
宿敵・早大を圧倒 選手権に向け弾みをつける/練習試合
関東大学対抗戦(以下、対抗戦)を終え、今年度の残り試合数もわずかとなった中、対抗戦に引き続き4年生主体の早大との負けられない一戦が幕を上げた。
◆12・10 練習試合(早大上井草グラウンド)
▼対早大戦
○明大40{21―12、19―0}12早大
最初の得点は前半2分、ナンバーエイト石浦大貴(政経4=報徳学園)が力強いグラウンディングで決めた。コンバージョンキックも決まり幸先のいいスタートかに思われたが、その後はお互いに譲らない攻防が続く。1トライを取り返された明大は、何度もセットプレーからチャンスをうかがうが大事なところでミスが重なり、なかなか得点につなげることができず。「前半は思うようなスクラムを組むことができなかった」(左フランカー柳田治久・法4=明大中野)。均衡が破れたのは28分。早大のラインアウトミスからだった。ボールを奪うと、右サイドから右ウイング西川賢哉(政経4=桐蔭学園)が抜け出しディフェンスを寄せ付けることなくトライ。「強みである力強いランが生かせてよかった」(西川)。勢いに乗った明大は34分、敵陣10メートルライン付近からの明大ボールラインアウトの場面でフランカ―2人が活躍を見せる。ラインアウトから右サイドに抜けると、右フランカー住吉一晟(文4=国学院久我山)がブレークダウンの攻防に競り勝ち柳田に繋ぐ。そのまま柳田が真ん中を走り抜けトライラインを割った。FW、BKともに活躍を見せながらもミスが目立った前半。21-12と、リードは守るも気の抜けない点差で試合は折り返しを迎えた。
前半とは異なり、後半は明大にポゼッションが傾くゲームとなった。後半7分、右サイドへの際どいタッチキックを決めると、ラインアウトからモールで押し切り左プロップ伊藤潤乃助(文2=常翔学園)がトライを挙げ後半初得点。「ラインアウトがあまり得意ではなかったが、最後に成長を見せることができた」(尾白大吉・営4=近大和歌山)。30分には敵陣22メートルラインからの明大ボールスクラムから得点が生まれた。明大の強みであるFW陣のフィジカルが早大を圧倒。スクラムで相手を崩すと、相手のディフェンスに隙が生まれ金昂平(政経3=大阪朝鮮)が相手に捕まることなく独走トライに成功した。「尾白がリードしてくれて後半はいいスクラムを組むことができた」(柳田)。36分には早大ボールをインターセプトし、山村和也(商2=報徳学園)が抜け出して得点を挙げるなど、リザーブの活躍も多く見られた。前半からの修正が首尾よく運んだ後半は攻守ともにミスが減り、相手を無得点に抑え後半スコア19-0、最終スコア40-12で試合はノーサイドとなった。
対抗戦の勢いそのままに大差で勝利を挙げた今試合は、多くの4年生にとって引退試合となった。しかし選手たちはまだ紫紺ジャージーに腕を通すことを諦めてはいない。彼らの熱い闘志がチームをより奮い立たせ、今後に控える全国大学選手権での明大の躍進をさらに確固たるものにしてくれるだろう。厳しい闘いが今後も続くが、笑顔で最後を飾れるよう、チーム明大は全員で前へ突き進む。
[成田美彩子]
試合後のコメント
柳田
――早大相手の4年生が中心となった試合でしたが、今の思いを教えてください。
「絶対に負けられないっていうことと、ここで終わりではなくこの試合でプレーを見せて紫紺ジャージを狙っていく姿勢をチームに見せていけたと思います」
住吉
――ゲームキャプテンとして意識していたことを教えてください。
「苦しい時間帯になった時に、4年間やってきたことをどれだけしっかり出し切れるかが大事だったと思うので、そこを意識していました」
――最終スコアを振り返ってみていかがですか。
「感触としてはあまり圧勝という感覚はなくて、前半自分たちのミスで食い込まれてしまう場面が多かったので、結果的には差がついたんですけどそういった部分を今後下級生に伝えていきたいと思いました」
スクラムハーフ大越勇気(営4=茗渓学園)
――試合のゲームメイクの部分をどのように考えていましたか。
「簡単にいく相手ではないと分かっていたので明治のやりたいことを出すということと、4年間しっかりやってきたことをまず出すことにフォーカスしました。入りは良かったんですけど相手のアタックもこっちをよく見ていてディフェンスもコミュニケーション不足で悪かった部分もあったんですけど、後半はしっかり立て直してスペースをつくれたかなと思っています」
西川
――今シーズンずっと紫紺に絡んできた中、最近はB戦が続いていますがどのような心境ですか。
「立大戦でケガをしてしまってそこから調子が上がらなかったり、同じポジションの他の選手の調子が良くて戻れなくなってしまったんですけど、もちろん戻れるように頑張りますし、BならBでやることをきっちりやって貢献したいと思います」
尾白
――明大という厳しい環境での4年間を経て、最後の試合はどのような気持ちで挑みましたか。
「今でも最後の試合という感じはしないんですけど、僕は下のチームからチームを支えていかないといけないので。ここから選手権が始まりますけどAチームに対してどんどんプレッシャーを与えていこうと思います」
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