佐藤天、1500mで2位 ルーキー4人が一桁順位/日本学生氷上競技選手権

 日本学生氷上競技選手権(以下、インカレ)の季節が今年もやってきた。伊香保の地で3日間に及ぶ熱戦が繰り広げられ、1日目は500メートル、1500メートル、1万メートルが行われた。1500メートルでは佐藤天海主将(政経4=北杜)が2位、1万メートルでは菊原颯(政経1=市立長野)が3位で表彰台入りを果たし、上々のスタートを切った。

 

1・5〜7 第96回日本学生氷上競技選手権(高崎健康福祉大学伊香保リンク)

男子500メートル 

水口浩斗(政経2=池田)――14位 

狩野亜聞(政経3=嬬恋)――18位 

西山侑吾(政経4=帯広三条)――21位

男子1500メートル 

佐藤天――2位

佐藤太陽(法1=帯広三条)――7位

由井雛斗(政経1=嬬恋)――9位 

男子1万メートル

菊原――3位 

中村龍太郎(政経1=長野工業)――7位

田原秀真(法2=長野工高)――18位

 

 総合での表彰台入りを目指す明大。そのトップバッターは水口が務めた。「チームに勢いをもたらす役。流れを作るために重要な役割だった」(水口)。500メートルの短期決戦で自己ベストにあと0.04と迫る走りを見せ、14位と善戦。一番手として十分な働きをした。その後登場した西山は21位に終わったが「インコースのコーナーで転倒しそうになった部分が悔しかったが、攻めた結果なので後悔はない」と最後のインカレを清々しく終えた。

(写真:最後のインカレに出場した西山)

 続いて行われた1500メートルには、昨年度3位に輝いた佐藤天が登場。今年度は自己ベストを更新するなど、進化を続ける絶対的エースもこの日の環境には苦戦を強いられる。しかし、中盤から後半でラップを大幅に落とさない粘り強さと「最後まで全力で駆け抜けるという気持ち」を持ち続け、ラスト1周で2位に浮上。鍛え抜かれた心技体で自己最高成績を残した。

 

(写真:1500メートルで2位と好走を見せた佐藤天)

 1日目最後の種目である1万メートルでは菊原、中村龍のルーキーコンビが名をあげた。菊原はインカレに向けて「できるだけ力を使わずに滑れるようにという意識」で練習を重ねてきたという。その結果、レースの後半から徐々にラップを上げる体力が生まれ、1周するごとに順位も上昇。いきなり表彰台に上がる大活躍でチームに貢献した。その菊原と同じタイミングで滑ったのが中村龍。「今シーズンすごく調子が悪かった」と自身を客観視し、改善のために「一からスケーティング等を見直して、練習で調整していった」。前半から中盤にかけてラップタイムは34秒台後半から35秒台前半をキープ。後半は少しペースが落ちたものの「最近の中では一番滑れた」とスランプ脱出を予感させる7位。初出場で入賞を果たした。

 

(写真:1500メートルの表彰式の様子)

 1年生の活躍はこの2人に留まらない。1500メートルではケガから復帰した佐藤太が7位。目標としていた入賞を達成したが「もっと上に行けると思っているのでそこは少し悔しかった」(佐藤太)と、どん欲にさらなる高みを見据える。さらに由井も入賞にはわずかに及ばなかったが9位でフィニッシュ。ルーキーたちの奮闘ぶりが、2日目以降のチームの勢いにさらに火をつける。

 

[北原慶也]

 

試合後のコメント

佐藤天

――3年間のインカレの1500メートルで成長した点はありましたか。

 「今年は特に安定感というか、リンクが悪かったりコンディションが良くない中でも、自分の強みである『安定してタイムを残す』というところはかなりレベルアップしたのかなと思います」

 

西山

――インカレで500メートルを走るのは初めてでしたが、難しさはありましたか。

 「根本的に種目が違うかなと思います。30秒程度で終わる世界なので、能力発揮の大変さだったりとか、一つもミスできないっていう緊張感はほかの種目にはない難しさだったなという風に思いました」

 

水口

――課題だったスタートの改善に意識していたことは何ですか。

 「とにかく低く走るのを意識していました。速い選手は反応速度も速いので、そこも意識していました」

 

菊原

――明日の5000メートルでは中学の同級生の井出優哉(高崎健大)とも滑れる機会ですが、いかがですか。

 「小学校から一緒に続けてずっと頑張っている選手が出ていて、女子には畠山雪菜(高崎健大)もいるので、みんなの成績を見て自分も頑張らなければなと思います」

 

佐藤太

――2日目への意気込みをお願いします。

 「5000メートルの入賞を目指して、少しでも学校対抗のポイントに貢献できるように頑張りたいと思います」

 

中村龍

――チーム全体としてここまでを振り返っていかがでしたか。

 「今年は1年生が結構ポイントを稼いでいる中、自分も5位は狙えたかなという感じだったので、そこはチームに申し訳なさはあるんですけど、でも入賞できて少しは貢献できたのでそこは良かったです」