(女子)全日本出場へ向け SP江川2位、本田4位/東日本選手権

  全日本選手権(以下、全日本)への出場権が懸かる東日本選手権(以下、東日本)に明大女子からは4人が出場。江川マリア(政経2=香椎)が2位、本田真凜(政経4=青森山田)が4位、元榮愛子(商1=目黒日大)が9位、堀見華那(商3=愛知みずほ大瑞穂)が21位でSP(ショートプログラム)を終えた。

 

◆11・3〜5 東日本選手権(テクノルアイスパーク八戸)

 昨年の東日本で優勝を果たした江川。ジャンプの入りを変えるなどブラッシュアップした『River Flows In You』を披露。ピアノを基調とした柔らかい音楽に合わせ、流れるように冒頭のトリプルルッツを決める。すると続くダブルアクセルも着氷させた。曲調を生かす滑らかな腕の動きとスケーティングで観客を魅了。連続ジャンプの一つ目が2回転になってしまったものの、二つ目にトリプルトーループを跳び見事に成功。「ファーストで失敗してしまった後に、その一瞬でこの感じはいけると思ったので跳びにいった」。演技終盤のスピンでは、GOE1.03の加点が付くなど最後まで優美に踊り切った江川。SP2位につけながらも「先週から少しミスしてしまったという不安要素があった。それが本番に出てしまった」と悔しさをにじませた。

 

(写真:優雅に氷上を舞う本田)

 東京選手権よりも少し構成を上げたという本田。多くの歓声に包まれての登場となり「お客さんに楽しんでもらえるようにと考えて滑れた」。冒頭の連続ジャンプを華麗に決めると、2本目のダブルアクセルも成功させる。「ミスしないくらいまで、ジャンプの成功率が上がっていた」。しかし「最後のジャンプの前に緊張して、手をついてしまった」。演技終盤『Faded』の曲に合わせて自然と手拍子も起こり、優雅にリンクを舞った本田。SP4位につけ「SPが終わった時点で5人に入れる位置にいるということが自分にとっては大事。明日も大好きなプログラムなので楽しく滑りたい」と全日本出場に向け、FS(フリースケーティング)へ意気込みを話した。

(写真:華麗なスピンを見せた元榮) 

 『ピアノ協奏曲第2番』の曲に合わせ全身を大きく使ってリンクを舞った元榮。冒頭の連続ジャンプを危なげなく着氷させる。2本目のルッツで失敗してしまったものの「最近全然(ジャンプを)跳べていなかったが、調子の悪い中ではまとめた方かなと思う。サルコウとアクセルを締められたのは良かった」と演技後に振り返った。抜群の安定感があるスピンでは全てに加点が付く出来を披露。拍手が起こるなど観客も元榮を盛り上げ、ダイナミックに滑り切った。SP9位につけFSに挑む。

 

(写真:軽快な滑りを見せた堀見)

 「(ジャンプの)調子が良かったからこそ力んでしまった。気持ちが前にいきすぎた」と振り返った堀見。明るい曲調の『The Lady is a tramp』に合わせ、軽快なスケーティングを見せる。冒頭と3本目のジャンプで乱れてしまったものの「2本目のダブルアクセルは今までの中でもいいものが跳べた」ときれいに着氷し、調子の良さがうかがえた。終始上半身を大きく使う表現力でSP21位につけた。

 

 東日本で全日本出場権を得られるのはわずか上位5人。例年と比べ少ない枠の中で、熾烈(しれつ)な争いが繰り広げられている。誰が全日本への切符をつかみ取るのか。好発進を切った明大勢のFSに目が離せない。

 

[堀口心遥]

 

試合後のコメント

江川

――演技を振り返ってみていかがですか。

 「本当に悔しい演技なのですが、先週から少しミスをしてしまったという不安要素があったので、それが本番に出てしまったかなという風に思っています」

 

――ダブルトーループになってしまったところはどのような気持ちでトリプルを付けたのですか。 

 「練習ではあまりあの失敗の仕方はしないので、とっさに付けたという感じです。自分でもよく冷静に付けたなという感じはありますね」

 

本田

――4年生で、ブロックや東日本などに来ていると思われますが、全日本選手権(以下、全日本)に向けた歩みの中でいつもと違う感じなど感覚が違うところはありますか。

 「今まで小学校4年生の野辺山合宿の時から一緒にやってきた選手とか、もしかしたら今日や明日で現役という部分で、一緒にやっていけるのは最後なのではないかとか、そういう話もするような年齢になっていて。今まで兄の世代などが引退する時には、あまり自分自身に実感はなかったのですが、今大会は特にそういう気持ちは強いです。その分、今までやってきたところを出し切れるように、緊張以上に楽しく、後悔のないように思い切り、全て失敗しても、良かったと思えるような演技をしようと思っていました」

 

――全日本出場の枠は5人というなかなか厳選された中で、FSに対して一番大事にしたい気持ちはありますか。

 「まずはSPが終わった時点で、5人に入れる位置にいるということがすごく自分にとって大事かなと思います。FSの方がSPより自信を持っています。例年に比べて5人というのはすごく少ないかなとは思いますが、自分の力を発揮できれば絶対にいけると思うので、FSも大好きなプログラムなので楽しく滑りたいなと思います」

 

元榮

――演技を振り返ってみていかがですか

 「最近あまり跳べていなかったのですが、ルッツはパンクしてしまったけれど調子が悪い中ではまとめた方かなと思っています」

 

――スケーティングやスピンに関してはいかがでしたか。

 「スケーティングは少しガタガタしていたけれど、最後のスピンとかは結構よくできた方かなと思っています」

 

堀見

――どのような気持ちで今日を迎えたか教えてください。

 「今日はとにかく自信を持って楽しんでやろうという気持ちで挑んだのですが、どこかに『跳びたい』とか『ノーミスしたいな』という気持ちがあって、そのような欲を出さずに行きたかったのですが、それが出てしまったかなという感じです」

 

――FSに向けて意気込みや見てほしいところを教えてください。

 「本当に自信を持ってやるだけなので、あまりノーミスなどは思わずに無欲に楽しんで、最後のステップまで諦めずにやりたいです。最後のステップが盛り上がるので、そこを注目して見ていただきたいです」