宮川が準優勝 見せた4年間の成長の証/全日本大学総合選手権・個人の部

2023.10.31

 大会最終日を迎えた全日本大学総合選手権・個人の部(以下、全日学)。前日にベスト16入りを果たした宮川昌大(情コミ4=野田学園)、手塚崚馬(政経3=明徳義塾)、山本歩(商3=出雲北稜)がそれぞれ5回戦に挑むも、手塚と山本は敗戦。宮川は勝利を収め、そのまま決勝まで勝ち進んだが1―4で敗れて、優勝にはあと一歩届かなかった。

 

◆10・26~28 全日本大学総合選手権・個人の部(いしかわ総合スポーツセンター)

▼男子シングルス

宮川――2位

手塚、山本――ベスト16

 

 明大からは総勢16人が参加した今大会シングルスも、16強が確定した段階で勝ち残ったのは3人のみとなった。手塚と山本はそれぞれゲームカウント0―4、1―4で勝利とはならなかったが、宮川は4―0で勝利し準々決勝へ。相手はTリーグ・岡山リベッツで活躍する谷垣(愛知工大)。Tリーガー同士の今大会屈指のカードが準々決勝で早くも実現した。「(谷垣選手には)ずっと負けていたので、全日学で試合できるのを本当に楽しみにしていた」(宮川)。第1ゲームは接戦の末に取るも、第2、3ゲームは終始押され気味になり落とす。リードを奪われたが「我慢してどんな態勢でもいいから、とりあえず相手のコートに返すことを意識していた」(宮川)。その言葉通り、第4ゲーム以降はラリーが長く続く場面が多く見られた。その中で代名詞といえるフォアハンドを叩き込み、3連続でゲームを奪取し見事勝利。「谷垣選手に勝つことができた。試合内容も良かったので、すごくうれしかった」(宮川)。勢いそのままに準決勝では同じ4年生の阿部(専大)に対し驚愕のストレート勝ち。決勝の舞台へと駒を進めた。

 

(写真:得点を決め、監督とガッツポーズをする宮川)

「こういう全国系の大会は思うような結果を残せなかったので、ランク(ベスト16)を目指してそこからは一試合一試合優勝目指して頑張ろうと思っていた」(宮川)。迎えた岡野(朝日大)との大一番。第1ゲームはいきなり5連続ポイントを許し、6―11で奪われる。第2ゲームは先にゲームポイントを得るが逆転されてここも落としてしまう。「1、2ゲーム目の試合の入り方が、受け身になってしまった」(髙山幸信監督)。第3ゲームを取り返したものの、第4ゲームは10連続でポイントを奪われるまさかの展開。ゲームカウント1―3となり、後がなくなった第5ゲーム。先にマッチポイントを握られるも、今度は宮川が追い付いてジュースに持ち込む。だが反撃及ばず、カウント10―12で勝負あり。宮川は準優勝で最後の全日学を終えた。

 

 宮川の全日学における過去の戦績は、一昨年度がベスト16、昨年度はベスト32と殻を破り切れていなかった。そしてラストイヤーで臨んだ今大会はついに決勝まで進出。「バックハンドの技術が入学した当時より良くなっている。それは今大会も随所に出ていた」(髙山監督)。準優勝と堂々たる結果で全日学を締めくくった宮川だが「自分のできることは全部やったけど、本当は優勝して終わりたかった」と悔しさもにじませた。その思いは必ずや日本リーグ、全日本選手権で晴らしてくれるだろう。

 

[北原慶也]

 

試合後のコメント

髙山監督

――宮川選手が谷垣選手との試合で勝利できた要因は何ですか。

 「谷垣選手からいいボールを打たれて、精神的にめげそうなところでも踏ん張ったことが相手にとって逆にプレッシャーになったと思います」

 

――後期日本リーグに向けて意気込みをお願いします。

 「まずは1部昇格を目指します。試合がずっと続いちゃうので疲れもあるかもしれないですが、相手の胸を借りるつもりで学生らしい試合をしたいなと思います」

 

宮川

――今の率直な気持ちはいかがですか。

 「優勝目指して今大会に臨んでいたので、決勝で負けてすごく悔しい気持ちもあるんですけど、それでも今まで勝てなかった選手に勝って勝ち上がれたり、本当にトーナメントを勝ち上がるのは難しいんだなって今回改めて感じました。決勝まで来たことは自信になりました」

 

――大会3日目はどのような気持ちで臨みましたか。

 「特に変な緊張もなくリラックスして試合に臨めて、対戦相手は全員強い選手なので、自分を思い切って楽しく試合しようっていう風に思いました」

 

松田歩真(商3=野田学園)

――昨日のランク決定戦はどのような戦略で臨みましたか。

 「以前対戦したことがあり、自分の中でも勝つイメージがあったんですけど、相手が自分の嫌なところ突いてきて、そこにうまくはまってしまったので、今回は相手の方が良かったと思います」

 

――3日目の試合をどのように見ていましたか。

 「本当にみんなこの大会に向けて全力を尽くして、全力で準備してきたのを日頃近くで見ていましたし、一つでも多く勝ってほしいと応援していました。残念ながら優勝はできなかったんですけど、それでもすごいいい試合を3人が見せてくれたので、自分も一緒に頑張っていきたいなって思います」