
プロチーム相手に大健闘 インカレに向けて実りある戦いに/全日本選手権
大学から社会人、そしてアジアリーグで戦うプロチームが一堂に会し行われる全日本選手権(以下、全日本)。初戦を危なげなく勝ち抜いた明大は、現時点でアジアリーグ2位の強豪・レッドイーグルス北海道と対戦した。下剋上を狙う明大だったが、結果は0ー6で完敗。それでも12月25日から始まる全日本学生氷上選手権(以下、インカレ)に向け、多くの収穫を得た戦いとなった。
◆12・7~10 全日本選手権(KOSÉ 新横浜スケートセンター他)
▼対レッドイーグルス北海道戦(KOSÉ 新横浜スケートセンター)
明大{0―1、0―3、0―2}6レッドイーグルス北海道〇
上見ぬ鷲はやはり強かった。第2戦の相手はおととし、明大で主将を務めた青山大基(令4法卒)が所属するレッドイーグルス北海道。「運動量が豊富で個人のスキルも光っている。特徴はスペシャルプレー(パワープレーや6人攻撃など)と魅せるホッケー」(青山)。日本代表を多く輩出し、プロの中でもトップレベルと評される格上のチームだ。それでも「胸を借りる気持ちではなく勝ちにいった」(GK中村柊志綺・政経4=北海道清水)と明大は臆することなく戦いに挑む。試合は第1Pから相手に攻め込まれるも全員で耐え凌ぎ、数少ない得点のチャンスをうかがう。しかし、キルプレーの間に1点を決められると続く第2Pでも立て続けに2失点。何とか流れを引き寄せ、得点を決めたい明大は第2P残り3分。ペナルティーから復帰したFW井口藍仁(商2=埼玉栄)にタイミングよくパスが通り、キーパーと1対1の展開に。シュートを打つ直前で、相手にスティックで妨害を受けたことでPS(ペナルティーショット)を獲得した。この試合最大の好機だったが「相手のゴールキーパーが大きく、空きがなく少し迷ってしまった」(井口)と惜しくも得点にはつながらず。その後も相手に点差を付けられ、無念の完封負けを喫した。
「あれだけシュートを打たれ、チャンスをつくられた中で6失点だったことは柊志綺のおかげ」(FW丸山詳真主将・商4=北海道清水)。1試合を通して明大のシュート数は19本だったのに対し相手は55本。それでも中村は相手チームのファンも思わずうなるほどの好セーブを連発し、何度もチームを救った。「大学生よりレベルの高いプロのシュートを受けられたことは自信になる」(中村)。紫紺の守護神はインカレに向け、さらなる進化を遂げた。また「相手はプレッシャーが速く、サポートもすごい参考になる部分が多かった。少しでも自分たちのものにしてあの分厚い攻撃ができるように練習したい」(丸山)。勝敗以上にプロチームと対戦した経験は明大にとって大きな財産となった。
次戦はいよいよ4年生にとって最後の大舞台・インカレ。OBとして明大に立ちはだかった青山は「今の明大はキーパーも含め攻守ともすごくレベルの高いホッケーをしていた。この勢いに乗ればインカレも絶対優勝できる」と後輩たちに熱いエールを送る。泣いても笑っても残す大会はあと一つ。「本当にこの試合で引退になってしまうので悔いを残さないこと、そして何よりもまずは楽しんでいきたい」(丸山)。津軽の地で紫紺が再び大学日本一に輝くその瞬間に今から期待が高まる。
[原田青空]
試合後のコメント
丸山
――今日の試合を振り返りをお願いします。
「格上のチームなので普段のプレーがなかなかできないと思っていました。その中で自分たちの持ち味であるスピードだったり、パスをつなげるところがどれだけできるかをチャレンジするいい機会だと臨みました」
――インカレに向けて意気込みをお願いします。
「簡単にはいかない部分もあると思います。ですが、そういった場面でチームが苦しい時に4年生として主将として雰囲気をつくって試合に入っていったり、 自分たちの流れに持っていくところを自分たち4年生が引っ張っていくべきだと思います。後輩たちにそういった姿を見せられるようにしたいです」
中村
――プロのシュートは違いましたか。
「シュートの質、速さだったり、明確な意図を持ったシュートコントロールが結構あったので、やはりレベルの高さを感じました」
――成澤優太選手(レッドイーグルス北海道)と交流はあるのでしょうか。
「以前から知り合いで連絡をとって練習方法を教えてもらったりしていました。自分の師匠みたいな存在です」
井口
――レッドイーグルス北海道と実際に対戦してみていかがでしたか。
「やはりフィジカルが違いました。そこは一番大きく感じていて、あとは守りが徹底してるという風に感じました」
――インカレに向けて意気込みをお願いします。
「まず得点を決めれるようなチームにしていきたいと思います。今回の第1Pみたいなプレーを最後まで続けられるようにしたいで」
青山
――現役の時と変わったもしくは受け継がれていると思った部分はありますか。
「個のスキルが高く、パスホッケーできれいにつないで最後はシュートをしっかり打つ。そのようなゴール前に詰めていくという部分はすごい昔と変わらないといいますか、僕がいた時よりすごい上手だと思いました」
――明大に足りなかったところはどこでしょうか。
「数的優位を作ったり、個人のスキルがもちろん高いのでそこを伸ばしたり、泥臭いプレーも今後は絶対必要になってくると思います。インカレにも必要なので、そこをもっと強化してプレーしてくれれば絶対に結果は出ると思います」
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