
(男子)佐藤が総合5位に 大島も存在感示す/全日本選手権
全日本選手権(以下、全日本)は23日、男子のFS(フリースケーティング)が行われた。明大からは21日のSP(ショートプログラム)で5位につけた佐藤駿(政経2=埼玉栄)は総合5位、20位につけた大島光翔(政経3=立教新座)が総合22位に入った。
◆12・21~24 全日本選手権(ビッグハット)
SP後に「最後まで諦めずに全力で楽しんで踊れるようにしたい」と語った佐藤。冒頭の4回転ルッツを成功させ、3.78のGOEを引き出す。コンビネーションジャンプの2本目の着氷が乱れてしまったものの、続く4回転トーループと3回転トーループのコンビネーションジャンプで2.99と高いGOEを記録。以降、四つのジャンプも全て加点の付く出来を披露した。演技終盤『冬』の曲に合わせて手拍子が始まると、キレのあるスピンとステップシークエンスでは観客を魅了し、レベル4を獲得。最後のスピンも鮮やかに決めて演技を終え、トップ選手が集まる全日本の舞台で総合5位に輝いた。「スケートをやっていて一番楽しかったというか、悔しさもあり、ミスもあり、スケートをやっていて良かったなと思える試合だった。このトップ選手たちと一緒に戦うことができてすごく光栄で、うれしく思う」と全日本を振り返った。
(写真:総合22位の大島)
今シーズン初めて予定構成に4回転を組み込んでFSに臨んだ大島。しかし、冒頭の4回転ルッツで回転が抜けてしまい2回転に。それでも「(4回転を)降りるつもりで挑んで、その結果力んでしまって、ダブルでパンクという形になってしまったが、この舞台で腹をくくってチャレンジするという思いで練習して本番に臨んだということが、本当に今後大きな糧になると思う」と演技後に振り返った。その後のトリプルアクセルとコンビネーションジャンプでは見事に着氷し勢いづく。演技中盤では、曲調が変わると観客が手拍子で〝スタァ〟を盛り上げ、迫力のあるスピンとともにその盛り上がりは最高潮に。終盤のステップシークエンスやコレオシークエンスでは、これまでと異なる大人の雰囲気をつくり出し『ムーラン・ルージュ』を踊り切った。SPとFSを通して異なる世界観をつくり上げ、会場をとりこにした大島は総合22位で全日本を終えた。
ハイレベルかつ熾烈(しれつ)な争いが繰り広げられた全日本。その中でも明大の2人の演技は多くの観客を魅了したに違いない。この大舞台での経験を糧に選手たちは新たな目標に向かって歩みを進める。
[堀口心遥]
試合後の囲み取材より
佐藤
――スケートをやっていて一番楽しい大会だったというのはどういったところでそのように感じたのですか。
「そうですね、本当にこのトップ選手たちと一緒に戦うことができて、すごく光栄に思っていて、 一緒に戦うことができて、とてもうれしく思います。悔しさもあって、うれしさもあって、すごく感情が入り混じったかなと思っています」
――この緊張感がある中で、あれだけまとめられたというのは、かなり自分の中で大きな自信につながりましたか。
「正直緊張とかは全くなくて、もう点数とかも気にしないで本当に観客の皆さん、見てくださっている人たちに向けて、本当に感情を込めて滑ろうという思いでスタートポジションに立ったので、すごい緊張とかは全くなかったです」
大島
――SPから気持ちをつくり直したかと思われますが、今日の気持ちの面ではいかがでした。
「本当にSPは自分的には納得いかなくて、落ち込んでいた部分もあるのですが、身内だったり、周りの人がすごく良かったと、自分的にはやはりジャンプのことしか考えていなかったので、 正直そこまで良い演技ではなかったと思っていたのですが、周りの方々にすごく良かった良かったという風に褒めてくださって、そこで、なんだか自信を持って、自信をなくさずにFSも滑っていけるなという風に思ったので、本当に周りの方のおかげでここまでこられました」
――今大会、少し悔しさの残る部分もあると思いますが、人の心に残るような演技をされたかと思います。1人のスケーターとして得たものだったり、周りの人からの反響で感じたことなどは何かありますか。
「今大会で、点数だったり、結果が本当に全てではないなと、少し感じる部分もありましたし、SPのマリオは本当に今までの自分の中でも、その演技の内容とは比例せず、自分の持ち味だったりというのを、本当に多くの方々に知っていただくきっかけになりました。今までは、点数にすごく固執したスケートをしていたところがあったのですが、そういう自分から少し解放されたような、そんなきっかけになったと思います」
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