわらかな表情で滑り切った江川

 今大会、佐藤は欠場となったものの、大島の粋なはからいで‶うちわ〟にて登場した。明大として、目指す先は同じインカレ優勝。どんな演技でも、明るく響く大島ら明大勢の声援がFSでも選手の心の支えとなるだろう。

 

[布袋和音]

 

試合後のコメント

大島

――佐藤選手のうちわがリンクサイドで応援をしていました。

 「そうですね。彼が出られなくなって、やっぱり本当にどうしても彼の実力がすごいので、この団体戦彼頼りってなると、やっぱり自分の中にどこかそういう気持ちがあったりして。いざ彼が出られないってなって、一層自分が引っ張っていかなきゃいけないんだなっていう気持ちに改めてさせられて、そのおかげもあって、それに背中を押されて、今日のいい演技につながったのかなと思います」

 

――作られたのはどなたですか。

 「僕が昨日、一生懸命」

 

――この写真を選んだ理由はありますか。

 「もういい写真なかったので、もうあのスケート連盟のホームページにあるやつを拡大してコピーしました」

 

――同じスケート部の方からの応援はいかがでしたか。

 「本当にすごいそれがやっぱり一番の力の源で。大学を背負って出る試合ということで、大学代表として、何としてでも明治大学を一つでも上の順位にっていう思いがそういう声援とかを聞いてより一層強くなって、本当にそういう力が今日の演技にも出たんじゃないかなと思います」

 

松井

――演技を振り返っていかがですか。

 「頑張りました。ぶっちゃけ全く練習してなかったのもあるし、ちょっと体調崩してたのもあって、0と言っていいぐらいの練習量だったので。朝の公式練習も本当にスケーティングでこけてたんですけど、6分間(練習)の時に急に跳べ出したので『お、』と思いました。やっぱり1個こけてしまったけど、全部ちゃんと閉めることできて表現の方も出し切れたかな。今やれる以上のことはやれたから、点数はちょっと良くなかったんですけど、とりあえず楽しかったです」

 

――会場の歓声は活力になったりしましたか。

 「今までの試合で一番うれしかったし、すごい会場の中が温かかったです。気温がとかじゃなくて、そういうぬくもりみたいなのがすごくて、 今振り返ると結構うるってきちゃうんですけど、すごいうれしかったです」

 

菊地

――新プログラムを来シーズンではなく今回持ってきた理由を教えてください。

 「前のSPが少し点数が伸びづらいというところがあったので、そこを踏まえて今回新しいプログラムでチャレンジをしました」

 

――新プログラムと思えないほど体の使い方や表現面が素晴らしいなと思ったのですがご自身の中ではいかがですか。

 「振付師が姉なんですけど、やっぱ終わった後はひどいと言われてしまって。姉が求めているところはもっと高いところにあって、今自分はそれの半分も出せてない状態なので。今回まだ新プロでこの点出せたのはうれしいですけどまだまだ伸ばせると思うので、もっとジャンプ以外もしっかり気持ちを込めて。ただやれって言われたものをやるんじゃなくて、自分の気持ちを込めてしっかり滑っていきたいです」

 

――FSに向けての意気込みをお願いします。

 「まずは、今の6位という順位を落とさないように、自分の今できる全てをFSで出し切れるように頑張りたいと思います」

 

住吉

――今日のいい演技の中で、ご自身の中で特に良かった点を教えてください。

 「やっぱりいい表情で滑れたっていうのが一番大きいかなと思っていて、何か一つが良かったというよりも、全体を通して、会場ともあの明大の応援団ともジャッジとも全てとなんかこう、つながって演技できたかなって思います」

 

――キスクラでめいじろうのぬいぐるみを持っている姿を見ますがめいじろうお好きなのですか。

 「頂いたのでせっかくならと思って振ってて。でもやっぱかわいいですね。入学したては別になんとも思わなかったんですけど、2年生になってちょっとずつ愛着が湧いてきました」

 

――FSに向けての意気込みをお願いします。

 「今日は最後のルッツが少し緊張してしまって耐える形になったので、最後だからと言って緊張することなく明日も、明日は本当に最初から最後まで伸び伸びと、今日みたいに気負わず楽しく滑れたら結果はついてくるかなと思います」

 

江川

――演技を振り返っていかがですか。

 「今日はなぜかすごい緊張していて、ちょっと足が震えていたんですけど、それが結構演技にも出ちゃって、ちょこちょこつまずきそうになったりしてしまったので。ジャンプもルッツとコンビネーションのトーループトーループはあまりいい出来のものじゃなかったので、すごい悔しい演技でした」

 

――江川選手のうちわは堀見華那(商3=愛知みずほ大瑞穂)選手が作ったものなのですか。

 「華那ちゃんが手作りで正月に作ってくれました。もうみんな全員分作ってて」

 

――全日本が終わって2週間、ガッツポーズも出たFSの演技を思い返すことはありますか。

 「何回か見ました。他の自分の大会の映像よりは何回も見た気がします。映像を見ても、その時の気持ちとかをまだ覚えてるというか。自分にもこんな大舞台でいい演技ができる実力があったんだってちょっと自信になりました」

 

※元榮選手のコメントは後日追加いたします。