
女子単複ベスト4で敗退 インカレインドア閉幕/全日本学生室内選手権4日目
3日目までの激闘を乗り越え、見事4強入りを果たし準決勝の舞台に立った鈴木渚左(国際3=野田学園)と吉田華菜子(法4=仁愛女子)・丸山愛以(商2=四日市商)組。熱戦を繰り広げるも、両者勝利にはあと一歩及ばず。明大勢最高成績はベスト4で今大会に幕を下ろした。
◆12・13〜17 全日本学生室内選手権(有明テニスの森公園・室内コート)
▼12・16
[女子シングルス準決勝]
鈴木渚 0{1―6、2―6}2 吉本(筑波大)〇
[女子ダブルス準決勝]
吉田・丸山組 0{6―7、0―6}2 吉本・櫻田組(筑波大)〇
【女子シングルス準決勝:鈴木VS吉本菜月(筑波大)】
自身初となる全国の舞台での決勝へと駒を進めるべく挑んだ準決勝。「高校時代から何度も対戦している相手で強いのは十分知っていた」。手の内を知る者同士の対戦ということもあり、試合は開始早々から両者全力の激しい打ち合いが繰り広げられる。1ゲーム目のサービスゲームをいきなりブレークされるも、鈴木も負けじと攻め込みすぐさまブレークバック。「相手の速いペースに対して負けないように、自分もポジションを上げてどんどん前に入っていこうと意識した」。しかし、相手の深くて重い強烈なストロークに打ち負けてしまい、鈴木のボールは思うようにコート内に収まらず。「ポジションを下げず早いタイミングでラリーをしていったことで少し相手のボールに押されミスが多かった」。ゲームカウント1―1から5ゲームを連取され、第1セットを1―6で落としてしまった。
気持ちを切り替え何とか先に主導権を握りたい第2セットだったが、第1セットからの相手の勢いを止めることはできず連続3ゲームを献上。それでも「どんな時でも絶対に最後まで諦めたくはなかった」と鈴木の心はそう簡単には折れない。「何もしないで終わるより何かしようという気持ちで、スピンやスライスなどで何かしら変化をつけることによって、相手を崩してから自分の形に持っていこうと考えていた」。相手の速いテンポに合わせるのではなく自ら緩急を織り交ぜ、鈴木ペースのラリー展開を意識。それが功を奏し、4ゲーム目を見事なボレーからのスマッシュでキープすると、続く5ゲーム目もブレークに成功し2ゲームを連取する。この勢いのまま反撃となるかと思われたがそう簡単にうまくはいかない。その後は1ゲームも取ることができず相手に3ゲームを連取し返され、セカンドセットは2―6で落とし悔しくもストレート負けを喫した。
関東学生選手権(以下、夏関)での準優勝に続き、今回の全日本学生室内選手権(以下、インカレインドア)もベスト4と鈴木のシングルスでの成長は著しい。それでも試合後には「やっと全国の舞台でベスト4まで来られるようになったので、次は全日本学生選手権(インカレ)で優勝したい」とその目はさらなる高みを見つめていた。来年度も鈴木の活躍に期待せずにはいられない。
【女子ダブルス準決勝:吉田・丸山組VS吉本・櫻田しずか組(筑波大)】
連日のファイナルセットにもつれ込むほどの接戦を制し、大学公式戦初の4強入りを果たした吉田・丸山組。迎えた準決勝の相手は全日本大学対抗王座決定試合で今年度のチャンピオンに輝いた強豪・筑波大。「これまでの4戦と変わらず、自分たちらしく、攻めのプレーでやっていこうと話していた」(吉田)。インカレ女王を擁する実力者ペアにも臆することなく、強気で大一番に挑んだ。
第1セットは両者一歩も譲らない拮抗(きっこう)した試合展開に。3―3で迎えた第7ゲーム。「打ち合いだけではなくて、浮いてきたボールに対して2人で前に入って、ドライブボレーやスマッシュで決めることができた」(吉田)。攻めのプレーと巧みな連携でチャンスをモノにし、ブレークに成功。しかし続く吉田のサービスゲームを奪われリードはできず。「競っている中で、少しリードしても一歩離すことができなかったことがファーストセットを取れなかった要因」(丸山)。タイブレークに突入するも流れを掴み切れず、このセットを落としてしまう。
続く第2セットは完全に相手に主導権を握らせてしまう展開に。「ファーストセットを取り切れなかったことで焦りも出たし、相手もさらにギアを上げてきた」(吉田)。鋭いサーブや強打のラリーに対応し切れず、このセットをストレートで落とし敗北を喫した。
今試合が学生最後の出場機会となった吉田は「愛以ちゃん(丸山)と組むのも本当に最初で最後だったので、1試合でも多く一緒に戦いたいという気持ちだった。優勝を逃したのは悔しいけど最後の学生大会で初のベスト4入りだったので嬉しい」と笑顔で振り返った。また「予選から勝ち上がってきて、本当に苦しい戦いが1戦目から続いたけどしっかり勝ち抜いて来れたことは自信になった」(丸山)。惜しくも決勝進出は逃したものの、初の4強入りを果たし、実力を出し切ることができた。今大会が来年度のエースを担う丸山にとって、そして新たな人生を歩む吉田にとっても大きな糧となるに違いない。
今年度最後の大会となった今大会で女子単複4強入りと健闘を見せた硬式庭球部。1年間を振り返ると、最高成績を更新できた選手もいれば、結果が思うように振るわなかった選手もいるだろう。おのおのの課題や目標を再確認し、2024年度もさらなる鍛錬に励む。
[井手満菜、久保田諒]
試合後のコメント
吉田
――ペアを組んだ丸山選手に一言お願いします。
「私も大会に向けて準備はしていたのですが、ベストコンディションではなかったので、そういった部分で(丸山は)精神的にも隣でずっと声かけてくれて、苦しい場面でも絶対1ポイント取ってきてくれる、本当に頼もしすぎる後輩でした。なのでありがとうという気持ちと、あと2年あると思うのでこの経験を生かして、来年度の個人戦やリーグ戦(関東大学1部リーグ戦)で頑張っていってほしいと思います」
鈴木
――インカレインドア全体を振り返っていかがですか。
「私はシングルスで昨年度まではベスト8止まりで、なかなかベスト4の壁を越えることができなかったので、(夏関を)準優勝っていういい形で終えてからインカレインドアには臨めました。やっぱり何度も苦しい場面はあったんですけどたくさん練習はしてきたので、それを自信にしてどんなポイントでもくじけず、ただ前を見て考えてやることができました。振り返ってみるとこうやって全国の舞台でベスト4に残れたっていうのは本当にうれしいです」
――今年度を振り返っていかがですか。
「自分の中で大きく変われたなって思うのがリーグ戦で、それまではいつも通りベスト8で終わったりインカレでもベスト16で負けてしまったりとすごく悔しい思いをしていたんですけど、リーグ戦ではチームのために頑張るっていうことでどこか自分の中でスイッチが入って、S1として今まで勝てなかった相手に勝てるようになりました。その後の西日本大会でも優勝して全日本選手権に出られたり、今年度はすごく自分の中で今まで頑張ってきたことが報われた年だったなと感じています。まさかこんなに勝てると思ってなかったし、自分がやってきたことが本当に全国のレベルでも通用するんだなというのを実感したので自信にもつながって、最後のインカレインドアでもベスト4に残ることができたので、すごく頑張ってきた成果が結果として現れた年だったと思います」
丸山
――今大会を振り返っていかがですか。
「シングルスは負けてしまったのですが、ダブルスでは華菜子さん(吉田)のおかげで試合に出られて、予選から勝ち抜いて来れたことはすごく自信になったなって思います。華菜子さんのおかげでここまで来れたので感謝の気持ちでいっぱいです」
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