
選手権初戦 筑波大に勝利し大学王者まであと2勝に迫る/全国大学選手権
廣瀬組の最後の戦いが始まった。全国大学選手権(以下、選手権)・準々決勝の相手は筑波大。試合序盤は筑波大の激しい攻撃もありディフェンスの時間が続くも、着実にチャンスをモノにし17―7で試合を折り返す。後半は連続トライで筑波大を突き放し、45―7でノーサイド。2年ぶりに準決勝に勝ち上がった。
◆12・23 全国大学選手権(秩父宮ラグビー場)
▼対筑波大戦
○明大45{17―7、28―0}7筑波大
序盤はタイトな試合展開となった。明大は試合開始直後に敵陣ゴール前まで迫るも、得点を奪えず。その後は筑波大のスピードに乗った攻撃、低く鋭いタックルに苦戦し、なかなか敵陣に攻め込めない時間が続いた。「筑波大は前半から激しくプレーしてくると分かっていたが、受けてしまったところがあった」(ナンバーエイト木戸大士郎・文3=常翔学園)。それでも明大は粘り強くディフェンスを続け、得点を許さない。「選手権に向けての準備期間で特にディフェンスシステムのところをやってきたので、そこを全員が意識できていた」(左ロック山本嶺二郎・法4=京都成章)と、課題だった守りで成長を見せ、流れを渡さなかった。試合が動いたのは前半17分。ハーフウエーライン付近で左ウイング海老澤琥珀(情コミ1=報徳学園)のドミネートタックルでボールを奪い返すと、キックで陣地を挽回。敵陣22メートル付近のマイボールラインアウトから左に連続攻撃を展開し、最後は左サイドの空いたスペースに海老澤が飛び込み先制トライを挙げた。「明大がやりたいアタックを体現できた」(海老澤)。25分にはハイボール処理から海老澤が左サイドの狭いスペースを突きラインブレークすると、サポートに付いていた左フランカー森山雄大(政経4=東福岡)がパスを受けトライ。「相手が1人チェイスをしてきているのは分かっていた。そこをエスコートして琥珀(海老澤)が走れるスペースを作ってから、サポートで最後パスをもらって決めることができた」(森山)。32分に筑波大に得点を許すも、36分にフッカー松下潤一郎(法4=筑紫)のトライが飛び出し17―7で前半を折り返した。
後半開始後も試合序盤と同様、膠着(こうちゃく)状態となる。点差は10点、流れを奪われれば一気に逆転につながりかねない緊迫した状況だったが、明大は全く集中力を切らさなかった。「そのような場面は想定内で、いかに我慢してマイボールにするかを試合前に話していたので、焦らずプレーした」(左センター平翔太・商2=東福岡)。後半最初に得点を挙げたのは明大。21分、敵陣ゴール付近のマイボールラインアウトからアタックを継続し、最後は平翔が角度を変えてディフェンスを突破しインゴール中央にグラウンディング。「間合いをしっかり取ってスペースに走り込むことができた」(平翔)。このトライから明大の連続得点が始まる。27分、敵陣10メートルライン付近のマイボールラインアウトから、中山律希(政経4=天理)のラインブレークで敵陣深くまで前進。FWのピックゴーで着実にゴールラインに近づき、最後はスタンドオフ伊藤耕太郎(商4=国学院栃木)のオフロードを受けた右センター秋濱悠太(商3=桐蔭学園)がトライを挙げる。さらに30分には、キックオフから木戸の突破などで一気に敵陣まで攻め込むと、スクラムハーフ萩原周(商4=大阪桐蔭)がディフェンスのスキを突き独走。「僕がポイントに入る前に将太郞(池戸・政経4=東海大相模)が声を掛けてくれたので、そこで前が空いたなと思って走り込んだら周りがサポートしてくれて、トライを取ることができた」(萩原)。試合終了間際には利川桐生(政経2=大阪桐蔭)のトライも飛び出しノーサイド。45―7で筑波大を退け、2年ぶりの年越しを決めた。
来年1月2日の準決勝に駒を進めた明大。今試合では対抗戦で課題となったディフェンスで高い集中力を見せ、後半は無失点に抑えるなど修正されていた。「ディフェンスは粘り強く耐えて、ボールを奪ってそのままトライに持っていくというのができていたので、今回攻撃とディフェンスの良さがかなりつながっていたと思う」(森山)。準決勝の対戦相手は、関西大学リーグAグループ王者の京産大だ。京産大は23日の早大戦で65得点を奪うなど、外国人留学生選手を起点にした激しい攻撃、セットプレーが大きな武器になっている。「フィジカルが強いチームなのでFWとしてプライドをかけて戦いたいし、日本一を目指す中で絶対倒さないといけない相手なので、しっかり勝ち切りたい」(山本嶺)。頂点まであと2つ。準決勝を制し、決勝への切符をつかむのは明大戦士たちだ。
[晴山赳生]
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