女子単複 1組ずつ全国4強入り/全日本学生室内選手権3日目 

2023.12.16

 全日本学生室内選手権(以下、インカレインドア)3日目は各種目の準々決勝が行われ、女子シングルスに鈴木渚左(国際3=野田学園)、女子ダブルスに吉田華菜子(法4=仁愛女子)・丸山愛以(商2=四日市商)組と鈴木・五十嵐唯愛(政経2=四日市商)組が出場。3組ともファイナルセットに及ぶ熱戦を繰り広げ、シングルスの鈴木とダブルスの吉田・丸山組がベスト4に進出した。

 

◆12・13~17 全日本学生室内選手権(有明テニスの森公園・室内コート)

▼12・15

[女子シングルス準々決勝]

鈴木 2{4―6、7―5、10―8}1 齋藤(早大)

 

[女子ダブルス準々決勝]

吉田・丸山組 2{6―3、2―6、10―8}1 星野遥・星野桃組(東京国際大)

 鈴木・五十嵐組 1{6―3、1―6、3―10}2 大橋・中島組(慶大)

 

【女子シングルス準々決勝:鈴木VS齋藤優寧(早大)】

 3時間に及ぶ激闘を制した。齋藤(早大)は関東学生選手権(以下、夏関)の準々決勝にて勝利した相手だが、ファイナルセットまで競り合った強敵である。第1セットでは「(夏関で)ループボールやスライスで崩してからの展開でポイントが取れていたので、それをやろうと思っていた」。しかしループボールは積極的に攻める球ではないため、今回のようなストロークが得意な相手に対してはチャンスを与えてしまう場合がある。第2ゲームでは相手のミスを誘ってブレークしたものの「ミス待ちのテニスになってしまった」。ゲームの流れを握れず、ゲームカウントは1―4に。後半は自ら前に出るプレーに切り替えて4―5まで追い上げたものの、セットを取り切ることはできず。4―6で第1セットを落とした。

 

 第2セットは第1ゲームから2本のサービスエースを決めた。「サーブ練習だけは誰よりもやってきたので、自信が持てた」。第1セットとは打って変わって、好調な立ち上がりを見せる。第2ゲームは7度のジュースに苦しむも、強打を粘り強く返し続け、ゲームカウントは2―0に。勢いそのままに5―1まで差をつける。しかし、準々決勝ともなると一筋縄ではいかない。何度もジュースに持ち込むものの、5―5に追いつかれた。だが、ここで諦めないのが鈴木の強さだ。「相手のいいボールは仕方ないと思って、相手のことを認めるというか、割り切ることで後悔しないプレーをしようと意識した」。気持ちを切り替えて戦況を立て直すと、最後にはネット際でボレーを決め7―5で第2セットをモノにした。

 

 ファイナルセットは10ポイントのタイブレーク。左右に振られるラリーに食らいついて互角の戦いを繰り広げ、カウントは7―7に。ここで鈴木渚のリターンとサーブが2ポイント連続で決まると流れを引き寄せ、10―8で勝利をつかんだ。強敵相手に戦い抜き、ベスト4進出を決めた鈴木渚。女子部新主将として、最後まで決して諦めない姿を見せつけた。

 

【女子ダブルス準々決勝:吉田・丸山組VS星野遥香・星野桃花組(東京国際大)】

 攻めのプレーで初のベスト4進出を勝ち取った。今大会が学生最後の大会となる吉田は、昨年度の同大会や今年8月の全日本学生選手権ではベスト8止まり。インターハイ優勝経験者の丸山も、先月の夏関で準決勝進出を逃すなど大学テニスでは思うような結果を残せずにいた。そんな中「今回は狙えるチャンスがあると思っていた」(吉田)と、今大会、そしてこの準々決勝に懸ける思いは大きかった。

 

 初戦に続き、今年度の関東大学女子リーグ1部2部入替戦で戦った東京国際大が相手となった準々決勝。試合は序盤から激しいラリーの応酬となった。「ラリーが多くなる中で、ちょっと我慢しながら、先に仕掛けていこうというのは話してやっていた」(吉田)。戦略通り、2人はコースの厳しいストロークなどを積極的に繰り出し主導権を握ると、勢いそのまま4ゲームを連取する。「4―0にできたっていうのは、すごい気持ち的にも押せていてスムーズにいけて、華菜子さん(吉田)が前で自由に動けて、自分が後ろでがんがん打っていくっていうプレーができた」(丸山)。続く第5ゲームは相手にキープされるも、直後の第6ゲームでは丸山が4本のサービスエースを決め、ゲームカウントは5-1に。その後も積極的なプレーを貫きゲームカウント6―3で第1セットを先制した。

 

 しかし第2セットでは、相手がネットプレーやポジションチェンジなどの動きを見せる中、なかなか流れをつかむことができなくなる。「相手が変化してきたのに対して、こっちもまたチャレンジやプレーを変えるっていうのができなかったので、そこで相手に一気に流れを持っていかれてしまった」(吉田)。ゲームカウント1―4まで押し込まれると、3ゲーム差を逆転することはできず、相手の勢いのままゲームカウント2―6で勝負はファイナル10ポイントタイブレークに持ち込まれた。最終セット序盤も相手の勢いは止まらない。カウント3―8と大きくリードを許し、マッチポイントに王手を掛けられる。そんな中「相手に9点目を取られてマッチポイントにさせないことだけを意識してやった」(吉田)。目の前のポイントへの執念を見せこのポイントをしのぐと、チェンジコート後の初手で吉田のストレートがさく裂。「華菜子さんがストレートを抜いてからはもう連続でポイントできたので、自分もそこは本当に引かずに、積極的にプレーしていこう、となれた」(丸山)。そこからは集中力をまったく切らすことなく、カウント4-8から驚異の7ポイント連取で見事勝利。ベスト4の壁をついに打ち破った。

 

 「本当にベスト4に入れなかったので、もう優勝したぐらいの勢いで泣いちゃったんですけど、でもそれぐらい本当にうれしかった」(吉田)。今大会の当初の目標である表彰台入りを果たした吉田・丸山組。ここからは全国4強が集う未知の戦いが待っている。それでも「力みすぎず、自分たちのプレーができれば勝てると思うので頑張っていきたい」(丸山)。今年最後の学生大会でどこまで上り詰められるのか。準決勝の戦いにも期待がかかる。

 

(写真:勝利をかみしめる丸山(左)・吉田組)

 3日目を終え、女子が単複で1組ずつベスト4に勝ち残った。明日はついに準決勝。明大女子史上初タイトルとなる日本一に王手を掛けるために、テニスの聖地・有明で勝利を挙げてみせる。

 

[春木花穂、渡辺悠志郎]

 

試合後のコメント 

吉田

――今試合で目標とされていたベスト4入りを果たされましたが、改めていかがですか。

 「いつも優勝、優勝とか言って、やっぱり最初の方で負けちゃったりとかしていたので、目の前の1戦を目標にずっと予選からやってきて、やっと準決勝まで来れたっていうことを自信にして、本当にここまで来たら最後、優勝を狙いたいです。明日の相手も予選からたくさん経験してきていて、なかなかやってくると思うんですけど、自分たちも予選から通してもう4試合しているので、明日も今まで自分たちのやってきたことを信じてやっていきたいなって思います」

 

鈴木(シングルス)

――セカンドセットではサービスエースが目立ちました。

 「私はサーブ練習だけは本当に誰よりもやってきて、そこで自信が持てていたので、今日はもう強気にサーブを絶対引かないで打っていけたので、それが良かったと思います」

 

――準決勝に向けて意気込みをお願いします。

 「何回もやってきている相手で、強いことも十分に知っているので自分のプレーをしながら、今日みたいに引かないでどんどん前に入って攻撃できるようにしていきたいです」

 

五十嵐

――ダブルスの試合を振り返っていかがですか。

 「ファーストセットは練習していた形が出せたし、自分たちが練習してきて得意としている形は、他のペアが多くやるプレーではないので、相手も対応できていなくて、ポイントが取れていたんですけど、相手も強いのでそれに対応してきて、その時に自分たちのミスが増えたり、相手の方が積極的にプレーに出たところが敗因かなと思っています。セカンドセットとファイナルセットは、相手がやりたいプレーをして、そのプレーに対して自分たちのやりたいプレーができなかったので、そこが相手との違いかなと感じました」

 

――今回発見した課題や今後強化していきたいポイントはありますか。

 「Iフォーメーションはやはりファーストサーブじゃないとやらないので、ファーストサーブが大事だなって思ったのと、そのファーストサーブを入れにいくにあたって、確率重視で打っていたんですけど、その中でも精度をもっと上げないと打ち込まれたりすることもあると思ったので、サーブの精度を上げたいなと思いました」

 

丸山

――勝利されて、今の気持ちはいかがですか。

 「率直にやっぱりうれしくて、ベスト4で表彰台に上がるっていうのも学生大会で初めてだったんで、そこはすごくうれしい気持ちでいっぱいです」