3選手が5位入賞もメダル獲得ならず/全日本大学グレコローマンスタイル選手権

2023.10.23

 グレコローマンスタイルにおける学生王者を決める全日本大学グレコローマンスタイル選手権が開催。明大からは8名の選手が出場した。5名が入賞するも、表彰台入りは果たせず。多くの選手にとって悔しさの残る結果となった。

 

◆10・18〜19 全日本大学グレコローマンスタイル選手権(駒沢屋内球技場)

▼60キロ級

 塚田――1回戦敗退

▼63キロ級

 高塚――5位

▼67キロ級

 遠藤――2回戦敗退

▼72キロ級

 山崎――5位

▼77キロ級

 加藤――7位

▼87キロ級

 岩井――5位

▼97キロ級

 菊地――8位

▼130キロ級

 大浦――敗者復活戦2回戦敗退 

 

【1日目】

 「1回も勝ったことがなかったので絶対勝ちたいと思っていた」と87キロ級の岩井知史(文3=前橋西)は悔しさをにじませた。1回戦、2回戦と勝ち上がり、準決勝の相手は同じ地元で対戦経験の多い早大の玉岡。試合が始まりスコアレスのまま第1P、パッシブを取られパーテールポジションに。必死に粘るも2回返されてしまう。「立とうとした時に腕をきめられて、そこをしっかり守れれば後半で返せて勝ててた」。0―5とリードされ、あとがなくなった岩井が第2Pで反撃に出る。パッシブで1点を返すと、グラウンドで玉岡を返し3点奪取。岩井は敗れたものの3―5まで追いつく大健闘を見せた。

(写真:敗戦後の岩井(右))

 すでにほかの4年生は引退をした中、本大会を引退試合と決め準備してきた山崎然生(営4=いなべ総合)。しかし1週間前に腰をケガしてしまい、試合前日まで練習ができていなかった。「ぶっつけ本番で(引退試合と決めていたので)最後全力ぶつけるぞという心構えで臨んだ」。体の状態が万全とは程遠い中、山崎はトーナメントを勝ち上がる。「1回戦から前に出て、技もかけれて積極的に行けた」。迎えた準決勝、山崎は果敢に攻めるもパッシブから、ローリング、場外ポイントで4点を献上。それでも危ない場面では粘りを見せ、第2Pへ折り返す。0―4で迎えた第2P、「極力押し負けないことを意識していた」と一進一退の攻防が続いたが、残り2分半。山崎の体勢が崩れたところで両脇をつかまれ、そのままマットへ。逆転はかなわなずに敗退となった。

 

(写真:技を仕掛ける山崎)

 グレコローマンスタイルを専門にしている選手がごくわずかというのもあり明大勢から決勝進出者は出なかった。「消極を取られるとグラウンドで試合が終わってしまうとことに対応することができなかった」(森陽保監督)。指揮官はグラウンドの強化を反省に挙げた。大会2日目は敗者復活戦が行われる。「勝ちます」(山崎)。意気込みは十分、あとは表彰台に乗るだけだ。選手たちの奮闘は2日目へと続く。

 

【2日目】

 大会2日目は3~5位決定戦と敗者復活戦に5人の選手が出場。1日目、惜しくも決勝への切符をつかむことのできなかった岩井は銅メダル獲得を目指し、負けられない戦いに挑んだ。対戦相手は今年度の全日本学生選手権(以下、インカレ)でフリースタイル、グレコローマンスタイルの両部門で頂点に立った髙橋(日体大)。「フリースタイル専門の選手なので、手の置き場所など(組む位置)が遠く、組み手がうまい印象だった」(岩井)。そんな相手への戦略を立てるため、岩井は前試合を観戦し「グラウンド状態で持ち上げて投げられて負けていたので、そこが狙い目だと思った」と弱点を分析。その言葉通り試合開始1分半、パッシブによる1点を獲得後、グラウンドでの攻防に持ち込むと相手を浮かす。しかし、惜しくも投げ技につなげることができず、得点チャンスを逃してしまう。続く後半は岩井のパッシブにより1点を献上し、スタート。両者攻撃のスキを与えず、一進一退の攻防を繰り広げる中、残りわずか20秒で場外に押し出され、1―2で敗北となった。しかし、インカレ2冠の最強王者相手に互角の戦いを見せた岩井を森陽保監督は「(今試合を終えて)一皮むけたと思う」と評価。惜しくもメダルには手が届かなかったが、次戦での勝利への大きな一歩となった。

 

(写真:組手を組む大浦)

 一方、130キロ級の大浦響(営2=山形市立商)は1―1の同点のまま試合が終了。最終ポイントを取った相手に勝利を譲り、唇をかむ結果となった。「今大会でやらないといけないことが明確になった。次の大会では優勝したい」(大浦)。次戦は東日本学生秋季選手権が約1か月後に控える。昨年度の同大会、今年度の東日本学生春季選手権ともに決勝で敗れ、惜しくも銀メダルだった大浦。今大会で得たことを糧に3度目の正直で頂点を目指す。

 

[保坂啓太郎、井手満菜]

 

試合後のコメント

山崎

――大会1日目を振り返っていかがですか。

 「1戦目の日本大学の選手に対しては結構動けた感じがあって自分から技も仕掛けられたし、いい試合ができたと思うんですけど、2回戦目は相手が強いのは分かっていたんですけど、もっとやれる方法があったかなと正直思う感じです」

 

――シードでしたが気持ちの作り方で、難しさはございましたか。

 「これが引退試合っていうのがもう分かっていて、いい意味でも悪い意味でも当たってくだける精神を持って、最後全力をぶつける心構えでやってきたんで、めっちゃ緊張とかはあんまりなかったかなと思います」

 

岩井

――本大会のためにどのような練習を取り組んできましたか。

 「最近、トレーナーが変わって、トレーニングが増えて、筋力アップをしてきて、体力も 上げてきました。あとは組手の練習をめっちゃして、いつもは組んで投げにいくのを、組み手から入って相手を崩してから点を取るやり方を練習しました」

 

――東日本学生秋季選手権への意気込みをお願いします。

 「(専門の)グレコローマンスタイルに出るか、11月の内閣総理大臣杯のためにフリースタイルに出るか悩んでいます。グレコローマンスタイルに出るからには、春に87キロ級で優勝してるんで、違う階級でも優勝したいなっていうのがあって、フリースタイルだったら、上位に入って、内閣総理大臣杯につなげられる試合ができたらなって思います」

 

大浦

――今試合の戦略がありましたら教えてください。

 「グラウンドポジションからの攻めが自分はできないので、立った状態での攻めを考えていたんですけど、組み手を抑えられちゃったりしちゃって、あまり投げられなかったです」

 

――今試合で見つかった収穫と課題を教えてください。

 「収穫は、やらないといけないことを明確にできたことです。課題は、攻めの技が少ないことで、グラウンドポジションからの攻めと左をさした時の攻防がうまくいかなくて負けてしまったので、頑張っていこうかなと思います