(女子)江川2位、本田5位で全日本出場へ/東日本選手権

 4日、女子FS(フリースケーティング)が行われ、江川マリア(政経2=香椎)が総合2位、本田真凜(政経4=青森山田)が総合5位、元榮愛子(商1=目黒日大)が総合15位、堀見華那(商3=愛知みずほ大瑞穂)が総合16位につけた。上位5人が全日本選手権(以下、全日本)への出場権を獲得し、明大女子からは今大会の結果で江川と本田の全日本出場が決まった。

 

◆11・3~5 東日本選手権(テクノルアイスパーク八戸)


 

(写真:総合2位の江川)


 SP(ショートプログラム)2位発進の江川。冒頭の3回転ルッツは着氷後に乱れたものの、その後は単独の3回転ジャンプを決めていく。頭上で腕をユニークに動かす振り付けも、江川自らが音を鳴らしているかのように調和する。幅のあるダブルアクセルからの連続ジャンプも大きなミスなく着氷。しかし後半、再度3回転ルッツを跳ぶも転倒。続くサルコウにも響き2回転となった。「すごく自信を持って挑んだつもりだったけれど、特に後半で乱れてしまって思うような演技にならなかったのですごく悔しい演技になった」。本番で力を出し切ることの難しさを感じつつ、自信がついてきていることも確かなようだ。シーズン序盤にはルッツの跳び方の調整なども行い「ジャンプの安定感」を目標に掲げていた。全日本の本番を見据え、成功率や質の高いジャンプを目指す。


 (写真:総合5位の本田)


 胸に手を当てスタート位置に着いた本田。曲がかかった瞬間から、妖艶な姿で氷上を舞う。序盤はジャンプを危なげなく決め、続く3回転サルコウも耐えながらも着氷させる。イナバウアーではその美しさに拍手が起こった。後半ではジャンプでのミスも出たものの『リトル・マーメイド』の『Part of Your World』を壮大に、終盤では繊細に表現し切った。「もうベテランと言っていいほどスケート生活は長いので、試合の持っていき方、ここぞというときに『自分はできるんだ』という強い気持ちを持ち続けて挑めたと思う」。総合5位につけ、全日本の切符をつかみ取った。


 (写真:総合15位の元榮)


 元榮は、靴が合わない状況にある中で本領を発揮できず、前半3本のジャンプで転倒や乱れが見られた。後半4本は2回転ジャンプで挑み、全て着氷させる。『ブラックスワン』の壮大な世界観の中で、速さの落ちないスピンでは観客からの拍手に包まれた。「シーズンの一番山となるような大きな大会だったのに、春の大会に逆戻りしてしまった感じで、もう少し成長できるようにまた頑張りたい」と、今大会での悔しさをバネに今後の練習や実践に取り組んでいく。

 

(写真:総合16位の堀見)

 「自分のイメージしていたものがそのまま体が動いてくれて、練習したものを発揮することができて良かった」と、堀見の中で充実した演技となった。冒頭からジャンプを確実に決め、2本目のダブルループも着氷させる。続いて跳んだ3回転ループにはしっかりとダブルトーループを付けた。集中した表情で演技を続け、3回転のジャンプを2本きれいに着氷させる。3連続でのジャンプを予定していた6本目はルッツの回転が抜けてしまったが、最後にダブルアクセルを降りジャンプでのミスを最小限に抑えた。クライマックスに向け、次第に盛り上がる『ラ・ラ・ランド』に堀見の笑顔が光る。自身で見どころと話していたステップシークエンスでは、会場の手拍子に乗り目いっぱいに踊り切った。体力面を考慮し、3回転のジャンプを前半で成功させ確実に点数を取るよう、ブロック大会後に構成を変えて臨んだFS。功を奏しSP21位から追い上げ、総合16位で今大会を終えた。

 

 東日本選手権を終えて表れた「うれしい」や「すごく悔しい」という気持ちは、選手たちのこれまでの練習や努力があったからこその言葉だった。明大勢は次なる大会に照準を合わせ、気持ちをバネに練習を積み重ねていく。自身が目指す演技に向け、歩みを止めず突き進む。

 

[守屋沙弥香]

 

試合後のコメント

江川

――FSの演技を振り返ってみていかがですか。

 「今日の演技は自分の中では練習よりも結構調子も良くて、ジャンプもしっかりはまっていたので、すごく自信を持って挑んだつもりだったのですが、特に後半で乱れてしまって、思うような演技にはならなかったので、すごく悔しい演技になりました。」

 

――(昨年の)全日本で悔しい思いをしたという話はこれまでもずっとされてきたと思いますが、今年の全日本はどのように臨みたいですか。

 「今年は昨年から成長した部分もたくさんあると思いますし、今回の東日本はすごく悔しい演技になってしまったのですが自信はついてきているなとは感じているので、あとはしっかり全日本の舞台で実力を発揮するだけかなと思っています。」

 

本田

――緊張する試合ということでこれまでにないくらい練習もたくさん重ねてきたとSPの後におっしゃっていたかと思うのですが、そのモチベーションは、どういうところにありますか。

 「正直、ブロック大会のSPの後は本当に気持ちが今にも折れてしまいそうなくらいだったのですが、今日のこの『うれしいです』というインタビューを受ける日を想像しながら、とりあえず自分ができるところまで精いっぱい頑張ろうという気持ちでやってきました。また、もうベテランと言っていいほどスケート生活は長いので、 試合への持っていき方やここぞという時に自分はできるのだという強い気持ちを持ち続けて挑めたと思います」

 

――全日本への意気込みをお願いします。

 「今日のように点数を何点以上と考えての緊張はないと思うので、しっかり頑張ってまた強い自分を皆さんにお見せできるようにしていきたいなと思います」

 

元榮

――今日の演技を振り返ってみていかがでしたか。

 「もう本当にボロボロでした」

 

――その理由を教えてください。

 「SPでも同じようなことを言ったかもしれませんが、最近ずっと調子が悪くて靴も合わない感じで、それが出てしまったかなと思います。でもこちらのリンクに来て、少しは跳べるようになってきたりしていて、それを出したかったのですごく悔しかったです。普段からもう少し頑張りたいです。練習がしっかりできていないと、不安になってしまうのかなと思いました」

 

――次戦にはどのように臨みたいですか。

 「年内に都民大会(都民体育大会)があってそれがおそらく今シーズンの最後になります。東日本は今シーズンの一番の山場で大きな大会だったのに、春の大会に逆戻りしてしまった感じで、全く成長できていないというか逆離れさえしてしまったのでもう少し成長できるようにまた頑張りたいなと思います」

 

堀見

――予定構成通りのプログラムでしたか。

 「サルコウにトーループをつける予定ではなかったのですが、サルコウが跳べて、気付いたらダブルトーループを付けていました。最後のシングルルッツになってしまったところが本当は3連続の予定で、跳ぶ前にコンビネーションをたくさんやってしまった気がするという変な考えになって、跳び過ぎとかを考えていたら訳が分からなくなってしまって、コンビネーションを跳び過ぎてしまったので予定構成とは少し違う感じになりました」

 

――この東日本にはどのような目標を持って臨んでいたかを教えてください。

 「目標はFSでノーミスをすることでしたがそれはあまりうまくいかなかったです。でもFSでは結構ジャンプも思うように跳べたのもいくつかあって、試合に挑むイメージとかそういう部分では今後につながるいいFSができたかなという風に思います」