心ひとつ『I will』胸に戦うも 3年連続ファイナル4で敗退/関東学生リーグ戦

 「当たり前のプレーを当たり前にやることの大切さを痛感した」(MD穂積風花・農3=豊多摩)。この言葉が全てを物語る試合だった。一進一退の攻防が続き、勝負の行方は最終Qに委ねられた。56分に勝ち越しゴールを決められ、そのまま立大に傾いた流れを修正できず5-7で敗戦。ファイナル4の壁を越えることはかなわなかった。

 

◆7・9〜12・24 第35回関東学生リーグ戦(大井ホッケー競技場メインピッチ他) 

▼10・14 対立大戦(駒沢オリンピック公園第一球技場) 

明大5{1—3、2—0、1—1、1—3}7立大〇

 

 3年ぶりの決勝の舞台へ、立ちはだかったのは立大。過去リーグ戦では3年以上勝てておらず、今年度は六大戦、明立定期戦で対戦し、どちらも敗戦している相性の悪い相手だ。試合前、AT柳井華(農4=東大教育学部付)は部公式ブログに「誰か任せにしていたら、きっとまた『負け』てから頑張り始める。だから、『私がチームを勝たせる』。その強い意志をコートで発揮できるよう練習するのみ」とつづり、昨年度同じ舞台での敗戦を機に、今年度はスローガン『I will』を胸にして1年間準備してきた。

 

 第1Qはオフェンスが整わず、パスミスが相次ぎ得点につながらない。12分にMD田村葵(農3=大和)がクリアに成功。コート中央を駆け上がりショットを決め同点に。しかしロングパスのカウンター攻撃に耐えられず第1Qは1―3。第2QはMD齋藤千暖(政経3=新発田)が「自分で自信を持って打とうというところで決められてうれしかった」と、得意のFS(フリーシュート)を決め流れを引き寄せ1点差に縮める。AT古川真愛主将(農4=町田)らの積極的なチェックでボールを奪い再びFSを獲得すると、齋藤のFS、と見せかけてパスを受けた穂積が同点ゴール。3―3と同点で前半戦を終える。

 

(写真:得点後喜ぶ選手たち)

 ハーフタイムでは井川コーチは「チェイスの徹底」でボール保持を、古川主将は「意識で変えられるところは変えて、今までやってきたことを丁寧にやろう」。盛り返した流れを立大に渡さない。ディフェンスのスキを突かれ再度リードされるも、第3Q終了間際、またも穂積のショットで同点に追い付く。「ディフェンスが何人も来て大変だったが、打つしかないと思って打ったら入った」(穂積)と気持ちでもぎ取った1点に、スタンドから割れんばかりの歓声が溢れ、涙を流す部員の姿も。

 

 〝4Qの明治〟。昨年度、ファイナル4の慶大戦で逆転負けを喫し敗退した明大は、どこよりもその重要さを知る。今シーズンは最終Qも途切れない集中力と積極的なオフェンスで勝ち星を重ねてきた。

しかし、焦りからグラボやパスにミスが相次ぎ立大のオフェンス時間が続き、立て続けに2失点で4―6に。この苦しい空気を打破したのは柳井。リーグ戦得点王がついに本来の力を発揮し5―6。時間を使う立大に、最後の1秒まで果敢にボールを奪いに行ったが、立大に追加点を許し、そのまま無情にもホイッスルが響く。〝4Qの明治〟力をもってしても、わずかに及ばなかった。 

 

 惜しくも3年連続ファイナル4敗退となってしまった明大。「リーグを通して身に付けてきた部分を今日出せず、(基礎的な)ミスが出てしまったのは本当に反省だった」(齋藤)。進化してきたチーム力を発揮しきれなかったことに、悔しさをにじませた。だが全員が『I will』を体現した。「応援の一体感は明治の方があり本当に声が届くし、力になった」(穂積)と、パンフレット作製やメッセージ付きカード、応援歌でスタンドを盛り上げるなど、全員が勝利のために懸命に戦った。来年こそファイナル4を突破し〝時代の覇者〟になるその日まで、心をひとつに追い求めていく。

 

[杉田凜]

 

試合後のコメントはこちら