
(女子)住吉が優勝! チーム力光った一戦に/東日本学生選手権
明大勢4人が出場した東日本学生選手権(以下、東インカレ)。女子7、8級では、住吉りをん(商2=駒場学園)が優勝、江川マリア(政経2=香椎)が3位、元榮愛子(商1=目黒日大)が4位、本田真凜(政経4=青森山田)が9位に入った。チームとしては団体優勝を収め、確固たるチーム力を見せた。
◆10・13〜15 東日本学生選手権(ALSOKぐんまアイスアリーナ)
(写真:圧巻の演技を披露した住吉)
圧倒的な滑りで会場に独特な世界観をつくり上げた。披露したのは『Enchantress』。序盤、ダブルアクセルと3回転トーループの2連続ジャンプをしっかりと着氷し、続けて挑んだ4回転トーループ。惜しくも回転不足となったが「空中ではすごくいい感覚だった」と成功に向けての手応えを感じた。その後も3回転ルッツをはじめとするジャンプを着実に決める。力強い部分と繊細な部分の緩急をつけた演技に、会場がどよめいた。「特に力強い方をメインで強化してきて、それを少しずつ出せるようになってきている」。強みであるきれいな所作、きれいなスケートに加え、力強さを感じさせる圧巻の演技を披露した。全ての分野でハイレベルな得点を刻み、結果は優勝。東京選手権(以下、ブロック)に続き、2大会連続の優勝となった。
次なる舞台はグランプリシリーズ(以下、GP)フランス大会。「GPまで日は短いが、4回転であったり、SP(ショートプログラム)もFS(フリースケーティング)もやらなくてはいけないので、バランスを取って、全体的なクオリティも上げていけるように仕上げたい」。理想とする演技はまだまだ先だ。この先、世界を舞台に戦う住吉の挑戦から目が離せない。
(写真:軽快なステップで見せた江川)
多彩な表現でリンクを舞った江川。水色のラインとフェザーの付いた特徴的な衣装を身に着け演技に挑んだ。序盤、ゆったりとした曲調に合わせた柔らかい所作を見せる。ジャンプでミスが続くが、その後はしっかり持ち直し、ダブルアクセルからの3連続ジャンプを確実に決めた。ラテン系へと曲調が大きく変化すると、それまでの演技とは対照的な軽快なステップを見せる。そして、終盤にはステップシークエンスと華麗な高速スピンを披露し、多くの観客を魅了。繊細、そして滑らかな滑りで『O』を表現した。
シーズン前、本プログラムについて「スピードと表現の両立が難しい」と口にしていた江川。今大会では「以前よりも、盛り上がるところでスピードを出せるようになったという気はしている。しかし、ジャンプが乱れてしまうと、スピードも少し落ちたり、慎重になってしまう。もっと堂々と演技をしたい」と分析した。この後待ち構える東日本選手権(以下、東日本)に向け、完成度が高まっていく江川の演技に期待がかかる。
(写真:力強く滑り切った元榮)
迫力溢れる演技を披露した元榮。披露したのは『Black Swan』。冒頭の3回転サルコウからの連続ジャンプでしっかり着氷し勢いをつけると、続く3回転ルッツも華麗に跳び会場を沸かせる。「今シーズンはまだルッツを試合で降りていないので、それが決まったのはすごく良かった」。ブロックで惜しくも転倒となった3回転ルッツを今大会では抜群の安定感で跳び切った。その後もジャンプを順調に重ね、鮮やかなスピンで締めくくった。
スタンドの明大勢からは演技開始前後ともに、多くの声援が聞こえた。「こんなに応援されることはあまりないので、すごくうれしい気持ちだった」。応援を味方に、堂々と滑り切った元榮。東日本に向けて「終盤のステップやスピンがグラグラしていたので、そういう点をもっと頑張りたい」と課題を口にした。持ち味のダイナミックさと安定感を兼ね備えた、パワーアップした演技を見せてくれるに違いない。
(写真:笑顔で人魚姫を演じた本田)
魅力的な滑りで『リトル・マーメイド』の世界観を表現した本田。序盤の3回転ループを華麗に決め、その後、ジャンプを着実に重ねていく。洗練された所作と滑らかなスケートで多くの観客を魅了。氷上でキラキラと輝く姿は、海で歌う人魚姫そのものであった。本プログラムの見どころであるスパイラルを曲の盛り上がりとともに美しく披露し、本田の演技も最高潮に。ロマンチックな空間をつくり出し、会場は温かい雰囲気に包まれた。ブロックから演技構成点を大きく伸ばし、進化した『リトル・マーメイド』を見せた本田。全日本選手権で笑顔で終わることを目標に、これからも挑戦を続ける。
ブロックからの成長が見られた今大会は、各選手が今後に弾みをつける一戦となった。「東日本に向けて、もっと演技をブラッシュアップできるように頑張りたい」(江川)。今後、より一層進化した演技を見せてくれるだろう。
[髙橋未羽]
試合後のコメント
住吉
――本日の演技を振り返っていかがですか。
「悔しいところがいくつか小さいミスがあったところで、それでも全体としては勢いのある演技ができたことと、ブロックから少し成長した部分もあったので、自分の中ではいい演技だったかなと思います」
――観客の皆さんや部員からの歓声はいかがでしたか。
「観客の方々は本当に温かかったです。明治の応援は気持ちが届いて、アットホームな感じで応援されているという気持ちで、楽しく試合に臨めました。明治として試合を楽しんでいるなという感じがあったので、自分もその楽しい気持ちに乗れたので良かったです」
江川
――今大会で一番手応えのあったジャンプについて教えてください。
「最後のトリプルサルコウで、そこはやはり最後のジャンプで、絶対に決めたいと思っていたので、決まったのが良かったです」
――表現面はどのように自己評価していますか。
「ブロックの時よりは表現面に関しては、力強く滑れたかなと思っています。表現面は練習すればするほど伸びると思うので、ジャンプと並行して頑張りたいです」
元榮
――初めから落ち着いた表情をしていたように見えました。緊張はしていましたか。
「最初はすごく緊張していたのですが、みんなの応援が面白くて、結構緊張がほぐれた感じでした」
――今後の意気込みをお願いします。
「ブラックスワンだから、もっと最後まで力強く滑らなくてはいけないのですが、最後の方はへとへとになってしまっているので、最後までしっかり滑り切れるように頑張りたいです」
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