
佐藤駿 四大陸選手権代表に選出/国際大会代表選手発表
来年1月30日から2月4日にかけて中国・上海で開催される四大陸選手権の代表に佐藤駿(政経2=埼玉栄)が選出された。四大陸選手権は、アフリカ、アジア、アメリカ、オセアニアの四つの大陸の選手が出場。オリンピック、世界選手権に次ぐ規模の大きい大会となる。24日に閉幕した全日本選手権(以下、全日本)での総合5位入賞や今シーズンのGPシリーズの成績などに基づいた選考を経て代表に選ばれた。
今シーズンは北京冬季五輪アイスダンス金メダリストのギヨーム・シゼロンさんにFS(フリースケーティング)の振り付けを依頼し、スケーティングをさらに強化した1年となった。‶ジャンプの天才〟の異名を持つ佐藤がスケーティングの面を磨くきっかけとなったのは、今年4月に急きょ出場が決まった世界国別対抗戦。最終グループの選手の滑りに圧倒され「僕に足りない部分、他の選手と大きく違うところはそこかなと改めて実感したので、そこから今シーズンはスケーティングとか頑張らないといけないなと改めて思った」。シーズン開幕前には「ジャンプの構成も本当は4回転4本とかにしたかったが、まずは4回転3本で練習していって5コンポーネンツ(演技構成点)をそれで上げられたらいい」とジャンプよりもスケート技術や演技、構成面を点数化する演技構成点を重視して練習を積んできたと明かす。
昨シーズンは38、39点台が並んだSP(ショートプログラム)の演技構成点。しかし今シーズンのGPシリーズ第1戦アメリカ大会では完璧なジャンプとはいかなかった中でも、41.51点と確かな鍛錬の跡を残した。また、続く11月初旬の東日本選手権ではSPで97.88点とジャンプを全て成功させ、スピン、ステップシークエンスもレベル4をそろえる完璧な演技を見せ自己ベスト更新。さらにFSでも全ての要素に加点が付く出来で186.99点とこちらも自己ベストを更新し合計284.87点と昨シーズンの自己最高点を約20点上回る高得点で優勝を果たした。
GPシリーズアメリカ大会での3位表彰台に引き続き第5戦フィンランド大会でも2位表彰台となるなど、シーズンを通し安定した強さを見せた佐藤。しかしGPシリーズ2戦の獲得ポイント数上位6人が出場できるGPファイナルへの進出を僅差で逃す。「今まで表彰台で3位や2位で満足している部分があったが今シーズンは3位とか2位でも満足しないというか、やっぱり優勝したいという気持ちがさらに強くなってきている」。‶表彰台のトップ〟を目指して挑んだ今シーズンの全日本。21日のSPでジャンプを全て着氷させ、観客を引き込むステップで魅せた圧巻の演技を披露。高得点が期待されたが89.80点と伸び切らず。4回転フリップのエッジエラー判定やスピンのレベルの取りこぼしが響き5位発進となった。23日のFSでは、冒頭で4回転ルッツを決めると勢いそのままに、鍛え抜かれたスケーティングや身のこなしとともにジャンプを次々と成功させた。疾走感が増す演技後半、力強いステップで目標としていたレベル4を獲得。観客の心に響く滑りで見事183.24点で暫定首位に。しかし激戦の末、最終順位は総合5位となり目標としていた表彰台には届かず。「悔しさもあって、うれしさもあり。すごく感情がいろいろ入り混じった大会」と締めくくった。
これらの活躍から、来年1月30日から2月4日にかけて行われる四大陸選手権の代表に選ばれた。オリンピック、世界選手権に次ぐ規模の大きい大会となる四大陸選手権。昨シーズンも同大会に出場し銅メダルを獲得しており、2年連続の表彰台を目指す。
左肩脱臼の手術明けから2年。安定感ある高難度ジャンプに加えスケーティングを磨き上げた佐藤がより一層大きく羽ばたける舞台が待っている。昨シーズンからひときわ成長を果たした姿を上海の地でも輝かせることだろう。
[布袋和音]
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