
戸上隼輔 最後のパリ五輪選考会で張本下しV/全農CUP大阪大会 第6回パリ五輪日本代表選考会
最後のパリ五輪代表選考会。戸上隼輔(政経4=野田学園)は準決勝を勝ち切ると、決勝では張本智和(智和企画)と対戦した。序盤は苦戦するも、最後は突き放して見事優勝を手にし、シングルスでのパリ五輪代表入りをほぼ確実とした。
◆11・25~26 全農CUP大阪大会 第6回パリ五輪日本代表選考会(Asueアリーナ大阪)
◆2日目
▼男子シングルス
戸上――優勝
準決勝に勝ち進んだ戸上は、明大OB・有延大夢(平29商卒・現琉球アスティーダ)と対戦。強烈なフォアハンドもさく裂し、主導権を渡さず。3ゲームを連取し、第4ゲームへ。このまま勝利かと思われたが、先制点を奪われるとなかなか追いすがれない。一時は5点差まで広がるなど苦戦を強いられる。6―10でゲームポイントを握られたものの、ここから戸上が強さを発揮。一気に4連続で得点を重ね、ジュースに持ち込む。一進一退の攻防を制し、最後は15―13で勝利。決勝へと駒を進めた。
決勝の相手はこれまで幾度となく激戦を交わしてきた張本。まさに日本の〝頂上決戦〟だった。第1ゲームは張本の勢いに押され、3―11で先取されてしまう展開に。第2ゲームでも張本にのまれそうになる中、応援が背中を押したのだろうか。1―6という5点差から4連続得点、さらには5―7から5連続得点と圧巻のプレーを見せ、大逆転から試合を振り出しに戻す。第3ゲームでも勢いは止まらなかった。左右への振り分けで相手を翻弄(ほんろう)し2―1と勝ち越すと、続く第4ゲームでは、張本の猛追も振り切り3―1。最後は強烈なバックハンドが張本の卓上に吸い込まれ、勝利。「不安があっても自分のプレーを貫き通すことができた」。優勝が決まった瞬間、張りつめていた顔も緩み笑顔がはじけた。
思えば苦しい選考レースだった。全日本選手権優勝の直後、第1回パリ五輪代表選考会でまさかのベスト16。「オリンピックに出場するのは過酷だなと痛感した」。さらには第5回パリ五輪代表選考会には「声も出せないぐらいだった」と語るほどの体調不良に見舞われる。そんな中でも「自分の技術だったり卓球の幅が広がっていった」と成長を実感してきた。最後の選考会で優勝を飾り、選考ポイントでの上位2枠入りをほぼ確実とした戸上。パリへの道筋は、明るい。
[新谷歩美]
※試合後のコメントは別記事で掲載いたします。
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