11人がインカレへの切符つかむ 今後に弾みをつける大会に/全日本学生選手権関東支部予選

 11月に沖縄で開催される全日本学生選手権(以下、インカレ)への出場権を懸け挑んだインカレ関東支部予選。メンズクラスでは大島春哉(商4=佐倉)が2位入賞、蓮田拓己(営2=明大中野)が6位入賞、レディースクラスでは戸田千晴(文3=駒場)が6位入賞を果たした。今大会の結果により、計11人がインカレへの出場権を手にした。

 

9・23〜24 インカレ関東支部予選(材木座海岸沖)

 

▼メンズクラス

 大島――2位

 蓮田――6位

 森――8位

 伊藤――14位

 神田――17位

 阿部――20位

 遠藤――23位

 長田――32位

 松永――60位

 本木――61位

 吹田――76位

 

▼レディースクラス

 戸田――6位

 坂井――13位

 岡――14位

 

 昨年の同大会で入賞できなかった悔しさを胸に今大会に挑んだ大島。初日、自信のあるスタートで順調にレースを進める。3レース目は、大きなミスの影響もあり54位へと沈むが、その後のレースではしっかり立て直して3位につき、この日を5位で終えた。迎えた2日目。「自分の得意な風域でもっと順位を上げて戦おうっていう気持ちだった」。得意とする強風を味方とし、レースを支配する。初回のレースで2位につき流れをつかむと、その後のレースは1位通過。「4年生で乗ってる経験値も違うので、プレッシャーはあったが、しっかり走れてホッとした」。初日から順位を三つ上げ、2位入賞という結果を収めた。惜しくも優勝に届かず、悔しげな表情を浮かべていたが、今大会の結果が今後の自信へとつながったに違いない。「(インカレには)ベストなコンディションで、体調管理や基礎的なところをちゃんとして挑みたい」。最後のシーズンを後悔なく駆け抜ける。

 

 「レース序盤で失敗しても後半に取り返すことを意識して、どうやってまくっていくかを考えていたので、苦しい展開の中でも冷静にいられる場面が多かった」。そう振り返るのはメンズクラスで6位入賞を果たした蓮田。初日の1レース目、夏の練習で鍛えられた体力を武器に、後半に怒涛の追い上げを見せ2位につける。その後もミスを最小限に抑え、3位で初日を終えた。強風であった2日目。「風が強い分、一つミスをしたときの賠償がすごく大きかった」。迎えた最終レースでリコールをしてしまい、レースに参加できず6位という結果に。「結果としては入賞で嬉しいが、自分のミスで6位になってしまったので、うれしい反面少し悔しい」。この悔しさをインカレの舞台で晴らすため、決死の思いで競技に挑む。

 

 あと一歩及ばなかった。メンズクラスで8位という成績を収め、惜しくも入賞を逃した森健太郎(文3=元石川)。初日の微風に苦戦を強いられるも、必死に食らいつき3レース目には9位と上位に食い込んだ。学生日本代表の意地とプライドを懸け挑んだ2日目。「全て3位以内を取ってやろうって思っていた」。強風を味方につけ、強気でレースを進めていく。初回のレースでは前半を首位で通過するものの、コースの選択ミスにより5位へと沈む。「相手の艇がどこにいて、どの風を拾って速く行こうとしてるかというのをもう少し意識できれば、1位を維持できたのかなと感じた」。悔しさを胸に挑んだその後のレースは2位で通過し、流れをつかんだように見えたが、最終レースでリコールを取られ、理想通りに動くことができなかった。「インカレに向けて自分の立ち位置がわかったというのが良かった」。大舞台に向け、これからも挑戦を続ける。

 

 レディースクラス6位入賞となった戸田。初日の微風は体格的に不利であったものの、スタートで周囲の艇と差をつけ優位にレースを進める。2レース目は19位と苦しい展開が訪れるも「ここで落としても耐えられるんじゃないかなというポジティブな気持ちで、切り替えられるようにしていた」とその後のレースは10位、9位としっかり立て直した。以前から苦手意識のあった2日目のレースでは、得意とする強風を味方につけ、着実にレースを重ねていく。最終レースでは終盤まで1位を走っていたものの、ゴール付近でのミスの影響で惜しくも2位という結果に。「(苦手な)2日目に順位を上げることができたのが良かった点。1位を取りきれない展開が多かったのが反省点」と振り返った。入賞という目標を達成できたものの、新たな課題が見つかった今大会。課題を克服し、今後はよりパワーアップしたレースを見せてくれるに違いない。

 

[髙橋未羽]

※写真はボードセーリング部提供

 

試合後のコメント

大島

――2位という結果についていかがですか。

 「悔しい部分はあるんですけど、よく戦うことはできたのかなと思いますし、中風で次に目指すべき相手を今回の大会で見つけることができたので、自分的にはすごくいい大会でした」

 

――今大会通して得られた収穫と課題について教えてください。

 「今回を通して一番、結構長い悩みなんですけど、やはり2日間で8レースある中で、今回54位ですけど、前回も46位っていう順位を1本取ってしまったり、大きなポイントを叩き出してしまうっていうのが課題です。団体戦でそれをしてしまうと、他のチームメンバーに迷惑をかけてしまうので、それをなくしたいです。チーム全体としては、来年は全員で沖縄へ行けるように、また動き出す必要があると思っています」

 

蓮田

――夏に特に意識してやっていた練習について教えてください。

 「僕は結構体重が重いので、基本的にはずっとパンピングでこいでいなくてはいけないのですが、そういう面で体力的にも負けないように、パンピングをし続けるっていうのを意識していたのと、あとは自分の弱点というのを、客観的にどこが良くないか、どこが良いかっていうのを、改めて認識して細かいところを追求していくような練習みたいな感じです」

 

――インカレ個人戦での目標と、意気込みをお願いします。

 「目標は入賞。やはりインカレ個人戦の入賞というのは、去年、4人入賞していたのを見ていたので、表彰台に登ることがすごい憧れで、実際今年は自分でも入賞できる実力はあると思っています。意気込みは、まだ3か月あるので、最後まで絶対に諦めないで、こぎ切ることを目標に、手がちぎれるぐらい一生懸命こぎたいと思っています」

 

――今大会に向けての練習や試合前にどのようなことを意識していましたか。

 「自分はライバルがいる関東の大会にあまり夏の間出ていなかったので、相手の実力が分からない状況の中で、自分のベストを出すこと、相手のこと気にしないで自分の走りをすることをずっと意識してました」

 

――インカレの目標について教えてください。

 「明治の上級生2人、4年の内藤(紳之介主将・法4=アサンプション国際)と大島がいるんですけど、その2人が上位1位から3位を取ってくれると思うので、1、2、3位を自分を含めたその3人で埋めることが目標です」

 

戸田

――レースを振り返っていかがですか。

 「支部戦ということで、リコールをしてしまうと、結構ボーダーも危うくなったりして、みんなリコールが怖くて、いつもよりもスタートラインがだいぶ落ちてたので、自分のライン把握能力をもっと上げて、どんなときでも、攻めてスタートができていた方が良かったかなと思います。優勝した選手は1人だけ高いところからスタートしていたので、普段からやってることができるようにしたいなと思いました」

 

――インカレに向けて意識したいことを教えてください。

「体重を減らそうと思っていて、乗り方やコツをつかめれば、体重がそこまで重くなくても、女子だったら吹き飛ばされるような風でレースはしないので、少し絞って微風でもちゃんと戦えるようなラインで、吹きは乗り方覚えているから乗れるみたいな状態に、体の面では仕上げていけたらいいなと思っています。他の部分で言ったら、大会が続くので、10月にしっかり結果を出すことを意識して、大会で勝ち切れる感覚を身に付けて、インカレに臨みたいです」