強さ見せつけ立大に大勝 対抗戦4連勝/関東大学対抗戦Aグループ

2023.10.16

 前節の筑波大戦から2週間を経て行われた関東大学対抗戦(以下、対抗戦)第4戦。明大と同じく今年度創部100周年を迎える立大を相手に迎えた。今試合のテーマに、80分間明大のスタンダードをやり切るという意味の『コンプリート80』を掲げると、そのテーマ通りに終始明大が試合をリード。最後まで相手に流れを渡すことなく97―7の大差で立大を下し、チームをさらに勢いづける対抗戦4連勝目を挙げた。

 

◆10・15 関東大学対抗戦Aグループ(大和スポーツセンター)

▼対立大戦

 ◯明大97{40―0、57―7}7立大

 

 試合序盤から明大が強さを見せつけた。開始早々の前半5分、自陣ゴール付近でボールを持ったフルバック竹之下仁吾(政経1=報徳学園)が持ち味のランプレーで次々と相手ディフェンスをかわし、ハーフライン付近までゲイン。「最初は遠慮せずボールを持ったら自分でいこうと決めていて、実際に抜けることができたのでいい入りができた」(竹之下)。その後左サイドに大きくパスを放ると、それを左センター平翔太(商2=東福岡)が受け取り、そのまま自ら中央へと切り込んで先制トライを挙げる。「相手の詰めてくるディフェンスに対してスペースが空いていたのでそこを狙った」(平翔)。この先制トライで勢いづいた明大は、テンポよくトライを重ねていく。14分に敵陣10メートルライン付近でのマイボールラインアウトから左に展開すると、最後は右センター秋濱悠太(商3=桐蔭学園)がディフェンス数枚の隙間を走り抜けトライ。その直後の19分には相手ゴール前でペナルティーを獲得すると、スクラムハーフ大越勇気(営4=茗溪学園)がすぐさまリスタート。その大越からのパスを受け取ったナンバーエイト木戸大士郎(文3=常翔学園)が、相手ディフェンスをものともせず力強くインゴールへと突っ込み追加点を挙げた。「ゴール前で相手も下がるのが遅くて、これはいけるなと思った」(木戸)。次々とトライを挙げる明大に負けまいと、立大も果敢に攻めの姿勢を見せるも得点とはならず。その後も明大は3トライを重ね、前半を40―0という圧倒的点差で終えた。

 

 続く後半戦でも明大の勢いは止まらない。後半4分と15分に右ウイング安田昂平(商3=御所実)が、12分にモールからフッカー松下潤一郎(法4=筑紫)がそれぞれトライを挙げ、後半開始早々から点差を広げていく。しかし、立大もまだ諦めてはいなかった。22分に自陣ゴール前でスキを突かれ今試合初の失点。「前に上がることができず抜けてしまったのが良くなかった」(左ロック山本嶺二郎・法4=京都成章)。この初失点を皮切りに試合の流れも変わるかのように思われたが、明大は焦ることなく自分たちのラグビーを展開。25分には、後半からフルバックにポジションを移したスタンドオフ伊藤耕太郎(商4=国学院栃木)が敵陣10メートルラインからそのままディフェンスの間を走り抜けトライ。「チームが苦しい時にしっかりとトライを取り切れたのは良かった」(伊藤耕)。その後も明大は次々とトライを重ねていき、38分には今試合POMも獲得した絶好調の平翔が、4本目となるトライを挙げた。試合終了間際にも、山田歩季(商3=京都成章)がダメ押しとなる追加点を挙げ試合はノーサイド。計15トライを挙げ、最終スコア97―7で対抗戦4連勝を飾った。

 

 初紫紺の選手や、普段とは違ったポジションや形での起用となった選手が多く見られた今試合。そのような中でも立大を相手に大差で勝利を挙げることで、今シーズンの明大の強さと選手層の厚さを他大学に見せつけることができた。しかし「初紫紺で課題が多く見つかったので、もっと成長してチームに貢献できるように頑張りたい」(柳田治久・法4=明大中野)と今の状況に慢心する選手はいない。次戦の相手は慶大。少しの油断が命取りとなる試合となるだろう。廣瀬組が目指す日本一に向け、ここからはさらにギアを上げていきたい。

 

[久保田諒]

 

試合後のコメント

山本

――セットプレーで意識していたことはありますか。

 「立大は最初の10分勢い出て勝負仕掛けてくると思っていたので、まずはFWの接点のところで前に出るっていうところと、セットプレーのところでプレッシャーをかけるっていうのを意識しました」

 

――ハーフタイムにはどのようなことをチームで話し合いましたか。

 「アタックのところで一つ一つタイミングが少しずつずれていたところがあったので、まずクイックセットを意識して、そこからモメンタムやっていこうと話しました」

 

木戸

――今のチームの完成度はいかがですか。

 「やっぱりまだまだです。リザーブが入ってきたらタイミングずれたり、最初からずっとタイミングが悪かったりしたので、改善する余地があるので完成度はあんまり高くないかなと思います」

 

大越

――対抗戦初スタメンとなりましたがどのようなことを意識して試合に臨みましたか。

 「特別なことはやろうと考えていなくて、スクラムハーフとして求められていることをしっかり遂行してやろうと思っていました」

 

――今試合の良かった点と悪かった点はありますか。

 「良かったのはこの経験ができたことだと思います。悪かったのは最初の20分のあたりで自分が流れを作れなかったり、ちょっと合わない部分もたくさんあったりしたので、そこは修正したいと思います」

 

伊藤耕

――試合全体を振り返っていかがですか。

 「全体的にすごく明治のアタックは継続してできたと思います。フォーカスの『コンプリート80』のところで、明治のラグビーをやりきるっていうところも、しっかりとみんながそのフォーカスに対して全力で取り組めたので良かったと思います」

 

――慶大戦に向けて意気込みをお願いします。

 「すごくイメージ的に苦手としている相手なので、今日やり切れたところっていうのを慶大相手でもしっかりとぶつけて、もっともっといい形で帝京大に挑めるような試合にしていけたらいいなと思います」

 

平翔

――POMに選ばれましたがいかがですか。

 「いつもは13番なんですけど初めて公式戦で12番だったので、12番の方がいっぱいボールも出て実際キャリーもできたので、スペースあったらしっかりキャリーしてボールをつなげられたのが良かったと思います。選ばれてうれしかったです(笑)」

 

竹之下

――フルバックとして意識していた点はありますか。

 「意識していたところはボールをもらうタイミングとキックです。風が強かったんでそれに対してのキック処理で、あとは思いきりいくみたいなのを意識して取り組んでいました」

 

檜山蒼介(情コミ1=尾道)

――初紫紺となりましたがいかがでしたか。

 「正直うれしかったですし、不安もありました。恐怖感もあったんですけど、楽しくできたのは先輩のおかげなのでそこはすごく良かったです」

 

――どのようなことを意識してプレーしていましたか。

 「とにかく思いっきりチャレンジする。かっこいいプレーとか派手なプレーとかできるタイプではないので、そういうところをがむしゃらに一つ一つ丁寧にやろうとしていて、そこはできたのかなって思います」

 

柳田

――初紫紺への率直な思いを聞かせてください。

 「4年間、この紫紺のジャージーを着るためにきつい練習とか頑張ってきたんですけど、自分だけじゃなくてやっぱりこれまで下のチームで一緒にやってきた先輩方だったり、後輩たちだったりのおかげだと思っているので、すごく感謝しているとともに、絶対この代で優勝したいなっていう気持ちがすごく大きくなりました」

 

――下のチームでの経験を生かせたところはありましたか。

 「1番はやっぱり泥臭いプレー、あまり目立つプレーをしようとせずに、地道に目立たないプレーを一生懸命100パーセントでこなすということ。それが下のチームで学んだことなので、それを今日も生かせた場面はあったかなと思います」