
風に苦戦した4日間 470級13位に/全日本学生選手権
今年度は福岡県で開催された全日本学生選手権(以下、全日本インカレ)。4日間で11レースが予定されていたものの、微風の影響で4レースのみ実施された。明大勢は470級のみが出場したが、本拠地・葉山と大きく異なる海面に苦戦し、24校中13位に終わった。
◆11・2~5 第88回全日本学生選手権(福岡市ヨットハーバー)
▼470級――13位
11月とは思えぬ気温の中、福岡県小戸で開催された全日本インカレ。「冬型の気圧配置で、ずっと北風が強く吹いてくる気象を想像していたが、いざ大会が始まると全く違う展開になった」(成田博陽主将・政経4=明大明治)。ヨットは風や波など自然条件によって大きく左右されるスポーツ。慣れない福岡の海面で、事前の想定と異なる微風コンディションとなり、1日目は3艇とも大きく後れを取る結果に。1日目2レースを消化した時点で、20位と苦しいスタートとなった。
3日目までは1日に3レースずつが予定されていた今大会。しかし、微風の影響で2日目は1レース、3日目は途中でのレース打ち切りもありノーレースに終わった。計3レースを消化して16位で迎えた大会最終日。8時30分に出航するも、12時頃までは微風に悩まされ、レースが実施できない状況が続く。だが、12時30分頃、ようやく安定した風が吹き始め、今大会の最終レースとなる第4レースが実施された。このレースで、明大の一番艇の服部友賀(法3=津工)・豊満陸(政経3=大垣東)組が勝負に出る。「今日はもう失うものが何もなかったので、スタートでフライングを取られてもいいくらいの気持ちでスタートした」(服部友)。前日までの課題だったスタートを成功させると、作戦通りのコースを引くことができ、序盤から好順位につける。勢いそのままに7位でフィニッシュし、明大の順位を大きく引き上げた。
今大会を持って今年度のヨット部の大会が終わり、4年生が引退した。「大学最後のレースだったので、やはりいい景色を見たかったというのは正直自分の中ではあって、結構悔しい」(成田)。6位以内の入賞を目標にしていた中、13位で今大会を終え、悔しさの残る大会となった。
来年度の全日本インカレの舞台は、地元・江の島。「僕たちが普段練習している海面でのレースなので、もう言い訳も何もできない。絶対優勝するという気持ちで、これから1年間練習していきたい」(服部友)。小戸で味わった悔しさを、来年度江の島で晴らすために。明大ヨット部復権に向けて、新たな戦いが始まる。
[佐野悠太]
試合後のコメント
成田
――今大会に向けてどのような対策をしてきましたか。
「何をすれば勝てるのかを考えて、自分はコースというのが一番大きいのかなと思いました。1カ月間しかないですし、そこでヨットの実力がつくわけではないですが、知識ならつけられるんじゃないかと思って、どういうコースを引けば勝てるのかを結構ずっと研究してきました」
――順位についてはどのように受け止めていますか。
「自分たちの中では、やはり納得がいかない部分ではあります。最後でしたし、1レースでもいいから10位以内で帰ってきたいなと思ってはいたんですけど、実力不足なのかなと思いますし、自分の知識不足でもありますし、もうちょっと早めに焦っておけばよかったなという風に思います」
石塚春菜(法4=磯辺)
――今年1年間を振り返っていかがでしたか。
「初めてリーダーという立ち位置になって、自分の不慣れな部分を470チーム全員で補ってくれたので、そこに関しては成田が目指していた『一丸』というのをすごく感じましたし、すごくいいチームだなというのは感じました」
――後輩に向けてメッセージをお願いします。
「やっぱりヨットって乗った分だけうまくなると思っています。みんながヨットに乗る時間を増やせるような環境づくりをすることが成果につながると思うので、そういうチームを作ってほしいです」
服部友
――福岡県小戸の風はいかがでしたか。
「結構湾は陸に囲まれていて、陸から入ってくる風が多くて、風の振れだったり強弱だったりが激しくて、結構難しいなというところがありました。今練習している葉山と違って、(陸に)すごく囲まれていて、難しいなという印象がありました」
豊満
――7位でフィニッシュした第4レースを振り返っていかがでしたか。
「スタートがここ数日間の課題だったんですけど、スタートが出られて、結構ずっと景色も良く走れたのかなと思っています。モチベーションとしては、ペアとしての最後のレースになるのかなと思ったので、悔いのないようにやろうと思っていました」
安藤彩葵(商4=塩釜)
――今大会を振り返っていかがでしたか。
「微風コンディションで結構海面も難しかったんですけど、それにうまく適応できなかったのが一番良くなかったと思っています。自分たちは結構軽風に自信があったんですけど、そこを乗りこなせなかったのが悔しいポイントです」
――今大会が大学最後のレースとなりました。
「本当に振り返ってみてあっという間で、締まりは正直良くなかったんですけど、これまで4年間を振り返ってやれることはやってきたし、最後まで楽しめたかなと思います」
堤祐人(政経3=明大明治)
――来年度に向けて意気込みをお願いします。
「全国の壁はやはり高いので、その全国の中でも関東の上位層はやはり食い込んでくるんで、まずはそこに関東で勝つというのを目標にしてやっていきたいと思います。来年度は江の島、ホームでの全日本インカレなので、自分たちの海域でしっかり結果を出していければなと思います」
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