(1)4年生引退インタビュー 主将・成田博陽

2023.12.23

 6人と少数精鋭ながらもチームを引っ張り続け、今年度のチームスローガン『一丸』の体現に大きく貢献してきた4年生。引退から1カ月がたち、ヨット部での活動を振り返り、改めて何を思うのか。本インタビューでは、今年度のヨット部4年生部員全員の声をお届けする。 

 

第1回は成田博陽主将(政経4=明大明治)のインタビューをお届けします。

 

(この取材は12月10日に行われたものです)

 

――4年間を振り返っていかがですか。

 「最初からもう少し本気でやっていれば良かったなと思っていて(笑)。1年生の7月くらいに入ってから4年生の11月までずっと続けてきたんですけど、部活を第一にやってこれたのは3年生の中頃くらいから最後までなので1年少しという短い期間だったと思っています。もう少し焦りを持って部活に本気で取り組もうというのが早かったら、結果は違ってきたのかなというふうには思っています。そこがもったいなかったなと思う反面、誰よりも知識はあったと思うし、一般生がやるべき役割というのは果たせたのではないかなと思っています」

 

――部活に本気になったきっかけを教えてください。

 「自分たちは学生同士で主将を決めるんですけど、そこで誰が主将をやるのかとなった時に僕がやりたいなと思いましたし、主将をやるからにはこれではチームをまとめられないと思い、まずは実力をつけようと思ったことがきっかけです」

 

――主将としてチームを見て新たな発見などはありましたか。

 「主将は難しいなと始める前はずっと思っていました。みんな言うことを聞いてくれないし、自分がやりたいようにはなかなかできないのかなというふうには思っていました。ですが今年のチームは団結力がありましたし、僕らは『一丸』というテーマを掲げていたんですけど、そのスローガンに近いチームづくりができてそれぞれが協力しあったり効率的なやり方でやってくれました。主将をやってみて改めていいチームだったなと思いました」

 

――合宿所での生活を終えられて寂しさなどはありますか。

 「僕は合宿所での生活が好きだったんですよ。みんなきついって言うんですけど僕はあんまりその気持ちが分からなくて(笑)。そこは困った部分ではあったんですけど、自分にとっては部屋も広かったですし快適でした。部活が終わって本気で取り組むことがなくなって、何か本気で取り組めることがないかなと思い今は人力車のアルバイトをやっています。これがなかなか忙しくて部活から新しいステージの切り替えはすんなりできたんじゃないかなと思っています」

 

――4年間で一番成長したことを教えてください。

 「視野が広くなったというか、いろんな人の考えを許容できるようになりました。主将を務める前までは僕は自分の思うように生きてきました。ヨットもいきなり思い付きで始めたり人力車やりたいからやってみようだったり、あんまり後先考えず、誰にどんな影響が出るかとか考えずにやってきたんですよ。今でもやりたいことをやるというスタンスは変わっていないと思うんですけど、次に何かを始めようと思う前に、どんな影響出るのか、誰かの迷惑にならないかを考えるようになりました。主将をやるにあたって、自分が部活を変えよう、新しく始めようとすると意見が出るじゃないですか。その意見についてどう言われるのかを考える能力が日々の中で身についたんじゃないかなと思います」

 

――ヨット部に入部して改めて良かったと思うことを教えてください。

 「僕は海と船、たぶん乗り物が好きなので本当にぴったりでした。ヨット部にはたまたま行った試乗会が楽しくて入ったという感じなんですけど、海を相手にして、風を読むことに対しては知識が必要なんですよね。特に理科の知識が多いんですけど、それが自分は結構好きだなと入って本気で勉強するようになってから思っていて、理系の方のみならず、海だったり船だったり、理系チックのことが好きな方にはぜひお勧めしたいです」

 

――一番記憶に残っているレースを教えてください。 

 「僕は2年生までほとんどレースに出たことがなかったので、4年生に集中しています。関東学生個人選手権(以下、関東個選)で18位以内に入ると出られる全日本学生個人選手権というのがあるんですけど、自分たちは(関東個選で)19位だったんですよ。本当は出られないんですけど、1個繰り上がって出場できました。いろんなレースがある中で自分は個人にこだわっていて出たいとずっと思っていたのでうれしかったです。葉山と違って波も風もなく、風の吹き出し口を自分で考えるのがすごい楽しかったですし、レースの面白さも重なって自分の中で思い出に残っているレースです」

 

――来年度の明大に期待していることを教えてください。

 「今年は『一丸』というスローガンを掲げていて、それがぴったり似合うチームだなと思っていて、チームの仲の良さは変わらずにいてほしいなと思っています。今年の1年生はたくさん入ってきてくれて、その全員が仲良いというのはいいことだなと思いますし、試合に出ていない人も出てる人を応援しようってなると思います。今後練習をきつくしても、チームの方向転換をしても、この雰囲気だけは変えずにいてほしいなと思います」

 

――同期のメンバーに対してメッセージをお願いします。 

 「僕らの同期は結構入れ替わりがあったんですけど、最後に残ったのがこのメンバーで良かったと思います。いろいろお願いする機会も多分あったと思うんですよ。なかなか出してきてくれなかったこともあるんですけど、それでも助けてくれたのは同期ですし、僕だけだったらこのチームの雰囲気をつくれていませんでした。やっぱりチームにいろいろな人がいて、向き不向きもあって僕が全てに適合しているとは思わないので、同期一人一人が下級生の性格に合わせて教えてくれたりもしました。この同期があってこその雰囲気だったし、この成績も収めることができたので、この同期で本当に良かったと思います」

 

――ありがとうございました。  

 

[冨川航平]

 

成田 博陽(なりた・ひろあき)政経4、明大明治高。178センチ・66キロ

(写真は本人提供)