
難敵・帝京大に劇的な逆転勝利 2連勝で次戦につなぐ/関東大学ジュニア選手権
関東大学ジュニア選手権(以下、ジュニア戦)の3戦目は、ここまで3連勝と勢いに乗る帝京大。『Keep Fighting』をテーマに掲げて挑んだ今試合は、両者一歩も譲らぬ大接戦となった。22―28の6点ビハインドで迎えた試合終了間際、明大が劇的な逆転トライ。コンバージョンキックも成功し、見事な逆転勝利を飾った。
◆10・22 関東大学ジュニア選手権(明大八幡山グラウンド)
▼対帝京大戦
◯明大29{12―14、17―14}28帝京大
試合序盤は、両者得点を譲らない試合展開となった。「ミスが重なってしまい、自分たちが苦しい状況になってしまった」(左フランカー大川虎拓郎・法1=東福岡)と、なかなか得点に結びつかない時間が続く。試合が動いたのは前半20分。相手のミスで敵陣ゴール付近でのマイボールラインアウトを獲得すると、連続攻撃を展開。左サイドの空いたスペースにボールをつなぎ、最後は右ウイング東海隼(情コミ2=光泉カトリック)がインゴールに飛び込んだ。「ゴール前で取りきれない場面が続いた中で、最後にラストパスをもらってトライできて、そこまで仲間がつないでくれたのが良かった」(東)。このトライから勢いに乗りたい明大だったが、23分、26分と立て続けにトライを奪われ、リードを許してしまう。さらに32分にも自陣ゴール前まで攻め込まれピンチに。これ以上の失点は避けたい中、チームを救ったのは大川だ。帝京大のわずかなスキを逃さず、ジャッカルでボールを取り返した。「帝京大は強いランナーがそろっているので、ディフェンスでチームに貢献したいと思った」(大川)。ピンチを脱出した明大は、前半終了間際に敵陣ゴール付近でのマイボールラインアウトを獲得。そこからモールを押し込み、最後は大川がトライを挙げた。「必ず決めたいところでしっかり取れたのが良かった」(大川)。12―14まで点差を縮め、前半を2点ビハインドという形で終えた。
勝負の後半、最初に得点を挙げたのは明大だった。後半4分、敵陣22メートルライン付近でのアタックでボールを受け取った左ウイング海老澤琥珀(情コミ1=報徳学園)が、右サイドのわずかなギャップを突きラインブレーク。キレのあるステップとスピードでディフェンスを次々と抜き去り、インゴール中央に飛び込んだ。「反対側からどんどん回って走ったので、そこでトライを取れたっていうのは良かった」(海老澤)。さらに10分にはスタンドオフ伊藤利江人(商1=報徳学園)がペナルティーゴールを決め、22―14とリードを奪った。このままリードを守りたい明大だったが、29分、ペナルティーからクイックタップで攻撃を展開されトライを奪われると、30分にはキックオフから空いたスペースにボールを運ばれ一気に失点。「裏に蹴った時のチェイスだったり、誰がそのボールを競るのかだったり、そういう細かいディフェンスのコミュニケーションの部分はまだまだ修正する必要がある」(左ロック亀井茜風・政経4=長崎北陽台)。逆転を許し、厳しい状況になってしまう。それでも、明大は集中力を切らさなかった。「全員が集中力を切らさずにファイトし続けることができた」(亀井茜)。試合終了間際、敵陣ゴール付近の相手ボールスクラム。「ここを取らないと負けてしまうという場面で、8人全員がまとまってスクラムを組むことができた」(檜山蒼介・情コミ1=尾道)と、スクラムを押し返しターンオーバー。連続攻撃から最後は檜山がインゴールにグラウンディングし、点差はわずか1点に。決めれば勝利、外せば敗北のコンバージョンゴールを任されたのは左センター蓬田雄(政経2=流経大柏)。グラウンドが静まり返る中、蓬田が蹴ったボールはポールの真ん中を通過し、劇的な逆転勝利。グラウンドは大歓声に包まれた。
強敵・帝京大を見事下した明大。特にスクラムでは、再三のピンチでペナルティーを奪うなど相手を圧倒した。「帝京大とスクラムを組めたことは、すごく自信につながった」(檜山)。次戦の対戦相手は慶大。「しっかりと一戦一戦勝って、ジュニアも優勝したいと思う」(東)。ジュニア戦優勝に向けて、さらなる飛躍を遂げていく明大ラグビー部の活躍から目が離せない。
[晴山赳生]
試合後のコメント
亀井茜
――4年生としてどのような声掛けを意識していましたか。
「スタートは4年生が2人しかいなかったので僕らが引っ張っていくのはもちろんですが、後輩にも話すタイミングを持たせて全員でチームを作っていこうと意識していました」
――次戦への意気込みをお願いします。
「毎回明大はいい試合をした次の週の試合はあまり良くないので、今回はそのようなことなく、しっかり慶応相手にも今日ぐらいの勢いをもってプレーできるように1週間、2週間準備して臨みたいと思います」
大川
――セットプレーはいかがでしたか。
「今週はセットプレーのところで意識するところを言われてきて、春から積み上げてきたものを出せたかなと思います」
――次戦への意気込みをお願いします。
「今回タックルミスも2本あったので、そこはしっかり完璧にして、自分の課題であるボールキャリーのところも修正していきたいと思います」
海老澤
――勝因は何だと思いますか。
「FWがすごく良くて、スクラムなどセットプレーを取ってくれたり、最後も相手ボールのスクラムをマイボールにしてくれたりしたので、そこが勝因だなと思います」
――これからの抱負をお願いします。
「80分間走りきる選手になって、明大の大学日本一に貢献できるように頑張ります」
蓬田
――帝京大と対戦してみて感触はいかがでしたか。
「春のB戦も勝つことができて、その時からメンバーも変わっていてどうかなというのはあったのですが、意外とやってみたらフィジカルも通用するところがあった印象です」
――これからの抱負をお願いします。
「ジュニア戦もまだ大会続くので優勝できるようにして、あとは対抗戦、選手権もチームとして日本一になれるように頑張りたいです」
東
――今試合を振り返っていかがですか。
「ゴール前で取り切れない場面とかもあったのですが、しっかり自分たちがここ1週間やってきた、エリアを取ってキックしてディフェンスしてというゲームプランをしっかり遂行できたので良かったと思います」
――勝因は何だと思いますか。
「ゲームプランとかも良かったですが、最終的には気持ちの部分で、15人全員がワンチームでできたのが良かったと思います」
檜山
――今試合を振り返っていかがですか。
「長い時間プレーすることはできませんでしたが、短い時間だからこそ、集中して自分のやるべきことを一つ一つやらなければいけないと思っていたので、そこはできたのかなと思います」
――ご自身のトライシーンはいかがでしたか。
「取り切らないと負けてしまうことも分かっていたので、そこで取り切ることができたのはすごくうれしかったです」
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