
2年連続男女アベック優勝! 明大史上初の快挙/全日本学生選手権
全日本学生選手権(以下、インカレ)が開催され、団体優勝を目指す明大は個人の技術力とチームの結束力を見せつけた。それぞれが役割を果たし、男子総合2連覇、女子総合6連覇を達成。その結果、明大史上初となる2年連続男女アベック優勝も見事成し遂げた。
◆10・19~22 全日本学生選手権(栃木県ライフル射撃場)
▼男子総合
明大――1位
▼女子総合
明大――1位
インカレでは男子4種目、女子3種目が行われるが、その中で男女共に50mライフル3姿勢と10mエアライフル立射の2種目が団体戦を兼ねている。1種目3人のレギュラー選手が撃った得点の合計を競い、点数の合計で総合団体順位が決まる。
[男子]
「各種目レギュラーになった人もなっていない人も全力でこの期間を戦い抜く」(大塩勇斗主将・政経4=足立新田)。日大に敗れ惜しくも2位に終わった関東学生選手権秋季大会後から、インカレ優勝への熱意はさらに高まっていた。
10mエアライフル立射では、主将の大塩、関口慈英(政経2=国際学院)がファイナルに進出。点数は伸び切らず個人の表彰台入りはならなかったが、団体では2位につけ、1.1点差で1位の日大の後を追う形となった。だが、強さを見せたのは50mライフル三姿勢。大塩が3位に入ると、同じく団体メンバーで、ルーキーの河本弦希(法1=鶯谷)は自己新記録で7位入賞を果たした。「試合中の先輩方の一声に全て救われた」(河本)。試合では緊張しやすく、今大会でも焦りがあったという河本。経験豊富な上級生の積極的な声掛けが、ルーキーの背中を後押ししていた。その結果、この種目では見事団体1位につける。「自分だけでなく、みんなで戦っている」(大塩)といったチーム一丸の姿勢が実を結び、男子総合団体では2年連続となる優勝を果たした。
[女子]
「相当なプレッシャーがかかっている中で、1位の座を守り切れた」(三浦莉桜・商3=足羽)。その言葉通り、重圧をはねのけ6連覇を達成した。10mエアライフル立射では、泉舘玲香(国際4=実籾)が3位、三浦は優勝を決め、明大勢から2人が表彰台に上がる活躍を見せる。安定した強さで得点を重ねる明大は、50mライフル三姿勢でも三好愛佳理(農4=仙台育英)が2位に入った。鹿児島県で行われた国民体育大会(以下、国体)から1週間でインカレに臨んだ三好。点数面では満足のいく結果ではなかったものの「無駄のない丁寧な射撃を自分なりにできた」と、国体での経験をチームに還元し、団体優勝に大きく貢献してみせた。また、両団体種目でファイナルに残った泉舘は「悔しい面もありつつ、やることはできた」と振り返った。主力選手として日々の練習に励む一方で、昨年度のインカレ後からメンタル強化にも力を入れていた。「緊張することは悪いことではなく、パフォーマンスを高めるのに必要なもの」(泉舘)。精神的な要素が結果を大きく左右することを改めて自覚し、意識を大きく変えたことがインカレでの好成績につながった。
勝負強さを発揮し、男女共に団体総合優勝を果たした明大。だが、決して現在の成績に満足することはない。主将を務めた大塩は「ポテンシャルのある選手が多い。大学射撃にとどまらず、世界を目指していってほしい」と話し、明大の後輩たちに寄せる期待は大きい。選手それぞれがさらなる高みを目指していくことで、来年度より一層強くなった明大射撃部の姿が見られるに違いない。
[橋本太陽]
試合後のコメント
津場恭平監督
――今回のインカレの総括をお願いします。
「昨年度に引き続き男女共に総合優勝できて2連覇果たせたということが明大射撃部で初のことでした。女子が6連覇という偉業を続けられたことも、とても良かったです。やはり成し遂げられたのも部員一人一人が本来の力を発揮できたからこそかなと思っています。もちろん団体選手の成績も良かったというのはあるのですが、団体以外の選手も本来の力を発揮して、全員で戦えたのかなと今回の試合で感じました」
大塩
――4年間でうれしかった思い出を教えてください。
「自分は二つありますね。昨年度、インカレで個人賞を総なめする3種目全てで個人賞を取ることができたことと、一般の全日本選手権で優勝することができて、日本代表として海外試合に出場したことです。その二つに関しては自分の中で思い出に残っているというか、やってきて良かったなと感じる場面でした」
――同期に掛けたい言葉はありますか。
「4年間一緒にやってきてありがとうございましたと言いたいですし、自分自身同期の活躍とかを見て励まされることもあったので、切磋琢磨(せっさたくま)できたのはすごく貴重な体験だなと思っています。本当にお疲れ様でしたと言いたいです」
泉舘
――4年間振り返ってみていかがですか。
「正直かなり大変だったのですが、自分自身人間としてこの部活に入ってないと経験できなかったなということが本当にたくさんあったので、おかげで成長させてもらったかなっていうふうに思っています」
――後輩に送りたい言葉はありますか。
「ありきたりなのですが、意外と4年間はかなりあっという間なので、やだなとかしんどいなと思う時もあると思いますが、そう思ったとしても、今を一生懸命に全力で頑張ってほしいなと思います」
三好
――チームの結果についてはいかがですか。
「自分が4年生の時にその結果で終わるっていうことも意識して、目指していたところであったので、すごくうれしく思います。この1年間ほんとにその目標に向けて支えてくださった方に感謝の気持ちでいっぱいです」
――この4年間を振り返っていただけますか。
「1年生の時は自分の中で射撃に熱中して打ち込めていたのですが、最初は10メートルしかやっていなかったのを、2、3年生になって50メートルとかも始めるようになって考えることが増えて、なかなか当たらない時期がありました。50メートルの方では決勝まで残れるくらいの実力が少しずつ付いてきたので頑張ってよかったと思っています」
鈴木航太(国際3=横須賀総合)
――大塩主将はどういった方でしたか。
「心が広くて、とても優しくて、何かミスをしても大丈夫だよと言ってくれるような助けになる存在でした」
三浦
――個人の結果を振り返っていただけますか。
「本戦はうまくいかない射撃だったので結構悔しいなと思うのですが、ファイナルは順位だけ見たら優勝で、学生の中で一番大きい試合で優勝できたことはすごくうれしいなと思いますし、光栄だなという気持ちでいっぱいです」
河本
――4年生は引退となります。送りたい言葉はありますか。
「安心してほしいと言いたいです。これから1年生含め部員全員で全力で頑張っていくので、安心して卒業していただきたいです」
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