
常勝メイジ復活へ! 死闘制し大会8連覇達成/第34回東日本大学選手権
7人制の団体トーナメントで争われた今大会。中大との決勝戦は勝敗の行方が大将戦にまでもつれ込む大接戦に。最後は大将・井上晴陽(文3=三井)が渾身の胴突きで試合を決め、明大は大会8連覇を達成した。さらに形の部でも好成績を収め、明大勢が躍進。全日本学生選手権(以下、府立)の前哨戦となる今大会で価値ある勝利をつかみ取り、王座奪還に向け勢いづいた。
◆10・9 第34回東日本大学選手権(日大文理学部百周年記念館)
〈男子〉
▼明大――1位
〈形の部〉
▼大川――1位
▼野村・矢吹組――2位
初戦、準決勝と危なげなく勝ち進み、迎えた決勝戦の相手は中大。昨年度の府立王者を前に、試合は序盤から苦しい展開を迎えた。先鋒・野村龍星主将(文4=関西福祉科学大)がまさかの敗戦を喫すると、続く次鋒戦でも逆転負けを許し連敗。その後も流れをつかむことができず、中堅戦を終え1―3と劣勢。3戦を残して王手をかけられた。もう1敗も許されない緊迫した状況の中、参将戦に登場したのは土屋賢生(法2=関西福祉科学大)。ここでの結果がチームの勝敗に直結する場面にも関わらず「久しぶりの団体戦でみんなと一緒に試合できるのが楽しくて緊張よりもわくわくする気持ちが勝った」と決して臆することなく試合に臨んだ。開始7秒で1本を取るとその4秒後に2本目。試合開始からわずか11秒で試合を決める圧倒的な強さを見せ、流れを明大へと引き寄せた。次の副将戦を任された森川征那(文3=三井)は「圧をかけるのを意識して戦った」と相手から反則一本を奪うと、その後も粘りを見せ2本目を奪い勝利。連勝で3—3と試合を振り出しに戻し、大将戦へと望みをつなげた。
運命の大将戦を任されたのは井上晴陽(文3=三井)。「めちゃくちゃ緊張した。だけどみんなが僕に1番かっこいいところを持ってきてくれたと思って、僕が1番かっこよくなろうという気持ちで行った」。開始8秒で1本を奪い、幸先のいいスタートを切る。しかし相手も意地を見せ、すぐに1本を返される。「正直焦った。でも後ろを見たらみんながいて、野村先輩が『絶対大丈夫、大丈夫』って言ってくれて、そこでまた落ち着いて勝ちにいこうと思えた」。冷静さを保つと、最後は得意の胴突きで一本を奪い試合終了。1―3からの3連勝で大逆転劇を演出し、死闘を制した明大は見事大会8連覇を達成した。
形の部、女子の部、男子の部の3部門が行われた今大会。形の部・一人形に出場した大川翔(文4=藤嶺学園藤沢)は予選を2位で通過し迎えた決勝戦で、洗礼された火流の形を披露し見事優勝。二人形に出場した野村、矢吹遼佳(文4=明大中野)組も準優勝に輝き、明大勢が躍進を遂げた。さらに、女子の部には学連選抜の大将として市川由奈(法4=関東学院)が出場。序盤から積極的に攻める姿勢を見せると、立て続けに2本を奪い快勝。次戦の全日本個人選手権(以下、名古屋)に向け、勢いをつける結果となった。
(写真:形で優勝した大川)
「チームがやっと一つにまとまった感じ。試合の中でチームが一致団結していった感じがした」(土屋)。連敗から巻き返し、最後まで諦めずつかんだ優勝が、チームとしての明大の強さを物語っている。さらに、今大会ではケガで欠場が続いていた野村主将の復帰戦でもあった。「野村先輩が作ってきたチームで感謝しかないから、野村先輩のために府立で優勝したい」(井上)と後輩、チームメイトから絶大な信頼を得る主将の復帰がチームをさらに一つにまとめ上げた。次に明大拳士が目指すは府立の優勝旗奪還。昨年度味わった悔し涙を、今冬、うれし涙へと変えるために。野村メイジが王座奪還に向け復活ののろしを上げる。
[佐藤あい]
試合後のコメント
野村
――決勝戦では仲間をどのような気持ちで見守られていましたか。
「勝ってくれるだろうと思っていたので、いけるだろうっていうのもありましたし、自分の悔しい気持ちをこらえながらだったんですけど、代表戦になってもいつでも戦える準備はしていました」
森川
――試合を振り返っていかがでしたか。
「万全の状態ではなかったんですけど、とりあえず勝てたのは大きかったです。決勝でも僕が負けたら、もうチームが終わりだったのでそこでしっかり取れたというのが自分の心の成長を感じました」
山田健斗(文2=桜丘)
――決勝は2連敗で流れも悪い中でしたがどのようなことを考えて試合に臨みましたか。
「絶対に負けの流れにはいかないように、僕のところで1回変えるという気持ちで、勢いでいきました」
土屋
――決勝戦は圧巻の勝利でした。
「今日は負けられない。ここで負けてしまったら僕の負けがチームの負けにつながって、憧れの龍星くん(野村主将)のチームを負けさせてしまうことになるんで、絶対ここは死んでも勝とうって思っていました」
――野村主将はどのような存在ですか。
「本当に僕の中のスーパーヒーローです」
――締めの一言をお願いします。
「去年は負けてしまったけど、僕はケガをして自分の弱さを知って日々努力をしてきた。それがやっと今日結ばれてチームに貢献できたと思う。だけど、まだ全国1位ではないんで。11月、大阪で天下取りに行きたいと思う。以上」
井上
――府立が近づいてきましたが府立に向けた気持ちはいかがですか。
「府立は本当にもう4年生と拳法できる最後の大会で、4年生とは大学の中でも1番長く関わってきた先輩たちなので、4年生のこと僕大好きですし、何より野村先輩には僕が上京したばっかりで東京のことも何も分からないところから、練習のことやったり、もちろん拳法のこと、プライベートでもご飯いっぱい連れていってもらったりとか、もうずっと可愛がってもらっていたので、府立は絶対に明治が優勝して日本一になって、先輩にうれし涙を流させて、みんなで校歌を歌いたいなと思っています」
――最後に一言お願いします。
「野村メイジしか勝たん」
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