
(5)4年生引退インタビュー 坂田裕也
6人と少数精鋭ながらもチームを引っ張り続け、今年度のチームスローガン『一丸』の体現に大きく貢献してきた4年生。引退から1カ月がたち、ヨット部での活動を振り返り、改めて何を思うのか。本インタビューでは、今年度のヨット部4年生部員全員の声をお届けする。
第5回は坂田裕也(政経4=柏陽)のインタビューをお届けします。
(この取材は12月7日に行われたものです)
――ヨットを始めた理由を教えてください。
「僕は大学2年から始めたんです。元々体育会は少し興味があって入りたくて、どの部活に入るかっていうところだったんですけどそこでヨットを選んだのは、大学から始める人が少なくて未経験の自分でもチャンスがある部活だったっていうところです。あとヨット部の合宿所が結構近くて、マリンスポーツも元々趣味でやっていたということもあって、楽しいんじゃないかなと思って始めました」
――やっていたマリンスポーツは具体的にどのような種目だったのですか。
「サーフィンをやっていました。親がサーフィンをやっていて、それでたまにやっていたのとずっと水泳もやっていました。水に対する抵抗があまりなかったっていうところもヨットを始めた理由の一つかなと思います」
――一番記憶に残っているレースや大会はありますか。
「最後の大会(全日本学生選手権)ですかね。自分自身団体で全国に出て総合入賞っていうのを目標にやっていたんですけど、関東大会で負けてしまって、全日本に出られなかったです。ちょっとマイナスな思い出ではあるんですけど、めちゃくちゃ悔しかったなっていうところで一番印象に残っています。トータルで3日間あったんですけど(全日本に)いけるかいけないかが最終日の結果で決まる状況で、最終日の1レース目は自分たちが良くて、このままだといける感じだったんですけど、その次のレースで崩してしまいました。そのままレースが終わってしまった形だったので、印象に残っているのはそのレースです」
――4年間で一番成長したと思うところはどのような部分ですか。
「組織で動くっていうところで人間的な成長はあったと思います。僕自身中高と部活動をやってきたものの、全国大会に出るようなレベルの高い組織ではなかったので、全国を目指すレベルの高い組織を率いるっていう経験をしたことがすごく成長かなと思っています。周りを見て動いて周りのモチベーションを上げて行動するみたいなことをここまでやってこなかったので大学に入ってそれができたのは、成長できた部分だと思います」
――スナイプ級のリーダーとして心がけていたことはありますか。
「実は去年まで大会のレースメンバーがみんな4年生で、僕たちの代になってからのレースメンバーは経験していなかった人たちでした。そういったところで後輩たちの底上げっていうのはチームで戦う中で絶対に必要なことだなっていうのは、クラスリーダーになる前から分かっていました。どうやって後輩に成長してもらうかって考えたときに、自主性を持って練習に取り組んでもらうっていうのは不可欠かなと思っていたので、そこはすごい意識していました」
――昨年度は上級生と組んでいた中で今年度から下級生と組むことになったと思いますが、何か変わったことなどはありましたか。
「ヨット歴は今年組んでいた服部君(輝海・理工1=横須賀学院)の方が自分より長かったので、技術面だとそんなに引っ張っていたっていう感じはなかったんですけど、スナイプ級に乗るのは彼も初めてだったのでそういったところや、インカレの独特の空気感とかっていうのもあって、彼も最初の大会とかは多分緊張していたので空気を固くしすぎないように心がけていました。あと多分三つ上の先輩ってすごく気を遣うと思いますが、言いたいことを言えない関係は良くないなっていうのは思っていたので、練習外の場面とかでコミュニケーションをとることで、緊張感をなくしてもらえるように意識していました」
――ヨット部に入って良かったことはどのようなところですか。
「同期と会えたっていうのは一番かなと思っています。僕たちは合宿形式で部活をしているので練習している時間もそうですけど、してない時間も一緒に過ごす時間っていうのが多くありました。今引退して1カ月ぐらい経ちますけど、合宿所での経験や思い出っていうのは今後も忘れないだろうなと思っています」
――ヨット競技の魅力はどのようなところですか。
「海で自然を感じながらスポーツができるっていうのは一番魅力ですね。大学スポーツっていうところ見ると、やっぱり未経験の人が多くて、僕みたいな大学から始めた人も活躍しやすい環境があるっていうのは魅力の一つだなと思います。あとヨット競技ってインカレとか学生主体の大会だけじゃなくて、スナイプ級の全国大会とかもあって、60歳ぐらいの人も出て活躍できるようなスポーツなので学生から社会人まで、社会人を終えて引退された方もフラットに競技を楽しめるっていうのも魅力だなと思いました」
――来年度の明大ヨット部にはどのようなチームになってほしいですか。
「チーム全体としては1個下は割と人数が揃っていて、僕たちの代は6人だったんですけど多分倍近くいるので最上級生が後輩にも目をかけつつ、チーム一丸となって全日本の舞台で戦うっていうところを意識しながら、日々の練習に取り組んでほしいなと思います。最上級生が引っ張るんですけど、そういった中でも最上級生だけに任せるんじゃなくて、1、2年生も主体的に取り組んでほしいなと思います」
――後輩たちへのメッセージをお願いします。
「僕たちの代で、スナイプ級は全国にいけなくて470級も目標とは遠い順位で全日本を終えてしまったので、いい流れで下の代に引き継げたとは思っていないんですけど、その中でもいい後輩たちはいっぱいいると思っていて、全国大会でも戦える戦力は全然あると思うので、あと半年間かけてしっかり基礎を固めてほしいです。春から大会が始まっていくと思うんですけど、関東の早慶に継ぐ戦力となって全国でも戦ってほしいなと思います」
――ありがとうございました。
[冨川航平]
◆坂田 裕也(さかた・ゆうや) 政経4、柏陽高、172センチ・52キロ
(写真は本人提供)
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