
(男子)菊地がSP首位発進 松井が2位につける/都民体育大会
◆12・2~3 都民体育大会(ダイドードリンコアイスアリーナ)
国民スポーツ大会冬季大会(以下、国体)の選考を兼ね行われた今大会。大会初日に行われたシニア男子SP(ショートプログラム)には明大から松井努夢(政経4=関西)と菊地竜生(政経1=目黒日大)が出場した。SPの結果は菊地が1位、松井が2位につける好成績となった。
「優勝と国体への出場への切符を勝ち取る気持ちで」臨んだという菊地は集中した表情でリンクに登場した。『進撃の巨人』に乗せ、リンクを大きく舞う。「全日本ジュニア(全日本ジュニア選手権)が終わってからはスピードを出してジャンプやスケーティングをする練習をしていた」と、より躍動感に満ちた演技を披露した。速いスピードのまま跳び上がったトリプルアクセルは「やや詰まってしまった」ものの堪えた着氷を見せる。しかし二つ目のルッツは「6分間練習の時にコーチにタイミングが少し早いと言われ修正を試みたがうまくできなかった」。悔しさも残る演技だったが、シニア男子の枠で出場した今大会のSPは首位発進を決めた。全日本ジュニア選手権のFS(フリースケーティング)では4回転サルコーで失敗し悔しさを見せていた。そのリベンジを果たすべく明日のFSに臨む。
(写真:SPで2位につけた松井)
約1カ月前、東日本選手権(以下、東日本)では全日本選手権への出場権を手にすることができず悔しい結果に終わった松井。自身の中で大きな目標としていた東日本が終わり1週間ほどは「今までのことを振り返ったりして感傷に浸っていた」という。しかし、最後の競技会となる今大会に向けて気持ちを切り替えた。「あまり緊張はしなかった」という言葉通り、動き出しから自然な動きを見せる。しなやかな滑りで最初の3回転サルコーと2回転トーループの連続ジャンプを成功させるも、続く3回転トーループでは着氷時に転倒してしまった。その後はミスを引きずることなく、最後のダブルアクセルは余裕をもって成功させた。プログラム終盤ジャッジの前で美しいイナバウアーを披露したが「フライングキャメルスピンが終わった後(曲に)遅れていたので慌ててイナバウアーに入った」と演技中はかなり焦っていたことも明かした。
ラストシーズンの松井にとって、翌日のFSがいよいよ最後になる。そんな〝最後〟の競技会に抱く思いはやはり別格だ。「明日のFSでも全力で楽しんで滑りたい」。4分間を存分にかみ締め、松井自身が満足する演技で終えられることを願う。
シーズン真っただ中、選手たちは試合を重ねるごとに確実に成長を遂げている。菊地はこれまでの試合での悔しさをバネにFSに臨む。首位の座を維持できるかどうか、大きな期待がかかる。そして松井は悔いのない演技と、順位を落とさず表彰台に上ることができるか。明大2人の活躍から目が離せない。
[新村百華]
試合後のコメント
菊地
――スピンはスピードがあり迫力がありましたが、いかがでしたか。
「全日本ジュニア(全日本ジュニア選手権)が終わってから一番力を入れて練習してきたので練習の成果を出せたと思います」
――FSに向けて意気込みをお願いします。
「スピード感を意識しつつ、ジャンプもしっかり安定した着氷をしていきたいと思います」
松井
――東日本が終わってからどのような気持ちでしたか。
「1週間ぐらいはいろいろなことを考えていましたが、少し気持ちも切り替わって『ラストだ』という感じもなく、普通にいつも通りの練習でやっていることを出せたらなと思って。そんなにネガティブにもならず、ある程度ポジティブに練習できていました」
――ご両親が見に来てくれたことについてはいかがですか。
「少し恥ずかしい。うれしいけれど照れがあります(笑)。(今日のために岡山から来てくださったのですか)上京してきてから昨年のアイスダンスの全日本選手権しか僕の演技を生で見ていないので、最後の大会は見に来てくれました」
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